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「男性の終焉、女性の台頭」の時代に向けて

アイスランドの男女格差是正の歴史に学ぶ

2018年8月10日(金)

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世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」レポート2017 年版で1位になったアイスランドの氷河湖(写真:著者撮影)

 世界を転々としていると、他の国々と日本との違いを目の当たりにする。特に、最近気になっているのが「男女格差」である。

 1960年代後半にアメリカで沸き起こった女性解放運動、いわゆるウーマン・リブ(Women's Liberation)以来、「男女平等」の概念とその達成への努力は世界で広がっていったが、未だその格差が縮まらない国が多い。

 この男女格差を数値化して毎年世界ランキングを発表しているのが、ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(World Economic Forum、略称 WEF)である。

 その報告書「ジェンダー・ギャップ指数」レポート2017年版によると、日本の「男女格差」は前年よりも3位後退して、世界144カ国中114位。

 先進7カ国中最下位であるだけでなく、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国、さらに、ブルンジ、ナミビア、南アフリカなどアフリカ15カ国よりも下位である。

 ここで指標として使われているのは、経済、教育、健康、政治の4分野。

 特に、「経済活動の参加と機会」(給与、雇用数、管理職や専門職での雇用における男女格差)、「教育」(初等教育や高等・専門教育への就学における男女格差)、「健康と寿命」(出生時の性別比、平均寿命の男女差)、「政治への関与」(議会や閣僚など意思決定機関への参画、過去50年間の国家元首の在任年数における男女差)などがある。

 中でも日本の課題として示されているのは、経済と政治分野での男女格差。

 官民の高位職における女性の比率、女性の専門的・技術的労働者の比率、国会議員における女性比率は他国に比べて特に低く、過去50年間に女性の首相が出ていないことも、順位を下げる要因となっていた。

 この世界ランキングの第1位は、なんと9年連続でアイスランド。FIFAワールドカップに出場した中で最も人口の少ない国で、なんと35万人。私の出身県、栃木の県庁所在地、宇都宮市(51万人)よりもずっと少ない。

 最近の2018FIFAワールドカップではメッシ率いるアルゼンチン代表と引き分けて大フィーバーしたというが、その試合のアイスランド国内での視聴率は99.6%。その高視聴率よりも、「残りの0.4%はどこにいたんだ?」との話で盛り上がり、FIFA会場の「ピッチにいたんだよ」との自虐的なギャグに笑いがとれるほど、小さく、素朴で、牧歌的な国なのである。

 この国では、2009年から2013年にかけてヨハンナ・シグルザルドッティルが女性初の首相を務めた。女性議員は2017年6月時点でなんと48%を占め、大学卒業生の66%は女性、80%以上の女性が就業している。

 これらの数字を見るだけでも、アイスランドの男女格差がいかに少ないか、いや、むしろ女性がいかに活躍、社会進出しているかが見て取れる。
私もこの国を旅したことがある。

 火星にでも来たのかと錯覚させる広大な溶岩台地、ターコイズブルーの氷塊が自然の宝石のように輝きわたる氷河湖、大迫力で吹き上がる「自然のアトラクション」大間欠泉など、まさに息を飲む大自然を抱える国である。

 そこで感じたのは、男尊女卑の女性蔑視もなければ、逆に女性を特別視するレディーファーストの風習もなく、男性と女性が同等に働き、家事や子育てに男性が参加するのは当たり前という社会風潮である。

 しかし、現地の人によくよく聞いてみると、そんな男女平等も昔から存在していたわけではないらしい。

コメント26件コメント/レビュー

日本が遅れているのはもう十分すぎるほどわかったから、どうすればいいのか具体的に示してほしい。日本でのネックは出産・育児時期の女性が長期的に仕事から離れることにより、経験や実績が積めない期間ができる=ハンディとなり男性優位となっているんだとしたら、進んでいる国はどうなっているのか。出産はさすがに仕事休まないとだと思うけど、どのくらい休むのが普通?そのあとは、漏れなく元の職場に復帰しているのか?育児時期の子供はどうしているのか?男性の育児参加って具体的にどんな感じで女性とバランスとっているのか?男性の育休の取得率は?
最終的には、国としてどの程度達成させたいのかが今の結果なんじゃないかと思う。女性の休日などいい例だが、ある程度、強制力をもったものが示されないと、現状を変えるのは難しい。結局のところ、今の日本にそれがないということは、なんだかんだ現状維持が女性の意思なんだと思う。保育園・幼稚園などの充実は叫ばれるが、男性の育休をという女性の声は全く聞かない。男性の育児参加は望まれていないんじゃないかとすら思う。(2018/10/02 12:19)

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「「男性の終焉、女性の台頭」の時代に向けて 」の著者

國井 修

國井 修(くにい・おさむ)

「グローバルファンド」戦略・投資・効果局長

国際緊急援助NGO副代表として、ソマリア、カンボジアなどの緊急医療援助に従事。国立国際医療センター、外務省、UNICEFニューヨーク本部、同ミャンマー事務所、同ソマリア支援センターなどを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本が遅れているのはもう十分すぎるほどわかったから、どうすればいいのか具体的に示してほしい。日本でのネックは出産・育児時期の女性が長期的に仕事から離れることにより、経験や実績が積めない期間ができる=ハンディとなり男性優位となっているんだとしたら、進んでいる国はどうなっているのか。出産はさすがに仕事休まないとだと思うけど、どのくらい休むのが普通?そのあとは、漏れなく元の職場に復帰しているのか?育児時期の子供はどうしているのか?男性の育児参加って具体的にどんな感じで女性とバランスとっているのか?男性の育休の取得率は?
最終的には、国としてどの程度達成させたいのかが今の結果なんじゃないかと思う。女性の休日などいい例だが、ある程度、強制力をもったものが示されないと、現状を変えるのは難しい。結局のところ、今の日本にそれがないということは、なんだかんだ現状維持が女性の意思なんだと思う。保育園・幼稚園などの充実は叫ばれるが、男性の育休をという女性の声は全く聞かない。男性の育児参加は望まれていないんじゃないかとすら思う。(2018/10/02 12:19)

>女性を応援してるわけでは全然ないの明らかなのに、それに気付かずスネる男性の多さには、苦笑いしか出てきません

「男性だって女性と同じように『弱い』んだよ」と弱音を吐くと「スネている」とこうやって苦笑までされる社会なんですから、生き辛い男性の自殺者が多くなるのも当然ですね。
「男性はこうあるべき」は「女性はこうあるべき」とコインの表裏です。多様性を無視したステレオタイプな態度は男女どちらも不幸にします。(2018/08/17 09:35)

>同じ質問をしたのが、おとなの女性と10歳の男の子で
>「強い方」に気概が要求されるのは当たり前。

小学4年生の男子と成人女子を較べる意味が分からない。
(ひょっとしてこの方は「男子」「女子」を「未成年者」と勘違いしている?)

男子だから「強い」とか女子だから「弱い」とか(逆に「男子なのに柔和だ」とか「女子なのに豪胆だ」とか)、統計的処理を個人に当て嵌めるのは「ステレオタイプ」「差別」ですから、それを止めましょうと無意識にステレオタイプを当て嵌めている著者に訴えているのがコメント欄に寄せられた意見の主旨だと思いますが。(2018/08/17 09:27)

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保岡 興治 元法相、自民党憲法改正推進本部特別顧問