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河合薫、日立AI幸福研究のボスに食い下がる

日立製作所研究開発グループ技師長・矢野和男さんインタビュー(後編)

2016年11月22日(火)

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 日立製作所は、人工知能(AI)が社員個人に対して、幸福感を高めるアドバイスを与える社内実験を行っている。

 「いったい、どんな仕組みなの、それ?」「そもそも、AIに人の心をスッキリ解析されてたまるものか!」「この研究のリーダーである矢野さんって、どんな人なんだ?」

 当コラムの著者、河合薫さんが、たくさんの「?」を携えながら、押っ取り刀で日立製作所研究開発グループ技師長の矢野和男さんを直撃。果たして、「?」の謎は解けたのか。それとも、返り討ちに遭ったのか…。

 「前編」に引き続き、「幸せ」を巡る2人の熱いラリーをお届けする。(編集部)

前編から読む)

河合:幸せな集団には「揺らぎ」があるというお話でしたが、これってどういうことなんですか?

矢野:会社の中はひとりではないですよね。いろいろな人と多かれ少なかれ、何らかのかかわりを持って生きている。すると動きにも、周りと連動する動きが出てくるわけです。

 例えば、座って話を聞いている、あるいは話をしているといったときにも、本人が気づかないところで「無意識の動き」のリズムが表れる。いっぺん動いて、すぐ止まる場合もあれば、動きだしたらずっと続けてしばらく動いている場合もあります。それらの長さのばらつきがたくんさんあると、その人はどんどん幸せになっていくんです。

河合:ってことは(オフィス見渡して)、今は不幸せですよね。みんなパソコンに向かって、動いてないですから(笑)

矢野:いやいや、あれは動いているんですよ。

矢野 和男(やの かずお)さん
1984年早稲田大学物理修士卒。同年、日立製作所入社。現在、日立製作所研究開発グループ技師長。工学博士。IEEE フェロー。

河合:あれで、ですか? 

矢野:無意識に、常に動いたり止まったり、必ずしています。今、お話ししてる動きとは、「無意識な動き」のことです。この動きの計測には、腕に装着するタイプではなく、首からぶら下げるものを使っているんです。これはX、Y、Zのどっち向きにどのくらい動いたかというのを計測しています。

河合:う~~む。なんだかまた、混乱してきました。………。じゃあ、たとえば起きました。朝ご飯を食べます。そうすると活動量が上がってきます。それで昼間、ご飯を食べるとちょっとだらっと動きが鈍くなります。夕方になると、5時から男でちょっと元気になってきます。新橋でガンガンに盛り上がります。で、帰宅すると下がってきます。と、こういう動きを、揺らぎって考えればいいんですか。

矢野:全然違います(笑)

河合:(ガクっ)

矢野:それはあくまでも、動きの量の多い少ないの話ですね。量とは別のところに、本人ではコントロールできない無意識の動きの揺らぎというのがあるんですね。

河合:揺らぎというくらいですから、規則的な動きが、一瞬乱れるような感じでしょうか?

矢野:そうですね。はい。とにかく幸福感の高い人たちというのは、無意識にいろいろな長さの動きを示すんです。

 ただし、その動きはひとりで勝手に動いているわけではなくて、周りの人たちの動きと連動するリズムを持っているんですね。

コメント19件コメント/レビュー

人の心の動きも数式で表現出来るだろうという着眼点から、人の無意識の動きを取得・解析して心の動きとの相関を表現するという手法を開発したのは非常に面白く、ためになりました。
今回は職場中心の話でしたが、プライベートでの研究結果も聞いてみたいです。
DVや自殺等のネガティブ行為の予測に使えるのではと思います。(2016/11/24 14:51)

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「河合薫、日立AI幸福研究のボスに食い下がる」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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人の心の動きも数式で表現出来るだろうという着眼点から、人の無意識の動きを取得・解析して心の動きとの相関を表現するという手法を開発したのは非常に面白く、ためになりました。
今回は職場中心の話でしたが、プライベートでの研究結果も聞いてみたいです。
DVや自殺等のネガティブ行為の予測に使えるのではと思います。(2016/11/24 14:51)

近年電子機器の発達で情報インフラは飛躍的に向上した。その結果従来は手間ひま掛けて手に入れていた情報・知識が部屋に居ながらにして簡単に入手できてしまう。科学が求める『効率化』の賜物である。そして溢れる情報に溺れまいとして情報の整理整頓をも電子機器に委ね、益々『効率化』を推進する。この構図で今後、科学は加速度的に発展し続けるだろうと思われる。さてその発展を企画・管理し、人間社会に活用していく任を負う人間はこの速度に見合うだけの研鑽をしているだろうか。電子情報に見合うだけの人間洞察をしているだろうか。フィールドワークに出て人々の喜びや悲しみに直接触れて人間として自分を創り上げる努力をしているだろうか?その過程を経ずに人の幸せを論じてもリアリティーは感じられない。(2016/11/24 13:58)

職場の幸福度を客観的に計測するというのは素晴らしいと思います。昔ストレスチェックのアンケートが回ってきましたが、こう答えるとストレスが大きいと判断されるだろう、というような設問で、答えにバイアスがかかるのは明らかでした。でもこのセンサーによる計測では客観的な数値になるので、正確性大です。ストレスチェックはこれでするようになることを期待します。(2016/11/24 10:47)

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