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医療の世界での「競争と協調」

団塊世代の医療・介護インパクトを乗り越えるために

2016年4月25日(月)

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 割に誤解されていることが多いのだが、日本の医療はかなり激しい市場競争の上に成り立っている。

 確かに、国民皆保険制度のもと、何を保険対象とするか(たとえば、新しい治療方法の保険収載の是非)、価格をいくらとするか(たとえば、医療用薬品の価格決定)、を中心にして、国の強力な関与が存在し、「市場主義ではなくて、社会主義的な仕組みだ」と評されるのも、無理はない。

 しかし、日本の医療保険はフリーアクセスで、患者は基本的に行きたい病院・診療所を自由に選ぶことができる。

 これは、医療機関の側から見ると、近隣の他医療機関は、患者獲得を巡っての競争相手であることを意味する。市場競争の常で、この競争システムは一定のガバナンス効果を有し、ユーザーである患者にメリットをもたらしている。

 一例をあげれば、昨今、医療機関が「患者満足度」を高めようとする動きが目立つ。こういった活動が拡がるスピードがかなり速い背景には、自病院・診療所が競争相手に後れをとってはいけないという感覚があることは否めない。近隣の医療機関の中で、自らだけが患者満足度が低ければ、口コミ効果を通じて、いずれ大幅な患者減、収入減につながるからだ。

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御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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