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“部活”は尊い。なぜならば

2018年3月2日(金)

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 高校の部活に週休2日以上の休養日が求められることになりそうだ。
 まあ、当然だろう。

 中日新聞の記事は、この間の事情を

《学校の運動部活動の在り方に関するガイドラインづくりを進めているスポーツ庁の検討会議は二十三日の会合で、これまで「中学校では週二日以上の休養日を設ける」としてきた活動時間の目安について、審議中の原案に、高校の部活動も原則対象として盛り込むことを了承した。》(こちら

 という言い方で伝えている。
 個人的には、なんの問題もないと思う。

 というよりも、長らく現場任せのまま放置されていたブラック部活の実態に、スポーツ庁という官僚組織がはじめてメスを入れようとしている点で、画期的な取り組みだと、積極的に評価するべきなのかもしれない。 

 一部の体育系の部活が、生徒たちに過酷な練習スケジュールを強要していることは、スポーツ医学的な見地から見て不適切だ……というだけの話ではない。競技力の向上を阻害し、生徒の健全な日常生活を破壊する恐れすらある。顧問として生徒指導に従事する教員の負担が著しく過大である点も無視できない。

 要するに、現状の体育会系の部活(※一部文化系も含む。以下、煩瑣なので「部活」と書かせていただく)は、官庁が乗り出さねばならない程度にどうかしているということだ。あまりにも異常すぎて、内部の関係者が、自分たちのおかしさに気づくことができずにいるのであろう。

 にもかかわらず、いまここにある現実として様々な立場の人間を巻き込んでいる部活という運動体は、内部の人間には制御不能な一個の地獄車だったりする。

 というのも、生徒は顧問に口ごたえできないし、顧問は顧問でOBや地域社会の期待を裏切ることができないからだ。もちろん学校は学校でPTAの意向や生徒募集への影響を無視できないし、高体連や高野連や新聞やテレビは部活を素材に制作されるドラマから自由になることができない。とすると、部活が自らをドライブさせている自動運動は、誰が動かしているのかその張本人がわからないにもかかわらず、それでいて誰も止めることのできない地球の自転みたいな調子で、その上に乗っている人間たちの昼夜のあり方を決定してしまう。

 とすれば、こういう怪物は、お上が法と規制のカタナを抜いて退治しにかかるほかに方法がない。
 その意味で、スポーツ庁の対応は、着手の段階として、いまのところは適切だと思う。

 検討会議が作成しているガイドラインに反発する声もある。
 2月27日の日刊スポーツ・コムに

 「順番を間違ってないか、公立高の部活週休2日に疑問」(こちら

 という見出しの記事が掲載された。

 詳しくはリンク先を参照してほしいのだが、記事の中で、書き手の記者は

《何が悪いって、教員の働き方改革を最優先して、子供たちの気持ちを後回しにしていることだ。故障防止が大きな目的ならば、投手の球数制限など、先に語るべきテーマがあるはずだ。いきなり活動日制限は、順番が間違っている。》

《厳しい練習に励むのは、決してトップアスリートだけではない。スポーツ庁だって、平昌(ピョンチャン)五輪での日本選手の躍進を喜び、メダリストのたゆまぬ努力を礼賛する一方で、高校生には頭ごなしに「週に2日以上は運動するな」と命令するのは、お門違いだ。》

《教員の働き方改革が待ったなしの状況なのは理解できる。多忙でどうしようもないならば、部活でなく、授業を減らせばいい。》

 と書いている。
 この記事はネット上に配信されるや否や、即座に炎上した。

コメント104件コメント/レビュー

理屈ではない理不尽だが現実の話として良い例がでましたね。

もし、トランプ大統領があなたの上司だったら
「無理難題」を真に受けてはいけない【大人の人間関係力】

処世術としてこういう事も残念な現実として必要

御花畑脳を作らない為にも、見たい物しか見ないわけにも行かないので
現実と対処法も知っておく必要が在る。
現実に対して、実際にどう振舞うかは、時と場合と本人の判断で決めるしかない。
部活がその役割をというのは変ではあるが、
上下関係のある現実に近い組織という意味では会社とかに近いのかもしれない。(2018/03/15 17:51)

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「“部活”は尊い。なぜならば」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

理屈ではない理不尽だが現実の話として良い例がでましたね。

もし、トランプ大統領があなたの上司だったら
「無理難題」を真に受けてはいけない【大人の人間関係力】

処世術としてこういう事も残念な現実として必要

御花畑脳を作らない為にも、見たい物しか見ないわけにも行かないので
現実と対処法も知っておく必要が在る。
現実に対して、実際にどう振舞うかは、時と場合と本人の判断で決めるしかない。
部活がその役割をというのは変ではあるが、
上下関係のある現実に近い組織という意味では会社とかに近いのかもしれない。(2018/03/15 17:51)

部活の部分をPTAに置き換えても同じことが言えそうです。それに対する批判も、その批判に対する批判も。活動が不合理であるとか非効率であるとか成果が上がらないとかは関係なく、「ただ耐えてみんなと同じことをする」ことにだけ意味がある活動というのは日本には他にも随所にあり、活動への参加は、自分が日本の社会人であることを認めてもらうための重要な通過儀礼なのでしょう。子どもは部活で、母親はPTAで、かつて帰宅部だった父親も会社で・・・日本全体が巨大は不合理の塊なので、それに気づかないでいる鈍感さがないと生き苦しいと思います。(2018/03/15 10:29)

筆者の言うところの、部活に期待されているものの中身として、「理不尽に耐える根性」というのが上がっていたが、もし本当に「理不尽に耐える根性」というものがクラブ活動を通して身に付くのであれば、当然、スポーツ庁が作っている、部活関係者にとって理不尽な、「中学校では週二日以上の休養日を設ける」とした活動時間の目安についても、その理不尽さに耐える根性で、何の文句も言わずに耐えられるはずである。理不尽なことは世の中にはゴロゴロあり、全ての理不尽に耐えられるのであれば部活動にも意義はあるが、たかが週2日の休養日を設ける程度のことにも耐えられないような、クソ弱い根性しか作れないのであれば、全くの無駄な時間なのかもしれない。会社生活では、休みは取らなければならないが仕事の量は増えるばかり、という状況が続いており、それに準じて「中学校では週二日以上の休養日を設ける」が、スポーツ技能は強化せよという、シミュレーションとして実施するのかもしれない。だとすれば、週休2日の試練に文句などあろうはずがない。効率を重視してトレーニングをしなさい、ただダラダラと毎日夜遅くまで時間を掛けることが良い訳ではない、ということを悟らせる、ありがたい施策であることを理解するべきだと思う。(2018/03/09 13:41)

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