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黒字廃業する近江商人、継ぎませんか?

東近江市が東京で「あとつぎさん」探しイベント開催

2018年11月21日(水)

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 「黒字やのに、廃業する会社が地域で増えてるんやわ」――。先日、関西のある中小企業経営者に取材したときに出てきたコメントだ。その地域とは、「三方よし」の近江商人で有名な滋賀県東近江市。最近では、長く事業を営んできた日本有数の黒板メーカーが、業績は好調なのに会社をたたんでしまったと嘆く。

 事業継承の厳しさを裏付けるデータがある。中小企業庁の調査によると、2017年に廃業した企業の約半数が黒字廃業であり、その大半が社員50人未満の小規模事業者だった。「黒字廃業」を選択する企業は、正社員のなり手がいない人手不足、または後継ぎ不在のいずれかの事情に当てはまることが多いという。

 東京商工リサーチが10月に発表した調査によると、2018年1~9月の人手不足による倒産は299件と、過去最多のペースで増加していることがわかる。リクルートワークス研究所が19年卒を対象とした調査を見ると、300人未満の中小企業の大卒求人倍率は約10倍、つまり1人に10社が押し寄せるほどの採用難となっている。

 後継者不足についても深刻で、帝国データバンクが17年11月に発表した「後継者問題に関する企業の実態調査」によると、国内企業の3社に2社が「後継者がいない」と回答している。

「あとつぎさん」探します

 このような状況下で、中小企業が自力で後継ぎを探すことは困難を極める。社員が数人単位の組織では、安心して事業を任せられる人材が社内にいるとは限らないからだ。最近は事業承継を地元銀行やベンチャーキャピタルがサポートするケースもあるが、手間がかかる割に仲介料も高くはない地方の小さな企業の案件はなかなか支援されないという。

 「商売上手で知られる近江商人も人材難には勝てないのか……」と感じた取材から3カ月後、冒頭の経営者から「11月にみんなで東京に出て後継ぎを探すことにしたんや」と連絡が来た。

 イベントは東近江市が企画し、11月9、10日の2日間、東京駅そばの貸会議室で開催した。「黒字廃業」の危機に瀕している同市の企業8社が参加してブースを設け、個別相談に応じた。東近江市の担当者は「このように地方の経営者自らが上京して後継ぎを探すイベントは聞いたことがない」と話す。

 私も会場に足を運んでみると、各社のブースで経営者と後継ぎ希望者が真剣な面持ちで面談を行い、テレビや新聞社の取材も入るにぎわいを見せていることに驚いた。東近江市によると、2日間で42組50人が来場したという。市の担当者は、「目標の40人を大幅に上回った。告知をあまりしていないのに関心の高さに驚いた」と語る。

11月9日に開催された東近江市の後継ぎイベントの様子

コメント8件コメント/レビュー

黒字ながら後継者がいない、ということですが、まるまる顧客を継承し、商圏を継承し、組織と資産を継承するのは養子になれと同じなのではないか。
そもそも「跡継ぎ」という言葉に隠れた擬似親子的、任侠的な犠牲精神がちらつきます。
売る側には家督の継承、継ぐ側はの事業継承と思われ、相互理解が足りないと思われます。
しかも世に代替品のある事業には継承の必然性が疑われるかもしれません。

個別の企業情報がわからないが、家族経営だから黒字という場合もあり得るのではないか。
コンビニは人件費が高騰しており、家族経営(無休・無給労働)でないと成立しないとも言う。
似たような経営状況だとしたら、家族計画を考えるべきだっただけです。
しかも古参従業員との軋轢でも起きたら困ることになるでしょう。

商売の妙味がわからない普通の会社員がいきなり事業継承に挑むことは難しいし、一緒に働いてみて…、継承に足らずと判断されたら失業者になるだけのリスクを負った応募は難しいことが明確です。継承希望者が得るメリットが乏しいと応募ははかばなしくならないと思うのですが。

