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中国で大規模な退役軍人デモ、膨らむ矛盾と不満

進まない社会復帰支援、武力鎮圧事件に発展

2018年6月27日(水)

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中国ではここ数年、元軍人による抗議デモが頻発している(写真:AP/アフロ、2016年10月撮影)

 習近平政権の最大の矛盾は軍部周辺で起きているのかもしれない。習近平政権最初の5年の任期で難しい軍制改革に手を付け、大規模リストラと軍部の利権剥奪、汚職摘発を名目にした粛清を続けている。こうした軍制改革が決してうまくいっているわけではない。もちろん、解放軍報を見れば、習近平礼賛記事であふれているが、これらが面従腹背で、解放軍内外の矛盾と不満はかなり膨らんでいるようである。

 そういうものが、目に見える形で表れた一つが、昨今頻発している退役軍人デモである。6月下旬にもかなり大規模な退役軍人デモが起き、しかも解放軍下部組織の武装警察や軍が出動して鎮圧するという、軍内身内同士の流血事件に発展した。習近平政権二期目始まって以来の最大規模の退役軍人デモであり、ひょっとすると最大危機への導火線となるやもしれない。

 このデモが起きたのは江蘇省鎮江。6月19日から24日にかけて 、全国22省から微信(中国ネットSNS)で呼び掛けられた退役軍人たちが続々と鎮江市の政府庁舎に集まり続けた。ネットに上げられた映像を見る限り1万人規模にはなっていた。香港紙の中には5~6万人が集結という報道もある。彼らは迷彩服姿で市内を行進するなどした。

 当初は抗議活動を容認するかたちで、1万人の武装警察が治安維持のための厳戒警備にあたっていたが、鎮江市政府周辺で、一人の退役軍人と警備の武装警察が衝突、退役軍人側が頭から血を流して倒れ、怒ったデモ隊が非道を訴え、一部で暴徒化したようだ。退役軍人を殴ったのは、武装警察の制服ではなかったという説もれば、私服の武警であったという説もある。

コメント14件コメント/レビュー

中国の退役軍人のデモレポートについて、興味深く読ませて頂きました。CHINA PAWERの勢いは世界を席巻しつつありますが、自国の大きな問題を抱えていることを知りました。北朝鮮の動向、韓国の動向、アメリカの動向、そしてこれから日本はどのように世界と付き合うか考えさせられます、(2018/06/28 12:09)

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「中国で大規模な退役軍人デモ、膨らむ矛盾と不満」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中国の退役軍人のデモレポートについて、興味深く読ませて頂きました。CHINA PAWERの勢いは世界を席巻しつつありますが、自国の大きな問題を抱えていることを知りました。北朝鮮の動向、韓国の動向、アメリカの動向、そしてこれから日本はどのように世界と付き合うか考えさせられます、(2018/06/28 12:09)

 山田泰司さんのレポートで何時だったか、中国の都市戸籍所有でおそらくは非党員
の国営企業退職者、に対して職の内容はドウあれ、給料の額はドウであれ年金支給
に至るまでは次々と職の斡旋をしてくれるのが印象的でしたが
軍は退役軍人の再就職の支援をしてくれないのですか・・・軍以外にアレだけの軍営
企業だの団体だの文化施設だの様々なものを傘下におさめている人民解放軍が?


 その「退役軍人事務部」にしても国務院の下にあるのですか?中央軍事委員会
の下ではなく??

 軍は独自の財源と自分達で就けられる就職先を少なからず持っていながら国務院に
面倒を見てもらおうというのですか?米国の退役軍人庁にならった制度かも
しれませんが。(2018/06/27 22:17)

福島氏の指摘どおり、退役軍人デモを筆頭に人民解放軍に関わる問題は、膨張を制御できない巨額債務問題と並んで、数年以内に中共を揺るがす大問題に発展する可能性を秘めている。もし現出すれば、恐らく中共の終わりの始まりの嚆矢となるだろう。

そもそも人民解放軍は中国共産党の背骨といわれるが、40年前の改革開放時には経済成長の屋台骨を支えた中核組織でもあった。当時一般人民が粗末な人民服に身を包み、当然ながら私有財産や私企業も認可されない中、大都市でも砂埃まみれの道を自転車に乗って日々暮らしていた時代に、様々な社会インフラ機能を担っていたのだから。

武器製造などの軍事部門のみならず、建設、通信、各種製造業、物流から農業に至るまで多くの産業セクターに軍が関わっており、いわば市場経済化に移行する際のほぼ全ての産業の母体を提供したのだ。まさしく人民解放軍は現代中国の礎であり、原動力だったということができる。

したがって、退役軍人のほとんどは、中越戦争に参戦したような本物の軍人でなくとも、現在の目も眩むように発展した社会の構築の一端を担ったという自負を持つ人々であることは想像に難くない。

習近平は軍政改革の一環で、軍の有償サービス全面廃止(事業の民間移管)を方針として掲げたことで、軍区改革で余剰となった陸軍部隊以外にも近年多数の老若リストラ軍人が生まれたと想像できる。

退役軍人問題への対処を誤れば国が傾く可能性があると考える所以だ。

ともあれ、人民解放軍にせよ巨額債務問題にせよ、ひと度内部で混乱が起これば世界中に厄災が降りかかることだけは間違いない。とりわけ隣国で敵国認定されている日本は、如何なる事態が生じても‘想定外’などということのないよう、覚悟して準備し続ける必要があるのではないか。(2018/06/27 16:33)

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