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年収制限のない「定額働かせ放題」ってマジ?

「働かせ改悪」につながるタチ悪法案が今国会で成立見込み

2018年1月23日(火)

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「働き方改革」の名の下、政府は長時間残業の是正に乗り出したはずだった。だが、今度は真逆の方に目を向け始めた

 先日、出演したテレビ番組で、「飲食業会で急増する“お得なサービス”」という特集があった。

 月2000円を払えば、一回の来店に付きハンドドリップのコーヒーが一杯飲めるコーヒースタンド。毎日来てもいい。いや、朝晩来てもいい。いやいや、一日何回でも無制限に来店していいので、行けば行くほど、お得になる。

 店長曰く、「来店するお客さんはコーヒーを飲むだけじゃなく、サンドイッチなども買ってくれるので利益はかなり大きい」とのこと。

 また月8600円で毎日、豚骨、味噌、汁なしの中から選んで一杯食べられるラーメン屋さんもある。大きなチャーシューとモヤシがトッピングされた、かなりボリュームのあるラーメンである。

 店長曰く、「お客さんが新規のお客さんを連れて来ることが多いので、お店の売り上げは昨年比を大幅にクリアしている」とのこと。

 極め付けは月に1万5000円支払うと、料理食べ放題とワイン飲み放題が、何度でも楽しめるフレンチレストラン。店の雰囲気はかなりおしゃれ。ワインの種類も豊富にある。

 やはり店長曰く、「連休や天気が悪くなったりするとキャンセルが増えるが、定額だとそれを心配する必要がない」とのこと。

 どれもこれも「こんなにお客さんにサービスしちゃって、お店は損しちゃうんじゃない?」と傍目には心配になる。だけど、なるほど、“定額制”はお店にとってお得なサービスらしい。

 で、まさかまさか「その流れに乗っちゃえ!」ってことではないのだろうけど、定額制が「働き方改革」に盛り込まれることになった。今国会で「企画業務型裁量労働制の適用拡大」、別名「定額働かせ放題法」が成立する見通しである。

年収の制限なく「働かせ放題」って

 厚生労働省の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」の答申には、次のような一文がある。

 「企画業務型裁量労働制の対象業務への『課題解決型の開発提案業務』と『裁量的にPDCAを回す業務』の追加と、高度プロフェッショナル制度の創設等を行う」

 メディアでは「高度プロフェッショナル制度」、いわゆる“残業代ゼロ法案”のことばかりが取り上げられているが、「裁量労働制の拡大」は運用次第では相当にタチの悪い法案になる。どちらも法律が定める労働時間規制から完全に逸脱する制度であるが、最大の違いは年収の制限の有無だ。

コメント60件コメント/レビュー

20年くらい前に既に裁量労働があり、自分で選択できる、と言う建前だったのに、上司から強制的に判子を押させられました。業務は変わっていないのに、給料だけ残業分月5万円くらい減りました。その時の年収は数百万で、今議論の条件より遙かに下です。短期的には会社が得したと思いますが、その際に会社への信頼は大きく低下しました。ただでさえ、日本の会社員の給与水準、帰属意識、プロ意識、生産性が低い中、さらに競争力を下げるような法律はどうでしょうか。(2018/01/25 01:59)

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「年収制限のない「定額働かせ放題」ってマジ?」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

20年くらい前に既に裁量労働があり、自分で選択できる、と言う建前だったのに、上司から強制的に判子を押させられました。業務は変わっていないのに、給料だけ残業分月5万円くらい減りました。その時の年収は数百万で、今議論の条件より遙かに下です。短期的には会社が得したと思いますが、その際に会社への信頼は大きく低下しました。ただでさえ、日本の会社員の給与水準、帰属意識、プロ意識、生産性が低い中、さらに競争力を下げるような法律はどうでしょうか。(2018/01/25 01:59)

「悪用可能だから悪法だ」という指摘は現行の法律にも当てはまります。従って、今回の法制に反対する理由として全く成立しません。「どっちでも同じ」という結論にしかならないからです。

珍しく書かれている「改善案」は悪くはないのですが、どうも「時間を切り売りしている労働者」の発想で書かれていて、「それはそれでやれば良いけど、本質じゃないよね」という気がします。

やはり本質は「法を悪用しようとするような企業が淘汰される」環境を作ることかと思います。
そんな企業はみんなさっさと辞めてしまえば良い。
なのに何故辞めないのか? 再就職先がなかなか見つからないからでしょう。正社員だと余計にそうでしょう。
では何故正社員採用が少ないのか? 一度雇うと業績が悪化してもなかなか解雇できないから採用に躊躇するのです。
この文脈でこそ「問題の解決には解雇規制の撤廃を」という論が出てくるわけです。下記でもお一人だけ言及されていますが、その後のコメントを見ると意図は理解されていないようです。(解雇規制の撤廃だけで問題が解決するかは分かりませんが、かなり効果ありと思います。)

コラムでもコメントでも、「ダメな企業が淘汰される」環境を作ることの重要性が看過されているように思えてなりません。(2018/01/25 01:16)

2018/01/24 09:56

アメリカでは先発が中4日で投げることが多く(日本は中6日)、
少なくない先発投手がトミージョン手術を受けているという事実は無視ですか。
何かが嫌いだとそれだけで目が曇ることの好例ですね。(2018/01/24 18:39)

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