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トランプ旋風に隠れた日本の根深い炭素リスク

見えぬ発電部門の脱炭素化

2016年12月7日(水)

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 11月8日、国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)がモロッコで開かれているさなかに、米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利が決まった。会議の参加者によれば、表だってトランプ氏当選について話す参加者は少なかったものの、会場の隅では「米国の環境対策が後退するのではないか」との不安が飛び交っていたという。トランプ氏は温暖化対策に否定的で、パリ協定からの脱退も示唆してきたからだ。

COP22のさなかに米大統領選が実施されトランプ氏の当選が決まった。
(写真:Abaca/アフロ)

 トランプ氏は実際にパリ協定からの脱退に動くのか、オバマ政権が発表したクリーン・パワー・プラン(既存の火力発電所からのCO2排出を規制する計画)を破棄するのか。エネルギー政策の全体像はまだ見通せず、パリ協定の批准各国がやきもきしながらその動向を見守る。 

 だが、多国間で協調して進む環境対応で課題を抱えているのは米国だけではない。「トランプ氏の動向に耳目が集まるが、むしろ本質的なリスクを抱えているのは日本だ」とブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスのアリ・イザディ駐日代表は指摘する。「2030年度までに、2013年度比で温室効果ガスの排出を26%削減する」という目標が、現状では絵に描いた餅に過ぎず、現状ではCO2の排出量が多い石炭への依存を深めているからだ。「この状況が改善しなければ、各国からの削減圧力が急速に強まる恐れがある」とイザディ氏は見る。

どうする発電部門のCO2排出

 最大の課題は、日本の発電部門におけるCO2の削減だ。

 国際エネルギー機関(IEA)の資料によれば、日本のCO2排出で発電部門の占める割合は49%と全体の約半分を占め、その量は1990年から2014年にかけて4割以上も増加したという。

CO2排出量の部門別推移。黄色が発電部門。
出所:国際エネルギー機関(IEA)

 2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故をきっかっけに、各地の原発が稼働を停止し、石炭火力発電で電力需要を賄う事態が生じた。石炭は資源価格が比較的安定しているため、安価かつ安定的に大量の電力を供給できるからだ。ただCO2の排出量が天然ガスなどに比べ相対的に多いというデメリットも抱える。この影響で、2014年のCO2排出量は2010年に比べ1割ほど増えた。それでも安定した電源という位置づけは変わらず、100万キロワット級の石炭火力発電所の新増設計画も相次ぐ見通しだ。

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「トランプ旋風に隠れた日本の根深い炭素リスク」の著者

飯山 辰之介

飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

2008年に日経BP社に入社。日経ビジネス編集部で製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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