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働き方改革法と年収200万円非正規の暗い未来

正社員は過労死と背中合わせの特権階級に

2018年7月10日(火)

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 個人的に感じている各々の問題点についてはこれまでたびたびコラム内で指摘した通りだが、こちらも要点(あるいはキーワード)のみ簡単におさらいしておく。

残業時間の上限規制
過労死が合法化された。インターバル規制は努力義務←罰則規定を設けるべき。

同一労働同一賃金
均等ではなく均衡に基づいているので正社員の賃金が下がる可能性大←差別是正が目的なら「均等」にすべし。

 「脱時間給制度の導入」に関しては「裁量労働制の拡大」も含め何回にもわたって書いた。最近では5月22日に「米国のいいなり 自国の働く人を捨てる日本の愚行」で、在日米国商工会議所(ACCJ)の意見書について書いたばかりである。

 この意見書は「残業代がバカにならないから、労働時間規制を見直してね!」と言うもので、「海外の投資家を儲けさせるのに、残業代は無駄でしょ!」「残業代払わなきゃ、もっと会社に利益が出て投資家に戻ってくるんだからさ!」「ひとつよろしく!」と、丁寧な文章で書かれていたものである(原文は英語)。

適用を望む企業や従業員が多いから導入するのではない

 で、今回。野党との攻防戦で、な、なんと安倍首相自身が、「アメリカさんに言われちゃったし」的発言をして“しまった”のだ。

 「(政府の)産業競争力会議で経済人や学識経験者から創設の意見があり、労使の審議に基づき法制化。適用を望む企業や従業員が多いから導入するものではない」(by 安倍首相)

 これは6月26日に行われた参院厚生労働委員会で、野党側から「高度プロフェッショナル制度」に質問が集中。それまで政府が高プロの導入理由として説明してきた「働き手のニーズ」を改めて問いただした時の答弁である。

 なるほど。「1億総活躍社会だ~」「働き方改革だ~」「人づくり革命だ~」と次々と看板を変えてきたけど、とどのつまり「働く人たちのためじゃなくって、投資家のためなんだよ」と明言してしまったのだ。

 「それはミスリードでしょ? どこにも『いやいや、アメリカさんから言われましてね~』なんて言ってないじゃん」
って?

コメント62件コメント/レビュー

私には高プロに反対する記事を見るたびに思うことがあります。それは、なぜこの人たちは現在施行済みの裁量労働制について声を上げないのだろうか?とういことです。
私の私見ですが、将来年収の制限が下がる可能性があるとしても、年収の制限について規定されている高プロの方が、年収の制限すらない裁量労働制よりはるかにマシだと考えています。裁量労働制では年収300万円台で月100時間以上の残業を余儀なくされている方がいるという実体があります。同じ過重労働をするにしても、平均以上の年収が保証されている方がはるかにマシだと考えますが、皆さんこの点についてはどう考えているのでしょうか?
また一方で、700万円以上の年収になってくると、仮にこの高プロがなくても、管理職扱いとして残業代が支給されない働き方をしている人は数多くいます。実際に高プロを利用して従業員を雇うのは、ほとんどが賃金水準が相対的に高く、労働環境の整った大企業となるであろうことを考え合わせると、実は高プロで新たに問題になる領域など、現状数多ある問題の中で見ればごく小さな話題なのではないかと感じています。中小企業の管理職の働き方も過酷ですよ?
色々書きましたが、そういったわけで、私は皆さん「戦う場所を間違えている」というのが私の見解です。高プロの成立と引き換えに、裁量労働制の見直しなどの要求を飲ませるとういうのが、真に労働者目線の戦い方だったのではないでしょうか?(2018/07/12 13:29)

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「働き方改革法と年収200万円非正規の暗い未来」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私には高プロに反対する記事を見るたびに思うことがあります。それは、なぜこの人たちは現在施行済みの裁量労働制について声を上げないのだろうか?とういことです。
私の私見ですが、将来年収の制限が下がる可能性があるとしても、年収の制限について規定されている高プロの方が、年収の制限すらない裁量労働制よりはるかにマシだと考えています。裁量労働制では年収300万円台で月100時間以上の残業を余儀なくされている方がいるという実体があります。同じ過重労働をするにしても、平均以上の年収が保証されている方がはるかにマシだと考えますが、皆さんこの点についてはどう考えているのでしょうか?
また一方で、700万円以上の年収になってくると、仮にこの高プロがなくても、管理職扱いとして残業代が支給されない働き方をしている人は数多くいます。実際に高プロを利用して従業員を雇うのは、ほとんどが賃金水準が相対的に高く、労働環境の整った大企業となるであろうことを考え合わせると、実は高プロで新たに問題になる領域など、現状数多ある問題の中で見ればごく小さな話題なのではないかと感じています。中小企業の管理職の働き方も過酷ですよ?
色々書きましたが、そういったわけで、私は皆さん「戦う場所を間違えている」というのが私の見解です。高プロの成立と引き換えに、裁量労働制の見直しなどの要求を飲ませるとういうのが、真に労働者目線の戦い方だったのではないでしょうか?(2018/07/12 13:29)

嫌なら辞めればいい、のが日本以外。
嫌でも辞められない、のが日本。

どこの会社でもすぐ即戦力になれるのが日本以外。
他社ではつぶしが効かないのが日本。

日本で「嫌なら辞めればいい」と言うのは、大半が自己評価過大。(2018/07/12 12:30)

労働は神から与えられた罰である。だから労働はできるだけしないほうが幸せだ。筆者の思想の根底にはこのような考え方があるのだろう。
まあ個人個人の思想や哲学はどうでも良いが、日本人は自分の人生設計やスキルパスを自分で考えるとか、人材マーケットで自分を(極力高く)売るという発想自体持っていない人が多い。
そういう人にはWE制度も(拡大後の)高プロ制度もいやな制度だろうと思う。(2018/07/12 12:21)

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