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「働かなくてもカネがもらえる」から働くんです

「労働の奴隷」からの脱却を、ベーシックインカムを考える

2018年2月13日(火)

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 「夫も非正規で働いているのに、このままでは出産しても子どもを預けることもできない。ホントに子どもを育てていけるのか?」
 出産という人生最大の幸せを目前に、メンタル不全に陥っている。

 ……どれもこれも真っ暗闇で、私にはまったく希望が見えない。

 景気がバブル並みと言われても、あの頃と今の日本の空気は全く異なる。
 バブル時代の話をすると否定的に受け止められてしまうのだが、あの頃はみな「前」を向いていた。前に進めると信じることができた。光が見えた。とにかくみんな明るかった。

 とはいえ、なにも「あの頃がよかった」とノスタルジーに浸っているわけじゃない。

 報じられる「数字」と肌で感じる「空気」が違い過ぎて、いったい何のために私たちは働いているのだろう? と。生活を豊かにするために、必死に汗をかき、ときにやりがいを感じ、やるべき仕事があることに幸せを感じ、働いたんじゃないのか?

 少しでも豊かになりたいと知恵を絞り、技術力を高めてきたはずなのだ。
 なのに、働けど働けどちっとも潤わない。雇用形態の違いだけで子を授かるという“幸せ”な時間が不安に埋め尽くされ、“終の住処”は危険と背中合わせを余儀なくされ……。

 さらには無期雇用ルール前に、雇い止めになった人たちの状況が次々と報じられている。

 その上、今年10月からは、生活保護受給額のうち食費や光熱費など生活費相当分が、国費ベースで年160億円(約1.8%)削減され、母子加算(月平均2万1000円)は平均1万7000円に減額される方針が伝えられている( ※児童養育加算の対象は高校生に広げた上で、一律1万円になり、大学などへの進学時に最大30万円の給付金が創設される)。

 かつて経団連の会長だった奥田碩氏は、
 「人間の顔をした市場経済」という言葉を掲げ、
 「これからの我が国に成長と活力をもたらすのは、多様性のダイナミズムだ。国民一人ひとりが、自分なりの価値観を持ち、他人とは違った自分らしい生き方を追求していくことが、こころの世紀にふさわしい精神的な豊かさをもたらす」(著書『人間を幸福にする経済―豊かさの革命』より) と、名言を吐いた。

 にもかかわらず、うつ、過労死、過労自殺、孤独死、子どもの貧困……etc、etc。
 社会問題が山積し、「人」の価値がとんでもなく軽んじられている気がして滅入ってしまうのである。そして、あまりにも問題が多すぎて、社会全体が思考停止に陥っている。私には、そう思えてならないのである。

 そんな折、「インドのいくつかの州は、2年後までに「ベーシックインカム(最低保障制度)」を導入するかもしれない」とのニュースがあった。

 ベーシックインカム(BI)は、小池百合子都知事が希望の党を立ち上げ、衆院選に向けた政策集を発表した際、「AIからBIへ」という文言のもと社会保障政策の転換案の一つとして盛り込み話題となった。だが、世界各地では既に実験的な試みが行われている。

 今回報道のあったインドでは、2010年にマドヤ・バングラディッシュ州で試験的に行なわれた。その結果、健康の改善や学校に行く子どもが増加し、女性の雇用が増加したことから、本格的な導入が今回検討される、という運びになった。

コメント48件コメント/レビュー

BIは弱者切り捨てのシステムですよ。今は金持ちから多くとり、少ない弱い人に渡すから、多額のお金を渡せる。
金持ちも貧乏人にも同額渡したらみんなに少額しか渡せない。当たり前の話です。
BI論者は小さな政府、手間が減る等々言うでしょうが、収入把握を止めて直接税を廃止しますか?そこまで行けば手間は減るでしょう。
それは金持ちも貧乏人も少額渡されてあとは福祉もなく放り出される世界です。
大病をしたら貧乏人には死んでくれという世界です、米国がそうですが。(2018/02/13 19:15)

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「「働かなくてもカネがもらえる」から働くんです」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

BIは弱者切り捨てのシステムですよ。今は金持ちから多くとり、少ない弱い人に渡すから、多額のお金を渡せる。
金持ちも貧乏人にも同額渡したらみんなに少額しか渡せない。当たり前の話です。
BI論者は小さな政府、手間が減る等々言うでしょうが、収入把握を止めて直接税を廃止しますか?そこまで行けば手間は減るでしょう。
それは金持ちも貧乏人も少額渡されてあとは福祉もなく放り出される世界です。
大病をしたら貧乏人には死んでくれという世界です、米国がそうですが。(2018/02/13 19:15)

ベーシックインカム(BI)の話題が出ると、「財源が無い」ことを理由に否定する人がいます。BIの財源が基本的に公務員制度解体であることを説明したほうがよいかもしれません。つまり、BIにより、人を区別してお金を誰にいくら支給するか決めたり、条件を満たし続けているか監視したりする仕事が一切不要になるので、そういう仕事をしていた公務員の給与がBIの財源になるわけです。
私は、特に、働く/学ぶ意欲が逆に増す点でBIの制度に大賛成ですが、実現は不可能だろうなあと感じており、その理由は、全力で抵抗するであろう公務員側こそが、BI導入の可否を決める立場にあるからです。(2018/02/13 18:56)

今の生活保護って0か100かであまりにも極端だと思うので、間を埋めるものとしてBIを入れてみたらいいのではと思います。とりあえずBIで50、自分で稼げる人はそこに上積みしていけばいい。働いたり出来ない人は足りない分を生活保護としてもらう、そんなイメージです。(2018/02/13 16:40)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官