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「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる

2018年1月26日(金)

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 ドイツでは2017年9月の連邦議会選挙以来、政府が存在しない異例の空白状態が4カ月間も続いているが、ようやく混乱が収まる兆しが現れた。

アンドレア・ナーレス連邦議会・院内総務と抱き合って喜ぶシュルツ党首(AFP/アフロ)

SPD、大連立本格交渉への参加を決定

 1月21日に社会民主党(SPD)がボンで開いた臨時党大会で、代議員の過半数が、キリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)との大連立をめざし本格交渉に入ることを承認した。党大会で厳しい表情を崩さなかったマルティン・シュルツ党首は、投票結果が明らかになると、隣に座っていた、アンドレア・ナーレス連邦議会・院内総務と抱き合って、喜びを全身で表現した。

 この決議によって、CDU・CSUとSPDは連立協定書の調印をめざして本格的な交渉に入る。今年春にメルケル氏が率いる大連立政権が再び誕生することは、ほぼ確実になった。

SPDを分断する大きな亀裂

 だがシュルツ党首は、極めて薄い氷の上を歩いていた。SPDの見解は一枚岩ではなく、大きく二分されている。そのことは、大連立への交渉入りに賛成した代議員の比率が56%にとどまり、44%が反対したことに表われている。SPDが割れている原因は、シュルツ党首自身にある。彼は、ドイツの政治史上でも珍しい右往左往を演じたために、党内で批判の矢面に立たされている。

 2017年9月の連邦議会選挙で、彼が率いるSPDの得票率は、約20%という史上最低の水準に落ち込んだ。このためシュルツ党首は、開票結果が判明した直後に「SPDは野党席に戻り、党を改革する。政権に加わることはない」と宣言した。

 彼は、SPDが大連立政権に参加しCDU・CSUと政策が似通ってしまったことが、選挙の敗因と考えたのだ。彼は野党席に戻り、党を改革し、CDU・CSUとの違いを際立たせることをめざした。だが多くの政治家は、「この発言は時期尚早ではないか」と感じていた。

 SPDの下野宣言によってメルケル首相は、自由民主党(FDP)、緑の党と連立しなくては議会で過半数を確保できなくなった。だがFDPと緑の党はエネルギー政策や増税をめぐって鋭く対立。FDPは「メルケル首相は緑の党の肩を持ちすぎる」と不満を爆発させて、連立交渉から離脱してしまった。メルケル首相が「FDPと緑の党が激しく対立しても、最後は国益を考えて折り合うだろう」と考えたのは、大きな誤算だった。連邦議会選挙後に、各党が連立に失敗したのは初めてのことである。

コメント1件コメント/レビュー

>ドイツの民主的勢力にとっては、厳しい時代が訪れた。
民主的じゃない勢力ってどこの事かな?AfDかしら?理由は何だろ?党役員の暴言かな?
日本でも共産党と言う、独裁を標榜する政党がありますが、それ以外の党を民主的勢力として一括りにはしませんね。何でかな?(2018/01/30 22:42)

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「「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>ドイツの民主的勢力にとっては、厳しい時代が訪れた。
民主的じゃない勢力ってどこの事かな?AfDかしら?理由は何だろ?党役員の暴言かな?
日本でも共産党と言う、独裁を標榜する政党がありますが、それ以外の党を民主的勢力として一括りにはしませんね。何でかな?(2018/01/30 22:42)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官