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発達障害を“流行”させる私たちの自己防衛の牙

無意識下で進めている「カネを生み出さない人」の排除

2017年2月21日(火)

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 今回はあまり報道されなかった、でも、とてもとても、ものすごく大切な話を取り上げようと思う。

 2月15日、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」を目的とする参議院の「国民生活・経済に関する調査会」参考人質疑が行われた。

 参考人のひとり、熊谷晋一郎氏は生まれた時に酸欠状態になった後遺症で、肢体に障害が残る脳性麻痺患者として車いすで生活している。ご自身のリハビリ生活を赤裸々に描いた「リハビリの夜」(医学書院)は、第9回新潮ドキュメント賞を受賞。東京大学医学部に進んだのち小児科医として病院に勤務し、現在は東京大学先端科学技術研究センターで准教授を務めている。

「障害を持ちながら必死で生きていたけれど、今回の事件でそれを否定された気持ちになった、自分の尊厳が脅かされている」

 神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に入所していた19人が殺害された事件のとき、メディアへの取材にこう答えていた熊谷氏。

 彼が今回の参考人質疑で話した内容は、“今の社会の病巣”を捉えていて、
「私たちだって、いつ“障害者”なってもおかしくない」
……、そんな気持ちにさせるものだった。

 以下、調査会でのコメントを抜粋・要約する(参考人質疑でのやりとりはこちらから視聴できますので、お時間あるときに見ていただきたいです。当該ページにて、「国民生活・経済に関する調査会」で検索してください)。

「昨年7月26日、痛ましい事件がおきました。ある容疑者が障害者施設を襲って、19名の仲間たち、障害をもつ仲間たちが殺されました。私は大きな衝撃を受けて8月6日、事件の10日後に追悼集会を開きました。

 その追悼集会には国内外からおよそ400通のメッセージが届きました。たった10日間に400通です。当時のアメリカ大使館の大使からのメッセージもありました。 

 その中で、特に私の印象に残ったメッセージを、ひとつだけ紹介します。

 カナダのソーシャルワーカーのライナスさんという方です。彼女は、

『このような困難な状況において、一部の人々が問題を“外部化”し、他者(犯人など)を責めたくなることは理解できます。しかし、私たちは自分たちの住むこのコミュニティーに、“他者”などおらず、暴力行為や依存症、そして精神疾患は、症状にすぎないということを知っています。そうした症状は、社会のより深部にあり、満たされていないニーズを反映している』

と言っています。

 つまり、こういった事件がおこると“犯人探し”をしたくなる。
 そして、自分とは関係がないと思われる他者にすべてを押しつける。
 人間というのは、犯人である彼らを責め上げ、社会から排除することで、あたかも“自分たちのコミュニティー”は、またクリーンな状態に戻ったという幻想をいだきたい動物なんだと。

 しかし、それは全く問題解決になっていません。

 むしろ真犯人は、社会全体なんだ。そして、それを支えている私たちひとりひとりが、真の加害者なんだということを見つめましょう。そういうことを述べているのです」

コメント52件コメント/レビュー

障害者雇用促進法が改訂を重ねて、大企業も特例子会社法に基づく障害者雇用を推進して、就職先の枠も拡大し、障害のある方達の就職率は飛躍的に高まった。私は、障害のある人たちの就職も支援するような仕事に30年以上従事しているので、この時代の変わりように本当に感謝している。
さて、ハンディのある人と一緒に働くと「面倒だな」と感じるような場面に何度も出くわす。それは仕事の事だけではなく、何気ない会話や勤務時間以外のことでもあったりする。ずいぶん昔のことであるが、従業員が社長含めて2人という小さな会社に就労支援をした時のことだ。社長は全身油まみれで働いていて、障害のことなど全く知らないという感じであった。田舎から出てきて、会社を興すまでの苦労話や山をもっているという自慢話が楽しかった。彼は、障がいのある人を雇うことではなく、「困っている人がいれば一肌脱ぐか」という心意気で雇ってくれた。面倒なことだから承諾してくれたのだ。
大企業の特例子会社は、人的にも設備的にも十分で、さすがであるが、面倒な人は案外早く退職させられる。障害者雇用率は上がったけれど面倒な人は排除されている。最近、私が感じることである。(2017/03/17 12:01)

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「発達障害を“流行”させる私たちの自己防衛の牙」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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障害者雇用促進法が改訂を重ねて、大企業も特例子会社法に基づく障害者雇用を推進して、就職先の枠も拡大し、障害のある方達の就職率は飛躍的に高まった。私は、障害のある人たちの就職も支援するような仕事に30年以上従事しているので、この時代の変わりように本当に感謝している。
さて、ハンディのある人と一緒に働くと「面倒だな」と感じるような場面に何度も出くわす。それは仕事の事だけではなく、何気ない会話や勤務時間以外のことでもあったりする。ずいぶん昔のことであるが、従業員が社長含めて2人という小さな会社に就労支援をした時のことだ。社長は全身油まみれで働いていて、障害のことなど全く知らないという感じであった。田舎から出てきて、会社を興すまでの苦労話や山をもっているという自慢話が楽しかった。彼は、障がいのある人を雇うことではなく、「困っている人がいれば一肌脱ぐか」という心意気で雇ってくれた。面倒なことだから承諾してくれたのだ。
大企業の特例子会社は、人的にも設備的にも十分で、さすがであるが、面倒な人は案外早く退職させられる。障害者雇用率は上がったけれど面倒な人は排除されている。最近、私が感じることである。(2017/03/17 12:01)

大人の発達障害、私の職場に一人いる。スタッフが6名いてその内の一人である。交代勤務なので伝言が大切である。そして二人ないし三人でチームを組んで毎日の仕事に励んでいる。
ところが言葉の使い方、表現力が幼くて何が言いたいのか、理解できない。チームで動いてるときも勝手な行動をして、二度手間になることが多い。これが原因で他のスタッフと小さな揉め事を起こす。他のスタッフは小さな揉め事が続くと、ストレスを溜め、些細な事でも大事になる。
本人は全くその認識はない。スタッフが怒っている感覚もない。その原因は本人がじぶんのその症状を、まず理解してない。社内には友人がいないので誰も注意しない。
私が彼を発達障害と思ったのは、発達障害の学会を傍聴する機会があり、その症状として①規則、ルールが守れない。忘れる②言葉を知らない③孤独を恐れない④段取りが出来ない⑤あるものある種のものに拘る。⑥チームワークが理解できない⑦臨機応変、自分で判断できない等々がある。と聞いた。
まさにその通りである。私はそのように認識するのに6年かかった。他のスタッフはまだ認めていない。(2017/03/14 17:20)

人は集団生活の中で何かでくくりたくなる。出身地なり性なり見た目なり云々。くくること自体は悪いことではないと思う。単純に考えるのが面倒だし、余裕がないんだろうな。悪いこととは思うけどいじめられっ子に手を差し伸べるみたいなこと、みんながみんなできないのよね、見て見ないふりしてしまう。いじめ問題なんかではいじめられる側が悪いみたいな意見もでるけどそれって多数じゃないし、それと同じ。あとはネガティブな意見ばかりでなく、ポジティブに当事者がもっと声をあげて堂々とするほかない。各々プライオリティーの差はあるにせよ、現状が正しいだなんてことは思ってない。(2017/02/27 18:34)

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