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商売にならないのでスミマセン、とは言えんです

第431回 トヨタ ハイラックス【開発者編・その3】

2018年4月16日(月)

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 丈夫で長持ちで走破性が高くて使い勝手の良いハイラックス。
 新興国市場の成長とも相俟って、先代は爆発的に売り上げを伸ばしていった。  先々代の販売台数45万1000台は、代替わりして一気に111万台にまで膨れ上がった。

 新興国における4WDのピックアップ・トラックは、命をつなぐ道具であり、生活そのものでもある。翻って日本ではどうだろう。もちろんプロユースもあるのだろうが、そのほとんどが「趣味の世界」のクルマなのではあるまいか。としたら、たいした販売台数は見込めまい。

 タイで生産するハイラックスを、わざわざ日本に逆輸入するのはなぜなのか。今回はそのあたりから伺っていこう。

F:ハイラックスは新興国市場を中心に、本当によく売れていると伺いました。ですが日本ではそれほどの数字は見込めません。だから先代は日本の市場をスキップしたわけですよね。「自動車を販売するビジネス」という観点からすれば、今回の8代目も、わざわざ日本に持ってこなければいけない必然性なんて、ほとんどないように思います。

:ええ。ないですね。

トヨタ自動車 新興国小型車カンパニープレジデント・常務役員の前田昌彦さん

F:それを敢えて、なぜ日本に持ってきたのでしょう。トヨタという会社は、どうしてもビジネスライクなイメージがあるのですが、そのトヨタが、それほどの商売が見込めないクルマをどうして日本で売ることにしたのですか。

ディア・ハンターからのビデオレター

:北海道にいらっしゃる、鹿撃ちの方からいただいた熱烈なビデオレターがそもそものキッカケです。その方は最後の日本発売モデルとなっていた先々代のハイラックスに、13年も乗り続けておられるんです。

先々代、6代目のハイラックス

 走行距離はもう70万キロを超えようという。もちろんまだまだ現役で走れるんだけど、そろそろ新しいのに乗り換えたいと。トヨタさん、次のはいつ出してくれるの。俺たちは次に何に乗ればいいの? 日本ではもう売らないの? と。

F:へぇ、そんなビデオレターが。

:はい。すごく熱烈なものを(笑)。それで釧路トヨタさんの紹介で、僕が直接お話を聞きに行きました。ハイラックスは日本で売る予定がありませんが、ランクル(ランドクルーザー)のプラドじゃダメですか、とか、70(ナナマル=ランドクルーザー70)はどうでしょう、これだってハイラックス同様の走破性がありますよ、ウィンチだって付けられますよ、安心して山にも入って行けます、と言ったんです。僕らハンティングのことなんて、よく分かりませんから。

ランドクルーザー70(バン)

F:なるほど。トヨタには他にもいい四駆がたくさんありますぜ、狩りにも行けまっせ、と。

:そう。そうしたら、「仕留めた獲物を室内に積む気になりますか」と……。

F:あー。

:大きさ的には積めたとしても、室内にはちょっと載せる気にはなりませんよね。

F:確かに……血だらけだろうし臭いもキツそう……ハンターの人の言葉はリアルだなぁ。なるほど。おっしゃることは分かります。が、しかし、ハンターの方々がハイラックスを1000台も2000台も買ってくれるわけじゃないですよね。

:ええ。そんなには売れないです。でもやっぱり、「実際に乗って使っていただいている」という事実は我々にとって非常に重たいです。ずっと先々代の6代目を乗っていただいていて、70万キロも走っているようなウチのハイラックスがあって、その代わりがないんで困っていますと言われたら、我々はなんて答えますか。商売にならないのでごめんなさい、とは言えんですよ。

コメント31件コメント/レビュー

マツダがミニバンやめたのはスカイアクティブ採用で
大きな排気管の採用のためにエンジンルームが大きくなって、
スペース効率が悪化したからです。

FFロングノーズのハッチバック、セダン、SUVは良くても
ロングノーズミニバンは成立しませんからね。

勿論、スカイアクティブ展開時にはマツダのビジネス的な判断として
折り込み済みだったのは言うまでもありませんが。(2018/06/11 11:15)

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「商売にならないのでスミマセン、とは言えんです」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

マツダがミニバンやめたのはスカイアクティブ採用で
大きな排気管の採用のためにエンジンルームが大きくなって、
スペース効率が悪化したからです。

FFロングノーズのハッチバック、セダン、SUVは良くても
ロングノーズミニバンは成立しませんからね。

勿論、スカイアクティブ展開時にはマツダのビジネス的な判断として
折り込み済みだったのは言うまでもありませんが。(2018/06/11 11:15)

マツダがミニバンをやめたのもビジネス上の理由でしょう。
ビジネスで継続的に利益を得るためにミニバンが合わないイメージ戦略を選択し、個々の売り上げでは無く全体の経営戦略から判断してミニバンを切り捨てた。結局は商売上の理由です。

そしてマツダは3列シートが必要なユーザーのためにCX-8を用意し、トヨタはハイラックスが必要なユーザーのために日本での販売を復活させた。両社ともビジネスとユーザーの思いを両立させる努力をしていると思います。

スポーツカーは苦しくても売り続けなければダメ…なんて86の多田さんは言ってませんよね。
多田さんが言ってたのは、損をして他のクルマで帳尻合わせしてたら経営状態が悪くなった時に真っ先にブチ切られる。そうやってトヨタはスポーツカーをやめてきた経緯があるから、継続的に作り続けるために損をしないようにしなければならない、ということですよね。今までの経緯から学び、そうならないよう考えたわけです。この姿勢が白々しいかは過去の事から判断すべきではなく、今後から判断すべきですね。(2018/04/20 10:53)

商売にならないからやめるのと、マツダがミニバンやめたのは違いでしょう。

前者はドライに金だけの理由、
後者は目指すものに適合しなかったからであって、売上的には持っていても良かった。

やめたという事実が同じというだけで同じと見るのは、パクリ坊と同じでは(2018/04/18 21:05)

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