• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

タイの「精霊」がもたらした経営危機

若手経営者と「ナーン・タキアン」の10日間

2018年3月30日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 タイで日系企業の経営支援や流通販売サポートなどを手がけるY global(ワイグローバル)は、今年7月にも日系企業や現地企業に向け「Megawel(メガウェル)」と呼ばれる福利厚生の代行サービスを始める。

 日本ではベネフィット・ワンやJTBなどがこうした事業を既に手がけているが、タイではまだ一般的ではなく、多くの企業ではまだ福利厚生のメニューも充実していなかった。

ワイグローバルと自動車部品メーカー、ニューエラーインターナショナルの社長を兼務する幸長加奈子氏(左)

 そこに目をつけ、事業を立ち上げたワイグローバル社長の幸長加奈子氏は、タイの日本人社会の中では知られた人物だ。2001年、高校卒業後すぐ単独でタイに渡ると、流暢なタイ語と行動力を武器に、日系企業のタイ進出支援を相次ぎ手がけていった。

 2009年には自動車部品製造の老舗ニューエラー(大阪市生野区・宮下浩社長)のタイ子会社、ニューエラーインターナショナルの立ち上げと経営を任されることになった。

 従業員向け福利厚生事業を着想するに至ったのは、この頃に遡る。きっかけはタイの「精霊」との強烈な出会いだった。

女性従業員が豹変

 バンコク近郊の工業団地に建つ古い工場を借り、操業を初めて2年が経とうとする頃、幸長氏は経営の危機に直面する。原因は市況の変化でも組織の不祥事でもない。「精霊」だった。それは「見えない敵」(幸長氏)として、創業間もない会社の前に立ちはだかった。

 タイでは個人も企業も「タンブン」と呼ばれる徳を積む行為が陰に陽に奨励されている。お寺にお布施やお供えものをしたり、親孝行をしたりして善行を為すことで、企業では工場や事務所を開所する際、お坊さんを読んで経を上げてもらうこともタンブンの習慣の一つとなっている。

 ただ幸長氏は初年度にこうしたタンブンをすることはできなかった。生産体制を構築する仕事で忙殺され、早く工場を軌道に乗せようと経費をギリギリまで削っていたため、お坊さんを招く余裕はなかったからだ。2年目、ようやく経営も一息つき、幸長氏は改めて正式にタンブンをすることを思いつく。縁起が良い数字と言われる9人のお坊さんを招き、経を上げてもらった。

オススメ情報

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「タイの「精霊」がもたらした経営危機」の著者

飯山 辰之介

飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

2008年に日経BP社に入社。日経ビジネス編集部で製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

僕は独裁だとは思っていないんですよ。 だって、業績を見てください。 赤字はないですよ。ずっと、よりよくしてきた。

鈴木 修 スズキ会長