• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

市場効率性と社会道徳の間で揺れるチケット転売

米国チケット再販ビジネスは日本の「正解」になるか?(後編)

2016年11月18日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回のコラムでは、米国スポーツ界でチケット再販ビジネスが市民権を得、その市場が大きく拡大していく経緯を整理しました。現在、米国のチケット再販市場は、一次市場に引けを取らない存在感を示すようになってきており、消費者にとってごく当たり前の存在になっています。

 今回のコラムでは、米国の状況と比較しながら、日本のチケット再販市場の現状や懸念点などについて考えてみようと思います。

日米ともに違法ビジネスでない点は共通

 まず、日米のチケット再販ビジネスの相違を述べる前に、共通している点を挙げておきましょう。日米で共通しているのは、チケット再販行為自体を直接的に禁止する法律がない点です。後述するように、チケットの再販には倫理的な問題をはらむケースも出てくるのですが、明確な法律違反ではないという点は日米ともに同じです。

 米国では、チケット再販は州法による規制を受けます(連邦法にチケット再販行為を禁じる法律はなく、州により対応が異なる)。各州の規制を細かく見てみても、転売行為自体を無条件で禁止している州はほとんどありません。イベント会場から一定の距離が離れていること、州にライセンス登録すること、興行主から許可を得ていることなど条件付きで認めている州が大半です。

 ただし、不公平な再販行為を規制するという観点から、ソフトウェアを用いて短時間に大量のチケットを買い占めてしまう「BOTS」と呼ばれる行為は法律により禁止されています。例えば、2014年にマジソン・スクエア・ガーデンで開催されたU2のコンサートでは、約2万枚の前売りチケットのうち1万5000枚があっという間にBOTSに買い占められ、再販市場に流れるという事態が起こりました(1つのプログラムで1分間に1000枚くらいスピードでチケットが購入できる)。

 こうした人間の能力では太刀打ちできないコンピュータープログラムを用いた高速売買は、株式取引でも問題視されていますが、同じ手法がチケットの買い占めにも応用された形です。しかし、言い方を変えれば、人間を介したチケット購入であれば、それが営利目的の業者による行為であっても、州の規制をクリアしてさえいれば違法行為にはならないのが米国の現状です。

規制の難しいチケット再販ビジネス

 日本でもチケット再販行為自体を無条件で禁止する法律がないのは米国と同じです。

 日本では、チケットのダフ屋行為を一部取り締まることのできる法律が4つあると言われています。まず、各都道府県による迷惑防止条例です。基本的には、イベント会場の周辺など公共の場所での転売や営利目的の転売を禁止するものです。

コメント2件コメント/レビュー

個人的には公共の福祉に反しない経済行為は規制するよりも自由にした方が得られる便益は大きい、つまり原則自由化に賛成である。そして、事はイベントチケットだけでなく、JRや航空などの指定席券についても同様である。どうしてもそのサービスを受けたい人自身が相応と判断する価格で手に入れることに何の後ろめたいことがあろうか。(2016/11/18 12:19)

オススメ情報

「鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」」のバックナンバー

一覧

「市場効率性と社会道徳の間で揺れるチケット転売」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

個人的には公共の福祉に反しない経済行為は規制するよりも自由にした方が得られる便益は大きい、つまり原則自由化に賛成である。そして、事はイベントチケットだけでなく、JRや航空などの指定席券についても同様である。どうしてもそのサービスを受けたい人自身が相応と判断する価格で手に入れることに何の後ろめたいことがあろうか。(2016/11/18 12:19)

基本的には市場原理に任せた値付けでいいと思います。人気興行の良席は何十万円になろうが何百万円になろうが。人気がない席は只でも。ただし、だからといってアフターマーケットに任せると必ずやくざ屋さんが入ってきますので、主催者側が最初からオークション形式で売るのがいいんじゃないでしょうか。あるいは全席ごと個別に最初はとんでもなく高い値段から売り始めて徐々に下げていくとか。

昨今のチケット入手難・高騰問題の本質は、「やくざ屋さんの資金源になることがまずい」に尽きると思っています。「市場原理に基づく適正価格」と「それに対して著しく低く設定されているチケット定価のギャップ」をごっそりやくざ屋さんに持っていかれているのです。(2016/11/18 09:45)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

海外のクラウドサーバーに データを預けると、企業秘密がその国に筒抜けになりかねない。

太田 大州 富士通シニアエバンジェリスト