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外国人は弱者? 「奴隷制度」を続ける企業の愚行

「よそ者」を差別し「内部の敵」にする

2018年10月16日(火)

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外国人労働者の実態はどうなっているだろうか(写真:PIXTA)

 テレビでは女性アナウンサーが興奮気味に「政府、外国人労働者対策、大転換!」と報じ、新聞の社会欄には「ベトナム実習生ら相次ぐ死」との見出しが掲載され……、このところ連日連夜、「外国人労働者問題」なるものが報道されている。

 あまりに多く、見逃した方もいらっしゃるかもしれないので、ここ数日間、話題になった問題をふり返っておく。

 10月6日、日立製作所が笠戸事業所で働くフィリピン人技能実習生のうち、20人に解雇を通告していたことが分かった。その後、さらに20人が解雇されることがわかり、実習生側は雇用契約が3年間であり不当解雇だと主張。残り期間の賃金が補償されなければ、日立を相手取り損害賠償を求めて訴訟を起こす方針と報じられた。

 また6日夜に放送されたテレビ番組に対し、「人種や国籍等を理由とする差別、偏見を助長しかねない」とする意見書を外国人問題に取り組む弁護士らがテレビ局に提出。

 番組のテーマは「強制退去」で、不法占拠や家賃滞納の現場を紹介する中で、外国人の不法就労なども取り上げたものだった。

 弁護士側は、「技能実習制度の問題点や、収容施設の医療体制の不十分さ、自殺者が出ていることに番組が一切触れなかった」と指摘。「外国人の人権への配慮が明らかに欠如する一方、入管に批判なく追従し、主張を代弁しただけの、公平性を著しく欠いた番組」だと批判している(参考記事はこちら)。

 一方、政府は11日、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、19年4月の導入を目指す新制度として、新たな在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類を創設。1号は「相当程度の知識か経験」と生活に支障がないレベルの日本語能力を取得条件とし、上限5年の在留資格を与えるが、家族の帯同は基本的に認めないという。
 翌日の12日には、熟練技能が必要な業務に就く「特定技能2号」には実質永住権を与えると発表した(冒頭のニュース)。

 ご存知のとおり、政府はこれまで原則認めてこなかった単純労働に門戸を開放し、25年までに外国人労働者を50万人超増やそうとしている。

 が、やれ「技能実習生だ」、それ「EPA(経済連携協定)だ」、ほれ「国家戦略特区による外国人の受け入れだ」、これ「留学生30万人計画だ!」などなど、人手不足を補うための制度は次々と打ち出すけど、あくまで「人手不足に対応する処方箋」であって「移民政策」ではないと断言。

 OECD加盟35カ国の最新(15年)の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約5万5000人増の39万1000人。ドイツ(約201万6000人)、米国(約105万1000人)、英国(47万9000人)に次ぐ、堂々の4位。

 国連などの国際機関では一般的に「1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住」と定義しているので、「日本は世界4位の移民大国」となる。

 にもかかわらず、「わが国に移民はいませんし、今後もいません」という大いなる矛盾のもと、「日本に来てね、住んでね、働いてね、低賃金だけどよろしくね!」と恥ずかしげもなく豪語しているのである。

 奇しくも2年前の16年12月、甲府で生まれ育ったタイ国籍の高校2年生が、東京高裁から「強制退去処分取り消し請求」を棄却されたことがあった。

 少年の母親は1995年9月、タイ人ブローカーに「日本で飲食店の仕事を紹介する」と言われて来日。実際には全く違う仕事を強要され、やがて不法就労者になり、13年に出頭し、14年に強制退去処分を受ける。母親は控訴せずに帰国し、少年だけが控訴していたのである。

コメント42件コメント/レビュー

一般国民のほとんどが外国人必要ない。怖いと思っているのが、現実ですね。
でも、経営者としてはもう倒産の危機だから何とかして欲しいと。

でも、この行き当たりばったりのごまかしの政府の移民政策。

このように中途半端な状態での受け入れは、混乱を生出すだけ。
制度をしっかり整えた上で、はっきりと移民政策とうたってその信を国民に問うて受け入れれば良い。
国民が受け入れたくないというならやめればいい。でも移民反対というなら、この日本の将来にその責任を取らなければならない。(2018/10/17 15:20)

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「外国人は弱者? 「奴隷制度」を続ける企業の愚行」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

一般国民のほとんどが外国人必要ない。怖いと思っているのが、現実ですね。
でも、経営者としてはもう倒産の危機だから何とかして欲しいと。

でも、この行き当たりばったりのごまかしの政府の移民政策。

このように中途半端な状態での受け入れは、混乱を生出すだけ。
制度をしっかり整えた上で、はっきりと移民政策とうたってその信を国民に問うて受け入れれば良い。
国民が受け入れたくないというならやめればいい。でも移民反対というなら、この日本の将来にその責任を取らなければならない。(2018/10/17 15:20)

私は建設業に従事していますが、先日足場組立作業の建設会社からベトナムからの実習研究生が作業に入られました。コラムには業種として上げられていませんが、建設業では3Kの最たるもので日本の人口構成比率を下回って若者が従事しません。「技能実習生」と言う制度は欠陥だらけと思いますが、そうでもしなければ仕事が回っていかないのが日本の現実となっています。IT企業や商社、サービス業は良いのかもしれませんが、人手を必要とする労務型企業では人手不足は深刻です。しかし、外国の方は「物」ではないので、言葉の問題、家族の問題、人間としての基本的人権問題が発生します。しくみとして、労働力としてではなく、人材を育てるようにきめ細かく対応できるようにすべきと考えます。個人的には日本人同志で働く方が楽ですが、大げさに言えば、日本人が世界に貢献できる事を、大戦後の平和と経済的繁栄を享受している国民として世界へのお返しとして考えいたいと思います。(2018/10/17 13:41)

外国人実習生とかLGBTなど、最近でこそ少数派の問題に光が当たり始めていますが、それ以前からずっと差別的な待遇は色々あったと思います。たとえば派遣就業者。安いコストでいつでも切れる、便利な労働者として扱われ、ほとんどメンバシップ的な使われ方をしながらも、同一労働同一賃金とはほど遠い現状。待遇差をそれとなく指摘しても、「だって会社が違うんだから当然でしょ?」とばかりに無関心な正社員たち。 日本人って被差別階級にひどく無関心か、時には残酷なところは全然変わっていない。(2018/10/17 12:57)

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