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モリカケ問題が沈静化しない理由

2017年11月17日(金)

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 岡山理科大学獣医学部の新設が、認可されることになった。

 10月14日、林芳正文部科学大臣が、閣議のあとの記者会見で、学校法人「加計学園」の獣医学部について、文部科学省の大学設置審議会の答申を踏まえ、来年4月の開学を、正式に認可したことを明らかにしている(こちら)。

 5月のはじめに、朝日新聞が「総理のご意向」などと記された文書の存在を報じて以来、およそ半年間くすぶり続けてきた問題に、一応の決着がついたカタチだ。

 「一応の決着」という書き方をしたのは、手続き上は決着したように見えても、この結果に納得していない人たちがたくさんいるだろうと思ったからだ。

 というよりも、納得していない側の陣営が大騒ぎしている中で、それでもなお一方的な形で手続き上の決着を急いだ政府の姿勢に驚いているからこそ、今回、私はこの話題を蒸し返すことを決意したわけで、加計学園問題は、これから先、認可の適正さの問題という当初の設定を超えて、政府が国会軽視の態度を強めたきっかけの事件として、さらには、紛糾した問題への対応の強引さからうかがえる政権の強権体質を示唆する問題として振り返られることになるのだろうと考えている。

 加計学園は、解明されることによってではなく、むしろ解明に向けた説明を拒んだ人々の狭量さを明らかにすることによって、現政権の問題点を浮かび上がらせている。その意味で、大変に稀有な事件だ。

 そもそも、森友・加計学園問題と呼ばれている一連の疑惑が与野党間の対決的な争点となったきっかけは、安倍晋三総理が、2月17日の衆議院予算委員会の答弁で

 「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」

 と断言した時点にさかのぼる。
 安倍首相が、なにゆえにこんな大上段に振りかぶった宣言をカマしたのかは、いまとなっては謎だ。

 首相が、この問題をナメてかかって、それゆえに軽率な断言を振り回したのか、でなければ逆に、危機感を抱いていたからこそ過大な言葉で自らの関与を否定しにかかったのか、いずれが真相に近いのかは、ご本人以外にはわからない。ともあれ、「総理大臣も国会議員も辞める」というこの時の大言壮語は、その後のご自身の行動を制限する結果を招いた。すなわち、首相は、この件に関して、少しでもご自身ないしは昭恵夫人の関与をうかがわせるいきさつについては、徹頭徹尾全面否定せざるを得ない立場に追い込まれたわけで、この時点で、首相にとって妥協の余地は事実上消滅した。つまり、小さな痛みを我慢しつつより大きな合意を得るという政治の常道を選択する道が閉ざされた形だ。

 で、本来は首相夫人を巻き込んだよくある公私混同の問題、ないしは、文科省の認可行政にまつわるこれまたよくある不透明な行政上の瑕疵に過ぎなかったこののお話は、首相の進退を問う疑惑に格上げされることになった。

コメント273件コメント/レビュー

私はこれまで政治にほとんど関心のなかったいわゆるゆとり世代の若輩者です。
しかし公文書改竄の報道を見て現政権への不信感でいっぱいになり、今更ながら色々勉強している際にこちらの記事にたどり着きました。
モリカケ問題が急展開を迎えている今だからこそ真価を発揮する記事だと思います。

言い方は稚拙かもしれませんが、まるで予言の書を読んでいるような感覚になりました。
多くの有権者が小田嶋さんのような感覚を持っていれば、犠牲者を出さずに済んだかもしれないと思うと非常に残念です。無知だった自分にも怒りが沸いてきます…
せめて、シンちゃんから階段から突き落とされ、命を落としてしまった方の無念が晴らされますように…(2018/03/15 01:41)

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「モリカケ問題が沈静化しない理由」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私はこれまで政治にほとんど関心のなかったいわゆるゆとり世代の若輩者です。
しかし公文書改竄の報道を見て現政権への不信感でいっぱいになり、今更ながら色々勉強している際にこちらの記事にたどり着きました。
モリカケ問題が急展開を迎えている今だからこそ真価を発揮する記事だと思います。

言い方は稚拙かもしれませんが、まるで予言の書を読んでいるような感覚になりました。
多くの有権者が小田嶋さんのような感覚を持っていれば、犠牲者を出さずに済んだかもしれないと思うと非常に残念です。無知だった自分にも怒りが沸いてきます…
せめて、シンちゃんから階段から突き落とされ、命を落としてしまった方の無念が晴らされますように…(2018/03/15 01:41)

既に本記事を思い出した方々がいらっしゃいますね。
まあ、このコメント欄でオダジマさんに罵声を浴びせた連中は、きっと今日の顛末を見ても反省などしないでしょうし、益々の言い訳をするのでしょうから、そのことに言及しても仕方ないということは分かっています。

ただ、事件に対してどれだけ「クサい」かということは、当事者でないと分からない、結局マスゴミと批判しながらも情報はマスコミから得るしかない我々素人集団は、何百歩も現場から離れていることは自覚すべきでしょうね。
モリカケは、そのくらいきっと現場に直面している野党らには「クサい」案件だったということでしょう。
より正確に当てたいなら自分で取材を、それができないなら、「意見」程度にとどめ、あまりエラそうな言い方で人を批判しないことだと思います。

まずは、亡くなった方のご冥福を祈りたい。そして本件の責任を取る役の人の人生が悲しいものにならないことを祈りたい。
ウチの会社では、不祥事の責任を取る役の人間は、関連会社で会長や社長に収まるというご褒美が付くので良いですが、政治の世界は表だっているだけに歴史的に厳しい末路が定石ですから。(2018/03/13 07:53)

さて財務省が改ざんを認めました。この記事が11月にでたときに追及やめろーって言ってた人たちの見解を今お伺いしたい。(2018/03/11 11:37)

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