継承されない事業のなかに、失われてはいけない文化的事業(最近だと海老蔵と資生堂の白粉生産の件)のような経済効率を無視しても継続したいと言わせる事業なのでしょうか。
蒙古タンメン中本のように「味を継承したい」と思わせるような魅力がないから、東近江では継承されないこともあるのではないか。
記事にある継承対象事業が何かわからないが、今の時代に「茅葺屋根を葺く職人」のような希少な事業の継承者募集でないことを願いますね。(2018/11/27 05:14)

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「黒字廃業する近江商人、継ぎませんか?」の著者

松浦 龍夫

松浦 龍夫(まつうら・たつお)

日経ビジネス編集記者

2002年同志社大学商学部を卒業、同年日経BP社入社。日経コンピュータや日経ニューメディアでIT・通信を担当し、2012年に日本経済新聞社へ出向。2015年4月から日経ビジネス記者。現在は電気・ガス、ガソリンなどエネルギー分野を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

黒字ながら後継者がいない、ということですが、まるまる顧客を継承し、商圏を継承し、組織と資産を継承するのは養子になれと同じなのではないか。
そもそも「跡継ぎ」という言葉に隠れた擬似親子的、任侠的な犠牲精神がちらつきます。
売る側には家督の継承、継ぐ側はの事業継承と思われ、相互理解が足りないと思われます。
しかも世に代替品のある事業には継承の必然性が疑われるかもしれません。

個別の企業情報がわからないが、家族経営だから黒字という場合もあり得るのではないか。
コンビニは人件費が高騰しており、家族経営(無休・無給労働)でないと成立しないとも言う。
似たような経営状況だとしたら、家族計画を考えるべきだっただけです。
しかも古参従業員との軋轢でも起きたら困ることになるでしょう。

商売の妙味がわからない普通の会社員がいきなり事業継承に挑むことは難しいし、一緒に働いてみて…、継承に足らずと判断されたら失業者になるだけのリスクを負った応募は難しいことが明確です。継承希望者が得るメリットが乏しいと応募ははかばなしくならないと思うのですが。

継承されない事業のなかに、失われてはいけない文化的事業(最近だと海老蔵と資生堂の白粉生産の件)のような経済効率を無視しても継続したいと言わせる事業なのでしょうか。
蒙古タンメン中本のように「味を継承したい」と思わせるような魅力がないから、東近江では継承されないこともあるのではないか。
記事にある継承対象事業が何かわからないが、今の時代に「茅葺屋根を葺く職人」のような希少な事業の継承者募集でないことを願いますね。(2018/11/27 05:14)

黒字企業だから何事もいいとは限りません。
適正な人件費配分をしないから黒字ということもいえます。

あくまで推定ですが、優秀な人は入社してもすぐ辞めたり、見向きもしなかったりするような働く場として魅力のある会社でなかったのではないでしょうか。
この原因を解決せず「若い人に来てもらいたいたかった」と言っても何も解決しません。

そもそも論として、株式会社経営のなかで、事業の承継は一大テーマです。
それに失敗したのであれば、廃業か事業譲渡を考えるのが筋です。

「優れた技術」とか「ユニークな製品」と標榜して、企業を存続させる価値をしきりに強調する向きもありますが、それは大体内輪受けにとどまるものが多く、本当にそれほどのものであれば事業譲渡する場合でも引く手あまたになるのではないでしょうか。

マクロ的に見て雇用維持の観点もあるでしょう。
しかし、こんなところに税金を投入して維持しようとするのは、全く持ってマーケットメカニズムに反します。間違いなく経営に失敗しているのですから・・・。

最後に記事を読んでいて、ここまで近江商人の経営レベルが下がったかと思うと悲しくなりました。(2018/11/26 10:03)

若者に伝えようと努力したのだろうか。

そして素朴な疑問なのだが、50歳じゃ駄目なの? 今の時代、充分若いと思うが。

更に言うならリタイア組の50歳を雇って、その人がいけると思ったら、多分若いのを引っ張ってくるよ。(2018/11/26 09:55)

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