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「未婚非正規女性」切り捨て社会の末路

「女性就業率過去最高」の内実

2018年10月9日(火)

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本当に「働く時間を選びやすいパートなどが増えている」のか(写真:PIXTA)

――「女性が輝く社会」をつくることは、安倍内閣の最重要課題のひとつです。
すべての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、活躍できる社会づくりを進めてまいります。
 2014年10月10日――
官邸HPより

 「すべての女性が輝く社会づくり推進室」と書かれた看板を、安倍首相と自称「トイレ大臣」こと有村治子氏が掲げたツーショットから、4年。

 確かに「まぶしいほど輝いてる!」写真が、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された。

「Japanese Leader’s ‘Society Where Women Shine’: One Woman, 19 Men in Cabinet--Satsuki Katayama’s responsibilities include promoting gender equality--」
と題された掲載記事に使われた写真の「シルバーのドレス」である。

 むろん記事の内容はNHKまでもが流した、どーでもいい「キラキラドレスハプニング騒動」についてではない。

 第四次安倍内閣の女性閣僚は1人。安倍首相が記者会見で、女性記者から(外国人記者と思われる)「もっと女性閣僚が入ると思っていたのに、なぜか」といった趣旨の質問され、「女性活躍はまだ始まったばかり」とはぐらかし、「(入閣した女性閣僚は)フットワークがよくガッツもある。2人分、3人分の発信力を持って仕事をしてもらいたい」などと答えたことを取り上げ、日本が女性活躍後進国であることを伝えている。

 欧米ではこのご時世、女性大臣が「オンリーワン」は時代遅れ。13年の国連総会では、安倍首相自身が「Society Where Women Shine」という言葉を連発していたことへの皮肉を存分に込めた、と個人的には理解している。

 「女性議員はスカートをはいたジジイばかりだから、女性議員を登用しても意味がない」

 そういった意見もある。

 ならば民間で活躍している女性を招聘する手立てだってあったはずだし、専門性の高い、優秀な女性をノミネートすればいい。

 3カ月ほど前、自民党の参院政策審議会が、女性に関する政策を総合的に推進する「女性省」の創設を検討しているとの報道があったように、安倍政権にとって「女性」という単語は、「ナニカやってます!」とアピールするための道具でしかない。

 現在進行形であれば、それでよし。いまだに「始まったばかり」ってことは、安倍首相自身が格差是正する気もなければ、解決する気もないことを暴露した格好である。

 本来であれば、長期政権だからこそ解決に時間がかかる社会問題をきちんと進展させられるのに。なんだか本当に絶望的な気持ちになってしまうのです。

 ついでに申し上げれば、メディアもメディアだ。

 「用意したドレスがどう」とか、「認証式では長袖じゃないとダメだ」とか、「銀座の百貨店に直行してギリギリ間に合った」とか報じてないで、もっとやるべきことがあるのではないか。

コメント21件コメント/レビュー

河合さんの記事とコメント久しぶりに拝読しました。
この記事を何人の政治家・関係者が読まれたことでしょう。
いろんな考え方があり、相互理解が進みで調和のとれた社会になりますよう期待します。
(現状は 個々が孤立、相互不信、損得第一の風潮が進行するばかりです)
国民生活に直結する根幹の施策は放置、少子高齢化を国難と叫ぶ政治、何でも国に要求する無責任社会に危惧を覚えております。(2018/10/11 19:31)

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「「未婚非正規女性」切り捨て社会の末路」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

河合さんの記事とコメント久しぶりに拝読しました。
この記事を何人の政治家・関係者が読まれたことでしょう。
いろんな考え方があり、相互理解が進みで調和のとれた社会になりますよう期待します。
(現状は 個々が孤立、相互不信、損得第一の風潮が進行するばかりです)
国民生活に直結する根幹の施策は放置、少子高齢化を国難と叫ぶ政治、何でも国に要求する無責任社会に危惧を覚えております。(2018/10/11 19:31)

正社員が増えていると言われても中高年の私たちにはまったく実感がない。雇う側も年齢のいった人を今更正社員で採用したいとは思わないだろう。10年20年たったら定年で辞めてくれると思えば便利な存在だと思うのだが。
もう、非正規でもいいから(よくないけど)せめて年収250万円とかではなくて、自立した生活をして、少しは貯金ができる給料にしてほしい。「家には主な収入を得る家族がいるだろうし、自分でこの仕事を選んできたんだから給料はこんなもんでいいだろう」と思って条件を決めているのだろうが、実際は、正規雇用でしっかり稼ぎたいのに低収入の非正規でやむを得ず働く独身者も一定数いる。(2018/10/10 23:07)

女性活躍とか女性管理職、とか言っても、今の指標は人数だけに見えます。
企業が、女性管理職の数を増やすだけで仕事を与えず部下も与えないケースはよく見られるので
本当の女性活躍を目指すなら、給与の比較、部下の数の比較など、指標が沢山あるのは誰でもわかることです。
それをしないのは、女性管理職を目指す人が増えると結婚しなくなったり少子化が更に加速するとか、色々懸念があったのかなあ、と推測します。

日本企業の男性は、会社で女性上司の言うことなんて聞きたくない、というのが本音でしょう。
政府も、本当の意味での女性活躍を目指す人と、女は結局パートだろ、と思っている人が混在しているのでしょう。
でも、何も施策がないよりはずっとマシなので、今の状況を一旦受け止めて、次のステップアップの施策につながるように頑張っていきたいものです。
大企業の女性社長が普通にいる、というイメージをもっと持ちましょう。(2018/10/10 19:24)

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