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中国の脅威に怯まず、日本の国力を増強する年に

日中対立激化の「凶」を、「吉」に転じる逞しさを持て

2017年1月1日(日)

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お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
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 2017年、中国では習近平政権が二期目に突入する第19回党大会が秋に予定されている。米国はトランプ政権が誕生、ともに軍拡路線をほのめかしており、米中新冷戦構造ともいうべき緊張関係が高まりそうだ。外交的にも地政学的にもその米中のはざまにある日本は、ではどうなるだろうか。日中関係について、目下、どのような予想があるかを見てみたい。

日米との対立をテコに国内団結を目論む中国

 2016年12月23日に山東大学で開かれた報告会では、中国社会科学院日本研究所の党委書記で所長の高洪が「目下の中日関係の主要な問題と展望」というタイトルで報告を行った。それによると、日中関係には三つの大きな問題をめぐる曲折によって調整局面にあり、闘争と協力が並存する“ニューノーマル”時代に入る、という。

 その三つの大きな問題とは、①靖国神社など歴史認識問題②海洋覇権戦略および尖閣(中国語では釣島魚)問題③東シナ海・南シナ海・台湾海峡の“三海聯動”が引き起こす海洋軍事安全問題。この三大問題で、日中関係は対立が先鋭化、緊張時代に入る、としている。

 同時に、日本との文化、経済、科学技術、軍事などのソフトパワー競争が、中国の科学技術文化ソフトパワーのレベルアップにつながり、習近平が目指す「二つの百年」の努力目標(建党100年の2021年に所得倍増を実現、建国100年の2049年に社会主義現代国家建設を実現)の達成、最終的には中華民族の偉大なる復興という夢の実現に貢献してくれる、ともいう。

 一言でいうと、日本との対立の先鋭化は中国としては国内のソフトパワー強化の原動力となり歓迎している、というわけだ。中国が今、日本に求める役割は戦略的パートナーであることよりも戦略的ライバルなのだ。

 これは、米国に対しても、同様の姿勢であり、対中強硬姿勢を明らかにしてきたトランプ政権に対しては、不安がるよりも、愛国心の鼓舞や、大国としての自信を深めるための宣伝にポジティブに利用していこうとしている。

 少なくとも中央メディアの報道ぶりはそういう印象である。外敵としての米国を国内でアピールすることによって、習近平政権が今直面している内政的問題、経済の急減速による失業者増、社会不安定化、急激な軍制改革による軍内の不満増大、あるいは反腐敗キャンペーンを建前にした権力闘争の激化による党内分裂といった国内リスクから、人民の目を逸らし、党内の求心力を回復し、国内団結につなげたいのではないか。実際、習近平政権にとっては外交以上に内政の不安定化がアキレス腱だろう。

コメント6件コメント/レビュー

この記事を読んで、中国は日本に間違った判断をしている気がして心配になった。
この時代は、政冷文熱の時代だと表現したが あの事変の時代も政冷文熱だったと私は見ている。

日本の忍耐力を中国は見誤っている可能性が高く感じる、日本人はある限界点まで微笑んでいるがある時点で突如般若となる事をいまだに理解していないのかと。

北京ダックなんてふざけた事ぬかすと、仏の顔も三度までの言葉が叩きつけられる。(2017/01/07 18:54)

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「中国の脅威に怯まず、日本の国力を増強する年に」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事を読んで、中国は日本に間違った判断をしている気がして心配になった。
この時代は、政冷文熱の時代だと表現したが あの事変の時代も政冷文熱だったと私は見ている。

日本の忍耐力を中国は見誤っている可能性が高く感じる、日本人はある限界点まで微笑んでいるがある時点で突如般若となる事をいまだに理解していないのかと。

北京ダックなんてふざけた事ぬかすと、仏の顔も三度までの言葉が叩きつけられる。(2017/01/07 18:54)

日中関係はしょせん、米中関係に引きずられるしかないと思う。トランプ政権はヘリテージ財団&ペンタゴン&ウォール街で、またハドソン研究所の匂いもする。たぶん「レーガン時代の夢」よ再びと考えているだろう。トランプがどんなに中国をビジネスの対象と考えても、共和党右派はかつてソ連を崩壊させた戦略に傾くのではないだろうか。
アメリカにとって大西洋と太平洋の支配は、死活問題だ。その太平洋などに進出しようとする中国とは、深刻な摩擦が生まれるしかない。ただし直接対決と言う金のかかることはやるまい。大陸国家の海洋進出を阻止するには反対側、つまり奥地での緊張を高めるほうが安上がりなはずだ。
具体的にはチベットや東トルキスタンであり、あるいは最も厄介なお荷物である北朝鮮だろう。
トランプ政権は中国に北朝鮮の処分を強要するとみている。中国が自己処分しないのなら、アメリカが行うと恫喝して。同時に台湾に接近し、奥地の独立運動も応援するだろう。
そしてどこかで、中国にとってのアフガンを作り出そうと、もくろんではいないだろうか。(2017/01/07 07:11)

中国の痛いところを突くための歴史戦はなんでしょうか。中国のチベット、ウィグル虐待事例や人権問題をより積極的に日本が世界に訴えることはできないのか。日本はかつてやったことは十分反省した(30万人はないものの)、しかし、今、悪を働いているのは中国でしょう、と。こんなに様々な悪を今、行っている、と。日本政府が直接やるのが難しければ、中国の御用新聞のように、日本も御用団体がより積極的に国連でアピールすることなどは可能と思うが。外務省はそういう金を使うべきだろう。(2017/01/06 17:19)

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