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2017年のカギを握る米国長期金利と米中関係

ユーフォリアの転換リスク

2017年1月5日(木)

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トランプ氏の対中戦略は2017年の重要なリスク指標の一つだ(写真:AP/アフロ)

 2017年の日本経済や金融市場はどんな展開になるだろうか、と考える時、殆どの人がトランプ次期米大統領の政策の影響を真っ先に思い浮かべるだろう。確かに国内にも安倍政権の安定性や日銀の長期金利コントロール力、賃金上昇の継続性、個人消費の回復力といった気になる要素は多々あるが、アベノミクスという政策支柱を失ったいま、海外情勢が日本を揺さぶる傾向は反転しそうにない。

さらに不確実性の高い「多変量市場」に

 「トランポノミクス」の次には、重要な選挙が相次ぐ欧州の政治リスクが挙げられる。3月にはオランダ総選挙、4~5月にはフランス大統領選挙、9月にはドイツ総選挙が予定されており、イタリアも総選挙前倒しとなる可能性が高い。英国のEU離脱という面倒な話がどう展開するのかも、正直言って読めない。

 新興国に目を向ければ、トランプ氏と「共鳴」しあうプーチン大統領は原油価格安定化という順風を受けてその覇権主義に磨きを掛け、欧州や中東の地政学構造を揺さぶり続けるだろう。反対に米国との対立色を強める中国では資本逃避が止まず、ブラジルやトルコそして南アフリカなどもドル高・金利高の下で資本流出を懸念する日々が続きそうだ。

 中東では、サウジアラビアの域内指導力や王室権威の低下が囁かれており、ロシアとイランの結束にトルコが一枚絡むような展開になれば、中東の秩序変化といった新たな地政学リスクが浮上することも想定される。かくして2017年は、2016年よりもさらに不確実性の高い「多変量市場」になるかもしれない。

 だが11月以降の「トランプ効果」を通じて米国の主要株価指数が連日の最高値更新となったことで、市場ではこうした材料への警戒感が低下傾向にある。減税やインフラ投資そして規制緩和といったトランプ氏の政策に対する期待感は、驚くほど強い。

 米国株にはPER(株価収益率)やCAPE(景気循環調整後のPER)など割高感を示す警戒シグナルが鳴りっ放しだが、この強気ムードは新年に入っても当分継続し、日本株もそのお零れに与る日々が続きそうだ。ウォール街では5~10%程度の株価上昇率が今年のメインシナリオとなっているようだ。

 1年ぶりの利上げを決定したFOMCの声明文に、来年の利上げペース加速を読んだ債券市場では利回り水準調整が起きているが、現時点で株価に与える影響は軽微である。新興国市場からの資金流出も、エコノミストらが懸念するほど深刻な状況ではない。

 さすがにトランプ大統領就任前後には多少の株価下落場面が訪れてもおかしくないが、下値は堅いとの見方が大勢だ。ドル円も同様に、110円程度への下値はあっても100円を割り込むような円高トレンドに転換する可能性は低いだろう。

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「2017年のカギを握る米国長期金利と米中関係」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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