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フランス語と大阪弁、目を見て話せば

バレエ界の巨匠、マニュエル・ルグリ氏に「一流」を学ぶ

2017年4月28日(金)

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「一流を目指せ」が口癖の父に育てられた私は、世間でいうところの一流大学を卒業し、いわゆる一流企業に就職しました。では、自分が一流か、あるいは一流に近づいているかといえば、まったくそういう実感はありません。父が言っていた一流とはどんな意味だったのかと最近、ふと思うのですが、父はすでに亡く、聞くことはできません。遙さんが考える一流の条件とは何でしょうか。(30代男性)

遙から

 私がこの職業をやっていて本当によかったなぁ、タレント冥利につきるなぁ、と感じるシーンのひとつが、一流の人間に直接インタビューできる機会だ。

 いったい、この人はどこが凡人と違うのか、どこがつくづく一流なのか、を、自分なりのつたない眼ながら観察できる。どこかのメディアに編集された映像で知るのではなく、専門家の批評で知るのでもなく、自分自身の目でつぶさに見ることができる。このワクワク感は半端ではない。

 ただ、条件がある。本当のほんまもんの一流であること。社長や会長といった肩書などとは関係なく、世界クラスの一流であること。そういう人物は何が、どこが違うのか。

巨匠、来る

 マニュエル・ルグリさんというクラシックバレエ界の巨匠がいる。経歴が凄い。世界最古を誇るパリオペラ座バレエ団で、芸術監督ルドルフ・ヌレエフから大抜擢を受け、階級制度のバレエシステムを飛び級でエトワール(トップ)になり、そのエトワールを23年間も務めた。

 …23年間だ。

 その後、現在ウィーン国立バレエ団で芸術監督をし、自らも踊る。

 今回のインタビューは、『ルグリ・ガラ』といって、英国ロイヤルバレエ団、ボリショイバレエ、ウィーン国立バレエ団の、プリンシパル(トップ)達を率いての公演に向けて、彼が来日した際に実現した。

 インタビュー会場には記者たちやカメラマンたちがすでに集まっていた。

 「え? 皆の前でインタビューするの?」とちょっと緊張した。

 映像や写真集で見たルグリの身体はまるで筋肉の彫刻と言おうか、情熱とエネルギーの塊と言おうか、汗だくの姿、筋肉のラインが見事な裸の上半身、跳躍、躍動、エレガント、野生美、というイメージだった。

 実物は…

 スーツ姿で笑顔のルグリがそこにいた。エッと思った。

 私はバカだ。つい、汗だくの筋肉の彫刻が登場するとうっかり思っていた。

 スーツを着ていて当然なのに。

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「フランス語と大阪弁、目を見て話せば」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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太田 大州 富士通シニアエバンジェリスト