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中国の若者は「君の名は。」のどこに共感するか

「金メダル」と「BL」と「村上春樹」と「孤独」と

2016年12月14日(水)

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 北京にいく飛行機の中で、この秋の話題の映画「シン・ゴジラ」と「君の名は。」を遅ればせながら見た。「シン・ゴジラ」については、ノンフィクション作家の関岡英之さんから「すばらしい」と強く勧められていたので期待していたのだが、「君の名は。」については使い古されたテーマの焼き直しと軽くみていた。

 結果からいうと「シン・ゴジラ」も面白かったが、「君の名は。」の方が印象深かった。陳腐な言い方だが癒しを感じた。アニメという絵の世界であることもあって、普段私たちが見ている東京の街並みや山村の日常がこれでもかというほど美しく、このささやかながら美しく愛おしい日常が突然奪われる喪失の深さに自然と思いをはせた。

 実写では人や車で混雑した東京がここまで美しく描けるかわからない。「シン・ゴジラ」も「君の名は。」も東日本大震災が原点にあり、その喪失感を取り戻そうとする人の希望を描こうとした映画だとしたら、日本のこまった政治状況を揶揄することに前半重点をおいた「シン・ゴジラ」よりも、かけがえのない日常を美しく描くことに力を入れた「君の名は。」の方が「共感」力はあるだろう。

 ところで、この日本人的「共感」というのは中国人に通じるのだろうか、とふと思った。おりしも、12月2日から中国で「君の名は。」が異例のスピードで公開され、歴代アニメ映画の中ではウォルトディズニーアニメーションスタジオが制作した3Dアニメ「ズートピア」や香港カンフー映画をモチーフにした米国の3DCGアニメ「カンフー・パンダ」あるいは日本の国民的アニメ「STAND BY MEドラえもん」に迫る勢いで興行収入を伸ばしているとニュースになっていた。

「99%あり得ない」格差の壁

 そう思ったのは、中国人と日本人の共感ポイントは、実はかなりずれている、と常々感じていたからだ。「君の名は。」は大都会・東京のど真ん中で暮らす男子高校生と現代の秘境と呼ばれる飛騨の山村の女子高生の恋物語であるが、普通に考えて、中国の上海や北京戸籍の重点高校に通うような都会の少年と、四川や雲南の寒村に生まれ育った少女が偶然出会ったとして、恋に落ちる可能性があるだろうか。そもそも、言葉は通じるのか。リアルな視点でいえば、おそらく99%の中国人があり得ない、というだろう。中国人の社会階層における差別感は日本人が想像するより厳然としており、それを乗り越えるラブロマンスがなかなか成立しがたいほどに根深い。

コメント18件コメント/レビュー

シンゴジラとはちがうでしょ、とコメントした者です。
アンチとはわたしのことでしょうか?
若者が減って雰囲気が変わったからなんだというのでしょう。
映画を観たから批判したのです。(2016/12/21 22:48)

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「中国の若者は「君の名は。」のどこに共感するか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

シンゴジラとはちがうでしょ、とコメントした者です。
アンチとはわたしのことでしょうか?
若者が減って雰囲気が変わったからなんだというのでしょう。
映画を観たから批判したのです。(2016/12/21 22:48)

やれやれせっかく面白い解説なのに、君の名は。記事はどこでもアンチが湧くもんですね

NHKクローズアップ現代で特集されてからは、中高年の客層が一気に増えて当初の若者主力だった劇場の雰囲気とガラっと変わってますよ?
納得いかないならご自分で映画館覗いてみてください。(2016/12/21 04:07)

今をときめく新海誠監督のデビュー作「秒速5センチメートル」は、中国本土のアニオタにも広く知られている名作である。「秒速5センチメートル」は、作画やキャラ設定、物語の展開等々アニメとして、今回大ヒットした「君の名は。」と酷似している反面、決定的に違ったのは、ハッピーエンドにならない悲話だったこと。ヒロインと主人公は、すれ違いを続け、新海監督の描く美しい東京や田舎の風景を背景に孤独であり続けるのである。福島記者の「中国人の孤独」説が正しいとすれば、中国大陸のコアなアニメファンの間で「秒速5センチメートル」がクラシックとみなされていることもなるほど良く理解できるが、それでは、今回の中国における「君の名は。」のヒットは単に商業的な成功ということであろうか。あるいは80後、90後世代の社会に対する感覚が、福島記者も言及したように、やや変化してきているということであろうか。(2016/12/19 13:08)

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