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スタートアップに経営統合という「第3の道」

元DeNA会長の春田真氏らが仕掛ける業界再編

2018年3月5日(月)

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経営統合によって自ら社長に就任

 コイニー、ストアーズとも異なる領域で数十万件の顧客基盤を持ち、合計の流通額・決済額は3年間で10倍に伸びるなど成長性は高い。そこで昨年5月ごろから佐藤氏が間を取り持ち、それぞれの経営陣を説得。さらに、自ら経営の指揮をとることにした。2月1日付で2社を子会社とする新会社、ヘイ(東京・渋谷)を立ち上げ、筆頭株主である佐藤氏が社長に就任した。

 佐藤氏は「日本のEC化率は今後さらに高まるが、例えば商品のデータベースは実店舗とネット通販でバラバラ。決済の仕組みも十分に整備されているとは言えない」と指摘する。決済とEC構築という異なるビジネスモデルを持つ2社のノウハウ、人材、顧客基盤を持ち寄ることで、高い相乗効果が上げられるとみる。

 今後は従来の事業に加えて、オンラインとオフラインをまたがった顧客サポート、融資などの新事業も計画。流通額・決済額を早期に1000億円規模にしたい考えだ。佐藤氏は「海外では有力スタートアップ同士が一緒になるケースも多いが、日本ではまだ少ない。経営統合という選択肢はもっと検討されてもいい」と話す。

 著名経営者の中にも、スタートアップ同士の経営統合を自ら積極的に仕掛ける人物がいる。ディー・エヌ・エー(DeNA)の元会長である春田真氏だ。

 春田氏は15年にDeNA会長を退任。その後16年にAI(人工知能)関連のスタートアップ、エクサインテリジェンス(現エクサウィザーズ、東京・港)を立ち上げた。同社はAIのプラットフォーム開発や人材育成サービスを展開。本格的なAIの普及を見据え、企業の採用や能力開発にAIを活用するビジネスに注力している。春田氏は同社の会長という立場だ。

 このスタートアップが昨年10月、業界関係者を驚かせた。エクサインテリジェンスと静岡大学発のスタートアップ、デジタルセンセーション(浜松市)が経営統合し、エクサウィザーズとして再スタートを切ったのだ。デジタルセンセーションは認知症ケアにAIを活用するという研究開発を進めており、かねて注目されていた。

多くのM&Aや提携を手掛けた春田真氏にとって、経営統合は自然な選択肢だった(撮影は竹井俊晴)

 春田氏はいう。「AIの利活用について新たなビジネスモデルを構築することは、3年後、5年後を見たときに非常に重要。自分が作った会社でいかに早くその目的を達するかという点で、経営統合はメリットが大きい」。大手銀行の出身で、DeNA時代に多くのM&A(合併・買収)を手掛けた春田氏にとって、その選択はごく自然なことだったという。

 コイニーとストアーズは、異なる事業領域でのノウハウや顧客基盤を持ち寄ったケースだが、エクサインテリジェンスとデジタルセンセーションも、それぞれの強みを生かせる補完関係にあった。ディープラーニング(深層学習)などを得意とする優秀なAI開発部隊を抱えるエクサインテリジェンスと、認知症に関する専門的な知見を有するデジタルセンセーション。2社が一緒になることで、介護というまだAI活用が進んでいない分野で独自の立ち位置を確保できたからだ。

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「スタートアップに経営統合という「第3の道」」の著者

河野 祥平

河野 祥平(こうの・しょうへい)

日経ビジネス編集記者

2006年日本経済新聞社入社。社会部、消費産業部などで警視庁、ネット業界などを担当。直近では企業報道部でビール・清涼飲料業界を取材。2015年4月から日経ビジネス。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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