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不登校の息子に殺されると怯える妻と夫の距離感

「長期の不登校から無職」という負の連鎖を絶とう

2018年2月20日(火)

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 「私…本当に恐かったんです。息子に殺されるんじゃないかって……。だって、包丁を持って振り回すんです。今はやっとこうやって話せるようになりましたけど、私は夫が最終的に協力してくれたので……、まだ恵まれている方なんだと思います」

 それまで元気に学校に通っていた中学一年生の息子が、ある日突然、学校に行かなくなったのは3年前のこと。ごくごく普通の家庭で起きたショッキングな“事件”である。

 家で荒れる息子。当然、母親は仕事に行くことなどできない。某大手企業に勤める夫が帰るのは毎晩22時過ぎ。夫は「なぜ、学校に行かないのか理解できない。甘えているだけじゃないのか」と、息子にも母親にも心を寄せることができず、一時期家庭は、崩壊寸前になった。

 これまでにもビジネスパーソンにインタビューする中で、
「子どものことなんですけど、話を聞いてもらってもいいでしょうか?」
 と恐る恐る我が子の不登校を告白する“父親”や、
「ちょっとプライベートなことで相談に乗ってもらいたい」
 と突然連絡をくれる仕事関係の“父親”たちから、不登校の子どもに苦悩する状況を聞いたことはあった。

 だが今回。“母親”たちから話を聞き、改めて不登校問題の深刻さを痛感した。

 2011年、米国務省のヒラリー・クリントン長官の補佐役として同省政策企画本部長を務めていたアン・マリー・スローターさんが、『Why Women Still Can’t Have It All(女性はなぜ、すべてを手に入れることができないのか?)』という少々刺激的なタイトルの論考を発表し話題となったことがある(参考コラム)。

 スローターさんの14歳の息子は様々なトラブルを起こし、重要な会議の途中で学校から呼び出されるなど「息子が自分を必要としている場面」に何回も遭遇した。そこで彼女は「母の代わりはほかにはいない」と仕事を辞す。自分がやりたかった仕事、やりがいのある仕事、最後までやり遂げたかった仕事ではあったが、「母」であることを選んだのだ。

 スローターさんは「そういった選択をしなければならないアメリカ社会はおかしい」と断言し、社会を変えるべき、と警告した。

 このケースでは「女性と仕事」「母親と子ども」というテクストで語られたけど、「男性と仕事」「父親と子ども」でも同じだ。

 そこで今回のテーマは「不登校のリアル」。「もうウチの子ども大きくなちゃったし…」とか「ワタシは子どもいないし…」などと他人事ではなく、ぜひ一緒に考えてほしいと思います。

コメント63件コメント/レビュー

不登校は何らかのストレスが原因なのでしょうが,ストレスはなんらかの理不尽から来るものだと思います.しかし,体罰どころか犬に噛まれることすらなくなり,理不尽な目に遭う機会が減ったのが現代社会.長じるにつれて,様々な悩みが発生する時,理不尽な目にあった経験が薄いとストレスにどう対峙するかがわからなくなります.それが不登校の原因ではないでしょうか?大人から見ると信じられないようなことでストレスがオーバーフローして不登校になっているため,大人には原因不明と映るのかもしれませんね.
人間,理不尽に抑圧されると反抗したくなります.例え反抗できない状況でも,腹の底から服従することはありません.この腹の底の部分が強い自我であり,個性の源泉であり,この面従腹背を維持する力が適応力だと思います.押さえつけられることによる歪もあるでしょう.その歪が入り交じるぐちゃぐちゃな世間が作るストレスフルな環境は決して居心地の良いものではないかもしれません.しかし,このような世界でないと育たないものもある気がします.個性を大事に,の正義のもと子供と衝突しない養育環境が,現在の状況を作っているのではないか,と最近考えています.(2018/02/25 03:56)

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「不登校の息子に殺されると怯える妻と夫の距離感」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

不登校は何らかのストレスが原因なのでしょうが,ストレスはなんらかの理不尽から来るものだと思います.しかし,体罰どころか犬に噛まれることすらなくなり,理不尽な目に遭う機会が減ったのが現代社会.長じるにつれて,様々な悩みが発生する時,理不尽な目にあった経験が薄いとストレスにどう対峙するかがわからなくなります.それが不登校の原因ではないでしょうか?大人から見ると信じられないようなことでストレスがオーバーフローして不登校になっているため,大人には原因不明と映るのかもしれませんね.
人間,理不尽に抑圧されると反抗したくなります.例え反抗できない状況でも,腹の底から服従することはありません.この腹の底の部分が強い自我であり,個性の源泉であり,この面従腹背を維持する力が適応力だと思います.押さえつけられることによる歪もあるでしょう.その歪が入り交じるぐちゃぐちゃな世間が作るストレスフルな環境は決して居心地の良いものではないかもしれません.しかし,このような世界でないと育たないものもある気がします.個性を大事に,の正義のもと子供と衝突しない養育環境が,現在の状況を作っているのではないか,と最近考えています.(2018/02/25 03:56)

経験された方のコメントを拝見し、もしも自分が親(祖父母)の立場ならどうするかを改めて考えさせられました。
無責任な答えかもしれませんが、私ならとにかく籠った巣から引っ張り出す、それは学校へではなく海外にでも連れて行って世の中には色々な世界があることを実感させる。貧しい人々の暮らし、日本語が通じない日常、生き馬の目を抜くようなビジネス街、神の教えが絶対の生活、それらを体験させて生きるとは何かを一緒に考えたいと思います。(2018/02/24 15:59)

私は40年位前に自分が不登校だった経験があり、自分の娘が小学校高学年から学校に行けなくなったとき、あー、こいつは俺に似てしまってかわいそうに、と感じた。担任の先生は良くフォローしてくれて、教育委員会のカウンセリングや病院にも通ったが、結局中学2年以降はほとんど学校に行けなかった。自分の経験から、不登校は時間が解決するだろうという楽観と、もしかしたら一生このままかな、という不安が交錯していたが、なによりも、不登校の経験が無い、優等生だった妻のケアを心がけた。先の見えない本人が一番辛かったと思うが、不登校はこの年頃にはありがちなことである、という経験が親として大変役立った。今春、娘が志望大学に合格できたのは、非常に感慨深い。優しく見守る大人の存在は重要で、私の場合は、仮病に笑って診断書を書いてくれたかかりつけのお医者さんが、重要なサポータだった。私はその後、不登校児の家庭教師を何人か経験したが、不登校児を周りがサポートするのは精神的にもなかなか大変で、夫婦関係の見直しにつながっている家庭も多かった。制度的な対策はなかなか難しいが、学校に行けないということは異常ではないという認識は重要だと思う。(2018/02/22 22:48)

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