• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

正月って、要るのか

姪の反乱は始まっている

2018年1月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 家族行事じゃないから気楽に戻れる。そして帰宅時に兄嫁が私にそっと渡したもの。

 「はい。これが、あなたの家のお雑煮の味よ。我が家は、白みそで大根と人参を入れるの。そして餅ね。元旦はこれらを一緒に煮て、お雑煮を食べなさい」

 兄嫁は私の家族拒絶をよく理解してくれていた。

 義妹がずっと実家の雑煮を食べていないことを案じてくれたのだろう、一人分のお雑煮セットをもたせてくれたのだった。

 正月に一人で雑煮を作って初めて、「へぇ。大根が入っていたのかぁ」と、知った。

 亡き親の味を、その家に嫁いだ高齢の兄嫁から教わるという不思議。

突き放す愛情

 夕方、電話が鳴った。留守電にメッセージは入ってなかったが、兄嫁からだった。

 翌日用事を聞くと、「せっかく家族全員揃ったのだから、やっぱり、晩御飯に来たらどうかな、って思っただけ」という。

 それを留守電に残さない兄嫁は、それだけ私の家族ごっこ嫌いを理解してくれているということ。絶妙だ。

 もし留守電にそれが入っていたなら、こうメールを打っただろう。

 「だから、行けへんっちゅーねん」

 毎年毎年悩みながら、そして帰ってみては誰かと本気で喧嘩をし、会うと口論にしかならない家族とそもそも会う必要があるのか、と、悩み抜いてきて、今年、初めて、迷うことから解放された。

 解放してくれたのは、「はい。家族の味よ」と言って渡された一人分のお雑煮セットだ。

 愛情の証でもあり、「正月は一人で過ごせ」という突き放すメッセージでもあった。が、それを人からしてもらってやっと、自力だけではまだ迷ったであろう家族病から解き放たれた。

オススメ情報

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

一覧

「正月って、要るのか」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

不満や不安を明確にすると、 解決案を見つけやすくなる。

ジェレミー・ハンター 米国クレアモント大学経営大学院准教授