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国会中継に見る与太話と馬鹿話の教訓

2018年3月23日(金)

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 国会中継を見るのはいつも骨が折れる。

 実態に即した言い方をするなら、見ていてうんざりするということでもある。
 あるいは、国会中継は、一般人の視聴に耐え得るコンテンツではない、と言ったほうが正確かもしれない。

 実際、私は、これまで、生中継で流れている国会の答弁の様子を、30分間以上集中して視聴できたためしがない。

 毎度、10分もたたないうちに忍耐が尽きて、テレビの電源スイッチを押してしまう。

 画面がシュッと縮まって黒っぽい平面の中に消える瞬間(あ、ブラウン管時代の記憶です)、いまいましい蚊をたたきつぶした時に似た、かすかな達成感をおぼえる。国会中継に好ましいところがあるのだとすれば、そのポイントだけだ。

 質問のヌルさに腹を立てることもあれば、回答する官僚や大臣の言葉の使い方のデタラメさにいらいらすることもある。どっちにしても、30分だとか1時間みたいな単位の時間を、平常心で視聴し続けることは、自分にはできない。

 あの中継は、見ている側の知性や思考力を刺激しない。
 ただただこちらの負の感情を増幅するばかりだ。
 だから、国会中継を見ている時の私は、ふだんの私より3割がた激発しやすい人間になってしまっている。

 というのも、互いに怒鳴り合う人間たちを観察している人間は、いつしか、怒鳴る言葉でしかものを考えることができなくなるものだからだ。
 議員さんたちのアタマが心配だ。
 あんなに怒鳴ってばかりいて、果たして論理的思考の習慣を失ってしまわないものだろうか。

 私の見たところ、県立二番手校の野球部の補欠だって、ここ最近の議員たちに比べれば、もう少し落ち着いた声で野次を飛ばしている。議員の野次は、県予選レベルでも通用しない。それほどレベルが低い。

 もっとも、国会中継の映像がもたらす感情的頽廃の責任を議員の先生方の側にばかり求めるのはフェアな態度とはいえない。むしろ、審議の内容に集中できずにいる自分の側の怠惰や傲慢を反省するのが、マトモな大人の態度だろう。

 振り返ってみれば、私は、はるか50年前から、他人の話を聞くことが苦手な子供だった。
 学校の授業も、だから常に苦痛だった。
 進みの遅い授業に対しては
「わかってるよ。うっせえな」
 と思ってたちまち退屈したし、かといって進み過ぎた授業には単純について行けなかった。

 そんなわけなので、私が好きだったのは、教師がとりとめのない雑談を展開するタイプの授業で、そのせいなのかどうか、学校を出て何十年もたつのに、いまだに幾人かの教師が授業の中で披露した無駄話や与太話のたぐいを記憶している。

コメント78件コメント/レビュー

同意。失敗や間抜けな話もひっくるめて、全て記録として残すのが本来の大人。バカでアホで間抜けな人間なんだからこそ、などと同じことを繰り返さないために、記録を残さないといけない。と思う。
ほんと、よくこんなことしといて、公務員に改ざんとか責め立てるな。恥を知れよ。
普通の国民の方がアホって認識してることもあって、ミスすればちゃんと謝るし反省文なり記録なり残すっての。(2018/05/08 11:31)

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「国会中継に見る与太話と馬鹿話の教訓」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

同意。失敗や間抜けな話もひっくるめて、全て記録として残すのが本来の大人。バカでアホで間抜けな人間なんだからこそ、などと同じことを繰り返さないために、記録を残さないといけない。と思う。
ほんと、よくこんなことしといて、公務員に改ざんとか責め立てるな。恥を知れよ。
普通の国民の方がアホって認識してることもあって、ミスすればちゃんと謝るし反省文なり記録なり残すっての。(2018/05/08 11:31)

ええっと、発言をすべて保存して「後日この発言は撤回された」と追記するのではなく、さっくりと元の発言も議事録から削除する国会議員の集団が、官僚の公文書の勝手な書き換えを責め立てるのは、「目くそ鼻くそを笑う」に等しいと言う話だ、というお話ってことですよね?

 まぁ日本人は、「お清書」が好きなので、そういう「何字誤り何文字訂正」っていう余白に判子押しながら訂正する、登記申請書的書類は嫌いなのかもしれませんが。(2018/04/12 02:59)

「バカ」といっては「バカ」に申し訳ないくらい今の与党の議員(村上誠一郎を除く)はひどい。
一般の仕事でも,まずいこと(不良や実験の失敗)があったらこれをちゃんと記録し,二度とそうならないようにするため原因を追究し対策を講じる。
バカよりひどい発言もちゃんと記録し,それについて誰がどういう対応をしたかということを記録することは,今後のためにも必須である。(2018/03/28 15:56)

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