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この復活株価は歪んでいないか

2016年12月27日(火)

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 「申酉(さるとり)騒ぐ」の相場格言通り派手な動きとなった2016年・申年の株式市場。1月4日、日経平均・1万8451円で始まった市場は6月24日には1万4952円まで下落したが、11月8日の米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選すると、トレンドは上昇に傾き、12月22日には1万9428円に戻した。2万円も目の前で、トランプ相場が始まった当初、「2017年半ばにも2万円」(大手証券会社のストラテジスト)としていた予想を遙かに早く達成しそうな雰囲気になってきた。

 だが、この株価上昇は本当に慶賀すべきものなのか。背景を眺めてみると、そこに懸念も浮かぶ。

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

トランプ相場ではなく、債券バブルの崩壊

 足元に限ってみれば、株価上昇のきっかけがトランプ当選であることは言うまでもない。トランプ氏が選挙中に掲げた①10年間で1兆ドル(約117兆円)規模のインフラ投資、②法人税の最高税率を35%から15%に引き下げ、所得税も同39.6%から33%に減税する――といった大規模な財政政策が景気を押し上げると期待されたためだ。

 米経済は今、唯一の世界景気の機関車であり、その加熱は世界の株高を演出する。米景気上昇期待はドル高にもつながり、日本には円安ももたらして日経平均をさらに押し上げたという格好だ。

 しかし、さらに底流へ目を凝らしてみると、別の動きが浮かぶ。「長く続いた債券バブルの崩壊」(日本株ヘッジファンド、ベイビュー・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、佐久間康郎・執行役員)である。2008年秋のリーマンショックで景気が急落すると、日米欧中は財政出動や利下げなどの金融緩和に打って出た。日本の本格的金融緩和は遅れたが、2013年春の黒田バズーカを号砲に、これまでにない量的質的緩和に踏み込んだ。

 金利低下は債券価格の上昇であり、投資マネーはそのトレンドを目指して蕩々と流れ込んだ。ところが、その金利低下もここ2、3年、徐々に限界に近づいてきた。株価の変動幅が小さい銘柄に投資する最小分散型投資などが、市場の流行となったのはその1つの現れである。「金利低下が進みすぎ、儲けられなくなった債券投資資金の一部が、債券代替(債券に似た安定性のある)投資を目指して『最小分散型』に向かった」(佐久間氏)のである。

 金融緩和→債券市場へ一段と資金流入→金利低下進行→債券代替投資という流れだ。トランプ当選以後の株価上昇は、世界で既に限界まで来ていた金利低下に耐えられなくなった債券マネーが、いよいよ本格的的に株式市場に流れ込み始めたというわけだ。

 俯瞰して捉えれば、中央銀行の緩和政策の咎めとも言えそうだが、日本についてみれば、日銀の金融緩和がもたらす株価の歪みはさらに広がっているように思える。

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「この復活株価は歪んでいないか」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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