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緊急支援にトレーラーハウスが被災地熊本へ!

清水国明氏と探る避難生活を支える新たな取り組み(前編)

2016年6月7日(火)

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森と湖の楽園。入り口でパチリ

 富士山のふもとに「清水国明の森と湖の楽園」を2005年に立ち上げ、アウトドアのテクニックを共に学びながら生きる力を伝え続けているタレントの清水国明氏。4月に発生した熊本地震では、独自のネットワークを駆使して被災地にトレーラーハウスを運び込む活動を開始。その取り組みは行政をも動かし始めている。こうした流れが“防災の鬼”渡辺実氏の心を強くとらえ、今回、インタビューの運びとなった。「アウトドアテクニックは防災の基本。義務教育で教えてもいいくらい」と意気投合する清水氏と渡辺氏。2人が見つめる防災の未来とは。

 2016年4月16日に発生した熊本地震。おびただしい数の家屋が倒壊し、多数の犠牲者と被災者を出した。“防災の鬼”渡辺実氏は言う。「人はある日、突然、被災者になります!」。いかに早く被災者を日常に戻すことができるのか。それが防災の大きな役割の1つでもある。

 ところが渡辺氏はこうも言う。

「この国には、災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法など被災者を支援する法制度があるけど、被災現場で苦しんでいる人にはわかりづらく、手続きが煩雑で、突然被災者になった人々には決して優しい内容になっていない。併せて突然に被災した行政機関も初めて対応する災害対策事務に困惑し、大量に処理しなければならない事案に振り回され、後手後手に回っている。その職員の多くが被災者でもあるんだ。災害のたびに指摘しているけど、今回の熊本地震でも、この根本的な問題が被災者や被災行政を苦しめている。

 防災の世界で活動を始めてかれこれ40年余りになり、国内外の様々な被災現場を見てきてつくづく思うのは、被災者支援の仕組みからこぼれ落ちた方々をどう救っていくかということ。地震や水害、台風などで住む場所を失い、仮設住宅ができるまで避難所での生活は過酷の極み。ここでエコノミークラス症候群や感染症、ストレスなどで苦しむ。仮設住宅ができてもそこから抜け出すのにまた何年もかかる。その間にせっかく災害から生き延びた生命が、災害関連死という最悪の結果を生んでいく。この国は何度も何度もこれを繰り返しているんですよね。もういい加減にこの悪の連鎖を断ち切らなければならない」(渡辺氏)

 そんな“防災の鬼”渡辺氏は、1992年に発生したハリケーン・アンドリューの被害状況を視察するためにアメリカのフロリダ州マイアミを訪れた際、ある光景にド肝を抜かれたという。

「貨物列車やフリーウェイで、ものすごい数のトレーラーハウスを被災地に運び込むんですよ。被災の翌日にはこのオペレーションが始まっていました。本当にすごいスケールとスピードなんです。こうした取り組みが日本でもできないかなぁって、ずっと考えてきました。ところが日本の行政は米国のようなスピーディでダイナミックな動きができない。なかば諦めかけていたところに、今回清水国明さんの活動に触れて、また勇気が湧いてきたわけです」(渡辺氏)

 そうした思いを清水国明氏サイドに伝えたところ、目が回るほど多忙な活動の合間をぬって、今回インタビューが実現した。

コメント3件コメント/レビュー

マスコミは避難の邪魔しないで、こういう情報をもっと流してほしい。(2016/06/07 22:29)

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「緊急支援にトレーラーハウスが被災地熊本へ!」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

マスコミは避難の邪魔しないで、こういう情報をもっと流してほしい。(2016/06/07 22:29)

行政は民間の後からやってくる、と思っています。民間が何かをやって見せて、それを行政が取り入れて形にするんおですが、そもそも民間が何かをやろうとするときに枠をはめて足を引っ張ることも珍しいことではなく。
行政の中に、100人のうちの1人でも、こういうことがわかっている人がいると、まったく動きが違うと言っていた人もいました。何にせよ、最初は民間が持ち出しで(あるいは商売として成り立つように)始めないと、公のことは始まらないように思います。(2016/06/07 10:05)

アメリカ各地には「トレーラー団地」とでも言う様な施設が存在している。電気と水道が供給されていて、トレーラーを引っ張ってくれば直ぐに生活が開始できる。トレーラーハウスを「観光用」ではなく、居住用にしている人が多いのは、建設工事などで仕事が終われば次の工事現場へと容易に移動出来るのと税金なども通常の住宅よりは格段に安い事も原因している。私の友人は米国で私の同僚の後任として着任したが、私が離米後息子の一人がアメリカの大学に留学したのを機に借家を引き払ってトレーラーハウスを購入した。その方が、自分が離米後でも息子が一人で十分に生活し易いからだと聞いた。上に述べた様に、トレーラーハウスはタイヤが付きっぱなしのレジャー用のものを除くと、建設労務者など比較的生活レベルの低い人達の住居として利用されているが、機動性は非常に高い。以前から災害が起こる度に、当然の様の「仮設住宅」の建設が行われ、数年すると分解されることを繰り返しており、『無駄なことをしている』との思いが強かった。居住用トレーラーハウスは日本では殆ど見かけないが、レジャー用(キャンピングトレーラー)は高速を走っていると見かける事がある。被災地近辺のキャンピングトレーラー所有者が一定期間提供すれば素早い対応が可能になる。今回の熊本地震でも問題になったが、土地の確保に時間が掛かり過ぎること。大規模災害発生時は地主の許可がなくても、例えば5年間程度の優先利用を都道府県の判断で出来るように法改正すべきだ。「適当な公有地が近くに無い」から被災者がいつまでも体育館や公民館の「大部屋」で雑魚寝する状況は無くすべきだ。それよりも、何よりも、地震災害に対しては活断層付近での新規建築を禁止するなど、災害リスクの高い土地での居住を極小化する事が、国土有効利用の上で一番大切だと思う。(2016/06/07 09:55)

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