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「外国人歓迎」と言いつつ鎖国続ける嘘つき日本

いまだ変わらない「仕方ないから外国人で」的差別意識

2016年12月13日(火)

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「強制退去処分取り消し請求」を東京高裁で棄却されたウォン・ウティナン君(写真:ロイター/アフロ)

「今後については、いまこの状況で考えられません。甲府に帰って少し気持ちを落ち着かせて考えたい。日本にいたいです」

 言葉少ない少年の会見は、なんだか無性にせつなかった。ウォン・ウティナン君、16歳。先日、東京高裁から「強制退去処分取り消し請求」を棄却された、甲府で生まれ育ったタイ国籍の高校2年生だ。

 ウティナン君の母親は、1995年9月に来日。タイ人ブローカーに「日本で飲食店の仕事を紹介する」と言われて来たものの、実際には全く違う仕事を強要され、やがて不法滞在に。ウティナン君は、母親の来日後に日本で生まれた。

 2013年夏、母親とともに東京入国管理局に出頭。「日本で暮らし続けたい」と在留特別許可を申請する。しかしながら、2014年に強制退去処分を受け、母親とともに提訴するも今年6月の一審で東京地裁は訴えを退けた。母親は控訴せずに帰国し、ウティナン君だけが控訴していたのだ。

 ウティナン君は幼い時、家の中で隠れるように過ごす日々を送り、小学校に通えなかったそうだ。それでもどうしても「学校に通いたい」と、甲府市の在日外国人人権団体オアシスに相談。で、オアシスが教育委員会と交渉し、2013年4月に甲府市の中学2年に編入した。

 ウティナン君は日本から出たことがなく、タイ語の読み書きはできないという。オアシスの山崎俊二事務局長は「親が不法滞在でも、子は生まれた場所で暮らす権利がある。行ったこともない国にいきなり住めと言うのは乱暴で、人道的措置が必要だ」と訴える。

 一方、東京高裁は、ウティナン君は中学に編入するまではタイ人のコミュニティーで暮らし、タイ語での意思疎通ができることなどから「退去強制で著しい不利益を受けるおそれがあるとは認めがたい」と判断した。

 この判決には賛否両論ある。が、個人的にはもっと柔軟に対応して欲しかった。もっと子どもの人権に配慮してもいいのではないか、と。

 母親が不法就労だったとしても、「日本で生まれたこと自体が悪いみたいで、悔しい」なんて悲しいことを言わせてしまうこの国って、何なんだ?(ウティナン君は関係者にこう漏らしていたという)

 これまでにも親の不法滞在が理由で、強制帰国させられた子どもたちはいた。数年前にTBSの報道番組で特集されたことがあったが、そのとき画面に映し出された子どもたちもみな、ウティナン君と同じ悲しみに暮れたまなざしをしていたのを覚えている。

 そもそもこれは「子ども」の問題ではない。不法滞在した「母親」だけの問題でもない。日本の「外国人労働者の受け入れ方」と同根の問題である。

 外国人労働者が技能実習生という名の下、低賃金、重労働の仕事につき、非人間的扱いを受けていることは周知の事実だ。厚生労働省も2014年だけで、実習実施機関に3918件の監督指導を実施。そのうちの76%で労働基準法関係法令違反があり、最低賃金のおよそ半分である時給約310円での業務従事や、月120時間の残業、さらには安全措置が講じられていない就労があったこともわかっている。

コメント111件コメント/レビュー

このコラムは一体何なのだ?、人道から不法滞留・研修の名の強制労働・高スキルの外国人の受け入れ拒否。 結果、資格取得のレベルが障壁で終わっている。

そこで見えてくるのは、外国人=安全な人に繋がっていない現実があるからでしょう。
それをどう変えていくかが、緊急の課題でしょう。
対策の一つに不法滞留の外国人の一掃が一番効力があるでしょう。
これは、外国人に厳しい法律を作っても解決しません。
日本人に厳しい処罰を掛けなければ不法滞留の外国人はいなくなりません。

介護・看護の現場で有能な外国人にいて貰うのは、それ程ハードルは高く有りません。
それにしても、根本的な問題に触れていない記事だった。(2016/12/20 19:47)

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「「外国人歓迎」と言いつつ鎖国続ける嘘つき日本」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

このコラムは一体何なのだ?、人道から不法滞留・研修の名の強制労働・高スキルの外国人の受け入れ拒否。 結果、資格取得のレベルが障壁で終わっている。

そこで見えてくるのは、外国人=安全な人に繋がっていない現実があるからでしょう。
それをどう変えていくかが、緊急の課題でしょう。
対策の一つに不法滞留の外国人の一掃が一番効力があるでしょう。
これは、外国人に厳しい法律を作っても解決しません。
日本人に厳しい処罰を掛けなければ不法滞留の外国人はいなくなりません。

介護・看護の現場で有能な外国人にいて貰うのは、それ程ハードルは高く有りません。
それにしても、根本的な問題に触れていない記事だった。(2016/12/20 19:47)

我が家では高校生大学生のシンガポール、マレーシア、中国、インドネシアからの留学生達を受け入れてきました。受け入れ前にとくに確認する事は、「反日意識が無い事」「日本の伝統文化に興味関心があり、自国と違う風習に対応できるか?」という点です。やはり同じ家で寝泊まりするのですから大事な点だと思います。日本の法に従わない人を受け入れる事はできません。それを言うと「排外主義者」「レイシスト」呼ばわりされるのは納得がいきません。
マレーシアの人とは非常に気が合い、「一緒にマレーシアで暮らそう。」と誘われました。仕事もないのに居住できるのか?と聞くと、「銀行に650万以上残高があれば居住資格がとれる。」と。マレーシアでもそれだけのハードルがあります。
日本を嫌う日本人については、シンガポール人が「なぜ嫌いな国にいるのか?移動の自由があるのに、人生の無駄だ。」と言っていました。
それと子供の実習先の国立病院で介護士のインドネシア人を受け入れていましたが、実質日本人職員一人前の業務は出来ていませんでした。高齢者の方言やカルテの指示がスムーズに伝わらないと。労働力として決して安価ではない、日本人の待遇改善とロボット化の方が問題は少ないと思います。
法を犯して日本で逃げ回った親を持ち、結果として不安定な立場に置かれているタイ人少年は本当にかわいそうです。日本国よりまずは親御さんに、「僕の将来をどう考えてくれていたの?」と聞いてみてほしいです。(2016/12/20 15:29)

いわゆる「日本人」の「外国人」に対する偏見は未だに私たちの周辺に根強くあることを、このコメント欄からも強くうかがえる。

なぜ日本語を、漢字を理解できるいわゆる「日本人」を皆様求めるのでしょうか?いわゆる「日本人」の中にも読解力が無い人、漢字を読めない人がいるのに、「日本人」であればそれは許されるのですか?なぜそんなにも完璧でなくてはならないのでしょうか?キレイごとかもしれませんが、お互いが助け合えばいいことが多々あるのではないでしょうか?

この国の偏見はいつの時代になっても見えないところにあるのが問題だと思います。日本人ではなく、ヒトとして単にお互いを尊重できないものでしょうか?

以前、多国籍・多文化の中で生活してきた私にはこの国の見えない鎖国は恥ずかしいです。(2016/12/20 15:19)

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