• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

米朝首脳会談の勝者は中国なのか

半島問題は小休止、誰が勝者か判断するには早すぎる

2018年6月20日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

中国・北京で販売された米朝首脳会談を報じる雑誌の表紙(写真:AP/アフロ)

 シンガポールで国際社会の耳目を集めた米朝首脳会談が行われて1週間あまりが経った。この会談に対する評価は、トランプが妥協しすぎた、金正恩の一人勝ちだとか、あるいは一番の勝者は中国の習近平である、といったものが多いようだ。理由は、米朝首脳会談後に発表された共同声明にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)の文言や非核化の期限設定が入らなかったこと、なのに米国側が米韓合同軍事演習の中止という妥協を早々に決めたこと、あたりだろう。軍事演習の中止は、中国にとってもありがたいことであるのは間違いない。では、この首脳会談で米国は敗者だったのだろうか。この結果に、中国がほくそ笑んでいるのだろうか。

 米朝首脳会談について簡単に振り返っておこう。共同声明で確認されたのは4点。

①米朝は両国民の平和と繁栄への希求に基づき、新たな米朝関係の樹立を約束した。

②米朝は朝鮮半島の恒久的かつ安定した平和体制を築くことに共同で取り組む。

③2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全なる非核化に取り組むことを約束した。

④米朝はすでに身元が分かっている遺骨の即時返還も含め、戦争捕虜や行方不明兵の遺骨収集を約束した。

 会談後のトランプの記者会見では、共同声明には盛り込まれていないが、北朝鮮側が非核化の検証やミサイルエンジン実験場の廃棄に同意したこと、米国は経済制裁は非核化が再核化しないと判断した段階で解くとしたことなどが説明された。また朝鮮戦争の終結についても、「終わりはもうすぐだ」と期待を示した。

 米韓軍事演習を「金のかかる戦争ゲーム」と表現し、その中止を言明、「いずれ在韓米軍を撤退させたい」とも語った。人権問題についても提起し、今後も議論するとした。また、日本人の拉致問題についても共同声明には盛り込まれていないが、話し合いに「取り組む予定」とした。非核化の費用については、日本と韓国が支援してくれると思う、とし、米国が助けなければならないわけではない、とした。

コメント25件コメント/レビュー

今回の記事では、3回目の訪中については間に合わなかったようだが、ひとつ特徴的なことがあった。それはまだ北朝鮮のトップが帰国していないうちに、中国で会談が報道されたこと。
胡錦濤時代には、北朝鮮を含む外国の報道を転載することで、金正日訪中が中国メディアに載ったことがあるが、正式な発表は帰国してからだった。今年に入ってからの2度の訪中も、帰国後の発表だった。
北朝鮮以外の国のトップの訪中に関しては滞在中に適宜報道されるので、北朝鮮側の考えが変わったということだろうか。それとも中国側が配慮をやめたのか、発表を急ぐ理由があったのか。
中国メディアの会談の模様の映像を見たが、北朝鮮の同行者は習近平に対して緊張した感じで挨拶をしているのに対し、中国側の出席者は、金正恩に対し仲間と触れ合うような対応だったのが印象的だった。(2018/06/22 10:53)

オススメ情報

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「米朝首脳会談の勝者は中国なのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今回の記事では、3回目の訪中については間に合わなかったようだが、ひとつ特徴的なことがあった。それはまだ北朝鮮のトップが帰国していないうちに、中国で会談が報道されたこと。
胡錦濤時代には、北朝鮮を含む外国の報道を転載することで、金正日訪中が中国メディアに載ったことがあるが、正式な発表は帰国してからだった。今年に入ってからの2度の訪中も、帰国後の発表だった。
北朝鮮以外の国のトップの訪中に関しては滞在中に適宜報道されるので、北朝鮮側の考えが変わったということだろうか。それとも中国側が配慮をやめたのか、発表を急ぐ理由があったのか。
中国メディアの会談の模様の映像を見たが、北朝鮮の同行者は習近平に対して緊張した感じで挨拶をしているのに対し、中国側の出席者は、金正恩に対し仲間と触れ合うような対応だったのが印象的だった。(2018/06/22 10:53)

一概に勝ち負けと色分けするのも単純にすぎやしませんか?
あえていえば、ゲームに参加した中朝米はそれぞれに何らかの利を得たと思うが。
一人負けは日本に間違いはないけれどね。(2018/06/22 06:32)

私も福島さんの分析に賛成する一人です。日本人及び大手マスコミは、北朝鮮+中国 vs 日米韓の対立構図や、金正恩は核兵器をおもちゃにしている狂犬、のような面白おかしく単純なパターンに凝り固まっていますが、国際関係はそんな単純なものではないと思います。
今回の米朝首脳会談では、CVIDが明記されなかったことで失敗と断ずる人が数多くいますが、これを意図的に入れなかったと考えたらどうなるでしょう。さらに会談直後にポンペオ国務長官が2021年1月までに“北朝鮮の”非核化と発言しています。
福島産のご指摘の通り、中国と北朝鮮の間は決して良好な関係ではありませんでした。米朝会談の引き金になったのは中国の制裁強化ですが、これは米中の貿易問題に端を発していて、つまり中国は米中間貿易と引き換えに北朝鮮を売ったわけです。
話を戻します、朝鮮半島ではなく“北朝鮮”が非核化して最も困るのは中国です。つまり、北朝鮮が米国を始めとする西側の経済支援を受け(一帯一路に代表される紐付きの中国の援助よりはよほど良い)、朝鮮半島南側には核武装した米国の軍隊が残る、習近平にとっては悪夢です。
CVIDが明記されなかったことにより、北朝鮮は大きな切り札を得たのではないでしょうか。(2018/06/21 16:25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

旅行業だけを追いかけて大きな成長が 見込める時代ではなくなりました。

高橋 広行 JTB社長