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豪雨災害から我々は何を学ぶべきか

事業継続計画とボランティア支援計画策定のススメ

2018年8月9日(木)

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西日本を襲った記録的豪雨で被災した岡山県の民家を掃除するボランティア(写真:UPI/アフロ)

 西日本を襲った平成最大の豪雨災害でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 自分が何か役立つのであれば、日本に一時帰国してボランティアをすることを考えたが、今回は多くのボランティアが現地に駆けつけている様子。私は予定通り、アフリカのモザンビークへの出張を優先することにした。

 日本から遠くアフリカ南部に位置するこの国にも、2000年に集中豪雨と洪水が襲い、700人以上が犠牲になり、40万人以上が家を失い、被災した。

 10年以上の内戦が終わったばかりのこの国に、私は1990年代に3度ほど訪れたことがあるが、インフラは未整備または破壊され、病院は溢れんばかりの患者でごった返していた。

 2000年の集中豪雨も、その被害に加え、その後に被災者に食糧を含めた救援物資が届かず、劣悪な環境下での病気の蔓延、死亡の増加が問題になった。

 私はこれまで、世界の様々な地域で水害の調査や緊急支援に関わってきたが、そこで共通に感じたことがある。

 それは、地震に比べて「予測しやすい」「想定しやすい」災害と言われながら、被災者の立場からは「どうリスクを回避したらよいかわからない」災害でもあったということである。

 たとえば、今回の西日本の豪雨災害でも、土砂災害で被災した地域の多くがハザードマップの危険箇所で、国土地理院の「治水地形分類図」などの情報も加えれば、この豪雨による浸水の危険度などはある程度予測がついたという人もいる。

 もちろん、これまでの記録を塗り替える降雨量で、堤防が決壊・氾濫することは「予測できなかった」「想定外だった」という地域があったのも事実のようである。

 私が訪れた国で最も水害が頻発してきたのはバングラデシュ。この国はガンジス河、ブラマプトラ河、メグナ河の三大河川の下流に位置し、国土の半分は標高7m 以下の低地にある。熱帯モンスーン気候で、巨大サイクロンの通り道でもあるため、災害規模は大きく、過去に10万人以上が死亡した水害が2回も起こっている。

 この国には最近までハザードマップが作られていなかったが、それでも住民は経験上、どの地域が浸水するか、危険があるかはわかっていた。大雨や大規模なサイクロンの到来にあたって、避難を喚起する方法が以前はあまりなかったが、最近ではサイレンや住民参加による様々な方法で警報を発信し避難喚起がなされるようになった。

 それでも問題は、危険はわかっていても、それをどう避ければよいのかわからないことである。

 最近では日本の援助によるサイクロン・シェルターも建設されてきたが、逃げ場のない村も未だに多い。どの時期に、どこに、どのように逃げたらいいのか、全くわからない住民がとても多いのである。

コメント4件コメント/レビュー

國井先生の記事を久しぶりに拝見。さすがのご提言と思う。大規模災害は基本的に防ぐことができないものと達観して、起きた場合の被害を最小に留めること、復旧をできるだけ早くすること、ただし、災害の性格によっては、完全な復旧はできないから、災害の復旧過程を通じて、新たな抗災害対策を打てるようにすることが、大事だと考える。また、大規模災害時に各自治体から救援チームが派遣されているが、指揮系統が整備されていない自治体も多いと聞く(数年前に、さる県の関係者から聞いた話では、熊本震災の救援の時点では、上の県を含め、数自治体であり、それらは東日本大震災の教訓を適正に活かせたからとの話だったが、それができたところが少なかったということに驚く)。大災害対策に関して、混乱があるのは、国レベルにも混乱があるのではないか、とすれば、これこそが問題の本質かもしれない。近年の大災害の際の対応について、詳細な(海外の視点も取り入れた)検証が必要ではないだろうか。(2018/08/09 15:21)

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「豪雨災害から我々は何を学ぶべきか」の著者

國井 修

國井 修(くにい・おさむ)

「グローバルファンド」戦略・投資・効果局長

国際緊急援助NGO副代表として、ソマリア、カンボジアなどの緊急医療援助に従事。国立国際医療センター、外務省、UNICEFニューヨーク本部、同ミャンマー事務所、同ソマリア支援センターなどを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

國井先生の記事を久しぶりに拝見。さすがのご提言と思う。大規模災害は基本的に防ぐことができないものと達観して、起きた場合の被害を最小に留めること、復旧をできるだけ早くすること、ただし、災害の性格によっては、完全な復旧はできないから、災害の復旧過程を通じて、新たな抗災害対策を打てるようにすることが、大事だと考える。また、大規模災害時に各自治体から救援チームが派遣されているが、指揮系統が整備されていない自治体も多いと聞く(数年前に、さる県の関係者から聞いた話では、熊本震災の救援の時点では、上の県を含め、数自治体であり、それらは東日本大震災の教訓を適正に活かせたからとの話だったが、それができたところが少なかったということに驚く)。大災害対策に関して、混乱があるのは、国レベルにも混乱があるのではないか、とすれば、これこそが問題の本質かもしれない。近年の大災害の際の対応について、詳細な(海外の視点も取り入れた)検証が必要ではないだろうか。(2018/08/09 15:21)

広島の新築であろう一戸建てが土砂崩れで全壊した現場を見て思ったのは
広島県民は、マンションが嫌いなのかなあ、ということです。

思い切って、広島県に一戸建て禁止条例を敷いてはいかがでしょうか。
東京都民は一戸建てには固執していません。
マンションならば大規模土砂崩れや洪水があっても、とりあえず5階に逃げればいいのですから。(2018/08/09 12:08)

災害対策は「起こってから」では遅いというのではなく、災害に遭遇しにくい生活を目指すことが最良の災害対策ではないだろうか。もちろんさまざまな対策は必要である。近年の土砂災害、洪水災害等の多くは、ここ数十年のうちに新しく造成された土地で発生したものが多く見うけられる。大昔から大雨などによる災害は発生していたので、これを避けるために危険な場所では生活しないようにしてきた。この大昔からの知識と知恵を、謙虚になって、いまいちど真剣に学ぶことが大切である。土木技術のめざましい発展によって、たしかに安全性は向上している。しかし自然の力には完全に対抗できないのである。(2018/08/09 09:29)

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