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余命宣告受けたコマツ元社長が問いかけたもの

個人主催の「感謝の会」が示した終活のあり方

2018年1月18日(木)

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 コマツで社長などを務めた安崎暁氏(80)が先月、東京都内のホテルで「感謝の会」を開いた。がんで医師から余命が短いと診断され、少しでも体力のあるうちにお世話になった人たちに挨拶がしたいと個人で企画。いわゆる「生前葬」だ。高齢化を背景に、人生をどう締めくくるかという終活への関心が社会的に高まる中、一石を投じそうだ。

個人名で新聞広告、1000人が来場

 感謝の会は都心の有名ホテルの大広間で実施。コマツや取引先、業界団体、学校関連、安崎氏がライフワークとした日中交流関連など様々な縁のある約1000人が来場した。開催にあたり、個人名で新聞広告を出し、会の趣旨や概要を発表。著名企業のマネジメント経験者ということもあり、一部で大きな反響を呼んでいた。

「感謝の会」後の記者会見で時折笑顔を見せた安崎氏

 報道機関は会場内の取材は許されなかったが、参加者によると、安崎氏の故郷である徳島県の阿波踊りが披露されて雰囲気を盛り上げるなど、明るく和気あいあいとした様子だったという。会場の外でも旧知の人との再会を喜ぶ参加者同士の姿が多く見られた。

 ここで参加者に配布された冊子の骨子を引用する。

 「私がこのような異例な形で感謝の会を催しましたのは、本年(2017年)10月、入院検査の結果余命が短いかもしれないとの診断を受けたためであります。つい半年前まで長寿健常の生活を楽しんでいた私にはまったく予期せざる診断でした」

 「先のことは『神のみぞ知る』で全くわかりませんが、まだ元気な今のうちに皆様方に感謝の気持ちをお伝えしたいと思った次第。いかなる運命もこれを私の天命と受け止め、残された時間をQuality of Lifeを大切にして家族と共に静かに過ごしていく所存であります」

 冊子にはこのほか、略歴などとともに、好きな言葉なども記してある。

 好きな言葉の筆頭にあるのは「事業の進歩発展に最も害をなすものは青年の過失に非ずして老人の跋扈である」(住友二代目総理事の伊庭貞剛)だ。

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「余命宣告受けたコマツ元社長が問いかけたもの」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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