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電力供給の中枢「中央給電指令所」とは?

首都東京の災害時電力はどうなる(前編)

2018年3月26日(月)

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 朝起きて台所の明かりをつけ、電気ポットでお湯を沸かしコーヒーを淹れる。テレビのスイッチを入れてニュースを見ながら、トースターの焼いたパンをかじる。何気ない日常だが、電気がなければ成り立たない生活だ。現代人と電気は切っても切れない仲である。と、電気のおかげで便利な生活を送っている我々だが、便利と不便は隣り合わせだ。今、電気の供給がいっさい止まれば人間は文明生活を続けることができるだろうか。今回は発電・給電・送電の要といえる東京電力パワーグリッド「中央給電指令所」を“防災の鬼”渡辺実氏がぶらりする。

今回は東京電⼒パワーグリッドの「中央給電指令所」に潜入

 今回は、1年半前に起こったある事故を起点に首都圏の電力事情を検証する。

 2016年10月12日の午後3時ころ。渡辺氏はマイカーを運転中だった。変哲のない水曜日の午後。空は清々しい秋晴れだった。練馬の自宅に差し掛かったとき、目の前の信号が突然消灯した。

 あらかじめ種明かしをすると、埼玉県の新座市で起こった地下送電ケーブルの火災による大規模停電が原因だった。

内部から膨張し破裂した鋼管(経済産業省 商務流通保安グループ電力安全課の資料より)

テロかと思った

 「東電施設から火災が発生しモウモウと上がる煙の中継映像を車内TVで見たとき、本気でテロかと思った」と渡辺氏は当時を語る。同じ年の4月には熊本県地震が発生している。この時も大規模な停電が発生した。ただ、現在の日本では災害や想定外の荒天でもないかぎり平時に停電することはあまりない。

 目の前ですべての信号が機能を停止させたのだ。渡辺氏がテロだとカン違いするのも無理はなかった。

 「埼玉県新座市の地下送電ケーブル火災は東京都心部で約58万6000軒の大規模停電を引き起こしました。東日本大震災等の影響により劣化の進展が促進された送電ケーブルの絶縁体破裂が火災の原因だったようです。調査の結果、同様の送電ケーブルが管内に総延長で約1000キロ以上あることがわかった。首都直下地震が襲えば、旧式の送電線はひとたまりもない」(渡辺氏)

 現在、東京電力パワーグリッドは火災事故を起こしたものと同タイプの古い送電線を使っている4600カ所以上を総点検し、劣化が進んだ場所に関しては新しいタイプの送電ケーブルに取り替えたり、防災シートで覆うといった工事を急いでいる。当面の計画では東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年3月までに防災対策を完了。2046年3月までに送電ケーブルの取りかえの完了を見込んでいる。

 「地震もない、大雨や雷があったわけでもない、ドカ雪がふって電線が切れたわけでもない。災害が起きていないのに地下に埋設したケーブルが燃えて停電する。首都圏だからこそ、地下ケーブルが集中しており、その分リスクも高いのだけど、やっぱり不安です。首都東京の送電事情はこんなにも脆弱なのかと、改めて思わせられた事故でした」(渡辺氏)

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「電力供給の中枢「中央給電指令所」とは?」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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