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中国エコカー市場で窮地に立たされる韓国企業

ビジネスチャンスとリスクヘッジをどう捕らえるか?

2017年4月13日(木)

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 本年1月26日のコラム「中国のエコカー政策に翻弄される日韓企業の悩み」において、中国のエコカー政策の概要や、日韓自動車メーカーや電池関連メーカーに与える影響などについて記述した。それからまだ3カ月も経っていないが、この間にもいろいろな面で動きが出てきている。

現代自動車が被る大打撃

 2018年、中国政府はエコカーの生産をライセンスを受けたメーカーだけに許可するという政策を導入する予定だ。ライセンスが供与されるのは20社程度の予定。以下にその概略図(日本経済新聞の記事を元に筆者が追記編集)を掲載するが、既に中国ローカルメーカー8社にはライセンスが供与されている。さらに、最近では中国ローカル企業の4社が追加された模様である。中国政府は公言はしていないものの明らかに外資系企業を締め出すために打ち出した政策で、外資系企業にとっては「2018年問題」と言われるほどに、重要な問題となっている。

 独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)、そして日系大手は中国ローカル企業との合弁で中国事業を展開しており、いずれはライセンスが供与されるのではないかと筆者は考えている。仮に、そこまで排除してしまうと、合弁を組んでいる中国ローカルメーカーの首を絞めることにもなる。それだけではなく、中国の消費者にとっては製品選択枠が限られてしまうし、中国での電動化技術の進化に支障が出るリスクも浮上する。

 そのような中、現代自動車は厳しい状況に置かれている。極論を言えば、ライセンスが供給されるメーカーの中に入り込めない可能性が高いと筆者は見る。

 と言うのも、中国市場における現代自動車の影響度が、急速に薄れているからだ。エコカーどころか、中国市場においてエンジン自動車の販売が激減している。4月4日付けの韓国中央日報によれば、現代自動車の3月の販売は約6万台と、前年同期の10万549台に対し40%ほど減少した。

 このような状況から、24時間稼働していた北京工場の夜間操業を取り止め減産に踏み切ったようだ。販売台数は1月と2月は前年同期比で6%増、13%増とそれぞれ増えているが、3月に入ってからは新規注文が激減しただけにとどまらず、発注キャンセルも続出したとのこと。グループの起亜自動車も同様な影響を受けていると言う。

 この背景にあるのは韓中の政治外交絡みの問題、すなわち地上配備型ミサイル迎撃システム(Terminal High Altitude Area Defense missile:THAAD)にまつわる嫌韓の風潮だ。2月28日に、韓国国防省とロッテグループがTHAAD配備の敷地契約を締結しており、その直後ということで、因果関係が否定されるものではないだろう。

 現代自動車以外でも影響が出ており、中国当局が3月2日付けで韓国観光に関する全面禁止措置を講じたこと、3月3日にロッテマート店舗の営業謹慎措置をとったことなどが、代表的なものとして挙げられる。いずれにしても、韓国の産業ビジネスや観光産業にとって大打撃となっていることに相違はない。

コメント3件コメント/レビュー

韓国企業だけじゃなく日本も…という論説は当てはまりませんね。あくまで中国の脅威はスマホと同じで、猛烈な量産化にによるシェア獲得においてのみであって、中味の部品や素材、工作機械などの技術的な日本の優位性はむしろ高まっているのが現状です。
2000年代初頭にマスコミがさかんに喧伝していた、中韓メーカーに技術分野でも追い抜かれるという予想は見事に外れました。中韓とも安易に新技術は買う事で、それをいかに早く利益に結びつけて儲けるかに終始した結果、いまだに新技術、新フォーマットは日欧米からのみという状況です。ちなみによく言われる中国の特許出願数の多さは、基幹特許から派生する枝葉の特許であり技術力の本質を図る事はできません。
電気自動車分野では、ドイツにも小型メーターや電池の技術の蓄積が無く、中韓のメーカーに依存しなければ成り立たない状況ですが、いかんせんテスラが当初韓国メーカーの電池を採用しながら、結果的にパナソニックとの協業に方向変換したのも、ひとえに品質の問題からです。自動車の場合はスマホ以上にシビアな品質を求められる中で、まだまだ中韓のメーカーがそこまでに至ってないのが現実であり、難しさじゃないでしょうか(2017/04/13 15:06)

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「中国エコカー市場で窮地に立たされる韓国企業」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

韓国企業だけじゃなく日本も…という論説は当てはまりませんね。あくまで中国の脅威はスマホと同じで、猛烈な量産化にによるシェア獲得においてのみであって、中味の部品や素材、工作機械などの技術的な日本の優位性はむしろ高まっているのが現状です。
2000年代初頭にマスコミがさかんに喧伝していた、中韓メーカーに技術分野でも追い抜かれるという予想は見事に外れました。中韓とも安易に新技術は買う事で、それをいかに早く利益に結びつけて儲けるかに終始した結果、いまだに新技術、新フォーマットは日欧米からのみという状況です。ちなみによく言われる中国の特許出願数の多さは、基幹特許から派生する枝葉の特許であり技術力の本質を図る事はできません。
電気自動車分野では、ドイツにも小型メーターや電池の技術の蓄積が無く、中韓のメーカーに依存しなければ成り立たない状況ですが、いかんせんテスラが当初韓国メーカーの電池を採用しながら、結果的にパナソニックとの協業に方向変換したのも、ひとえに品質の問題からです。自動車の場合はスマホ以上にシビアな品質を求められる中で、まだまだ中韓のメーカーがそこまでに至ってないのが現実であり、難しさじゃないでしょうか(2017/04/13 15:06)

窮地に立たされるのは日本企業も同じ。中国企業の課題は特許。今は中国国内だけのビジネスだから問題ないが、仮に2020年代に欧米、日本市場に中国製エコカーやバッテリを輸出しようとしても、特許の壁を越えなくてはならない。それ以降であれば、特許の壁は消滅するので2030年代以降は中国車のシェアが急速に拡大するだろう。これが信じられないという人はちゃんと現実を見たほうが良い。(2017/04/13 11:38)

この調子で日本もいずれ中国に締め上げられる可能性大ですね.(2017/04/13 10:14)

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