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先行企業に神戸製鋼不正問題の防止策を学ぶ

サムスンだったら即刻厳罰が下される

2017年10月26日(木)

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神戸製鋼のデータ改ざん問題は、様々な業界に影響が及んでいる(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 10月12日の当コラムに、神戸製鋼のデータ改ざん問題に関する「相次ぐ法令遵守違反、未然に防ぐ3つの要件」を執筆した。コラム執筆後にも、新たな事実が次々に報道されていることに、筆者も驚きを隠せない。

 前回のコラムにも、さまざまな反響があり、ほかのメディアからの注目度も高かったようだ。テレビ朝日は10月から東山紀之氏がキャスターを務める新番組「サンデーLIVE!」をスタートさせたが、15日の同番組に筆者は生出演を要請された。時間帯としては7時20分からの約20分のコマで、これは「東山勉強会」として、ゲストコメンテーターを招いての報道である。

 再発防止策の1つとして、部材供給会社と調達会社との間に交わされる契約書の中に、不正が生じた場合にはペナルティを科すような内容を明記するなどの対応案を番組では述べた。それ以前に、経営層から一般社員に至るまで、このような不正問題が起きた場合には、企業経営に甚大な被害が及ぶことを十分に認識する、教育の棚卸しの必要性についても説明した。

不信感を招いた後手発言

 10月8日、神戸製鋼は納入顧客先が200社だったと発表していたが、13日には急に500社に膨れあがり、米ボーイングや米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーターなども含まれていることが判明した。可能性のある顧客数を把握していないまま200社と明言してしまったことになるが、まず、これで会社側の発言に対する信頼性が揺らいだと思う。

 信頼を揺るがしたもう1つは、発表当初には鉄製品は対象外で、アルミ・銅製品が対象と報道されていたことだ。14日の時点で、今度は一転して鉄製品も含まれるとのことが報道された。十分な確認をしないまま、鉄製品は対象外と公言したことも心証を悪くした。

 しかも、グループ9社のうち、4社が取締役会で把握していながら公表していなかったということから、都合の悪い事実に関しては報告しないという暗黙のルールがあったようだ。これでは会社ぐるみ、組織ぐるみの隠ぺいと言われても仕方がない問題である。

 自動車産業や航空機産業、そして日立製作所が英国に配備した高速鉄道にも問題の部品が供給されていたことが明らかになったから事は重大だ。すなわち、人命に関わる製品に神戸製鋼の部材が、データ改ざんされた形で供給されていたということだ。結果として、国内外のグローバル顧客メーカーの製品信頼性にも悪影響を与える結果になっている。

 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車等の自動車各社で、三菱航空機やボーイングなどの航空機各社で、さらに鉄道車両などで、安全性に関わる欠陥や不具合が発見されれば、当然、リコール措置がとられることになる。現在、調達顧客側での入念な確認が必要とされており、自動車のユーザーをはじめとする最終顧客に対しての説明責任が問われている。

コメント3件コメント/レビュー

結局は、「不正問題」だけではない、文化の問題なんだと思います。法律や規則といった外部の基準よりは、周りの人を基準とする、という日本文化の特性に根ざしている。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というやつです。

周りのひとが赤信号を渡っても、自分はそれは良くないと思うから渡らない、という行動様式を子供の頃から叩き込む . . . という具合にはならないもんでしょうか。(でも、弊害もあるかも知れませんね。)(2017/10/26 13:36)

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「先行企業に神戸製鋼不正問題の防止策を学ぶ」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

結局は、「不正問題」だけではない、文化の問題なんだと思います。法律や規則といった外部の基準よりは、周りの人を基準とする、という日本文化の特性に根ざしている。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というやつです。

周りのひとが赤信号を渡っても、自分はそれは良くないと思うから渡らない、という行動様式を子供の頃から叩き込む . . . という具合にはならないもんでしょうか。(でも、弊害もあるかも知れませんね。)(2017/10/26 13:36)

恐らく,遵法あるいは倫理 という言葉は,日本ではそれほど重みを持たないのであろう.
赤信号 みんなで渡れば怖くない,の言葉や,道路の速度制限をほとんど誰も守らない,などはその典型的な例であろう.

速度制限,といえば,高速道路などで雨,風などの異常気象の時に,80km/h,50km/hなどと表示されても,守っている人を見たことがない.仮にそのような状況で50km/hで走ろうモノなら,邪魔者扱いで,嫌がらせ(クラクションをならされたり,幅寄せされたり)までされる.

そのような国(文化)の中で,今回のような不正問題はおこるのではないか,と想像する.


例えば,小さなのことでもルールを破ることになんの躊躇もしなければ,大きなことでルールを破ることに躊躇しないようになるのは容易に想像できる.そういう文化的背景がある限り,日本の社会,会社の不正は無くならないのではないか.

なぜなら,たった今でも,高速道路の速度制限を守って走っている商用トラック,乗用バスはどれぐらいあるだろう.それらは全て違法であり,不正であり,コンプライアンス違反であること,を意識しているか???(2017/10/26 11:46)

誰もが同じように神戸製鋼を非難し、防止策の徹底が必要だ、と判で押したように同じ話ばかりでいささか辟易としています。
単に「防止策」と他人事のように書かれていますが、具体的にどうすればいいと思われるのでしょうか。

私はデータを改ざんせざるを得なかった事情があるおもいます。
私は鉄鋼・金属の業界のことはよく知りませんが、私のよく知っている業界では、客先や市場から要求が大変厳しく、量産プロセスではほとんど実現不可能であるような要求事項が散見されます。
馬鹿正直に、できません、と言ったとたんに、仕事はライバル会社のところです。そのライバル会社だって魔法でも使わない限りできるはずないのに、それでもでも受注するのです。
あるいは、本当に魔法使いを雇っているのかもしれません。

本当にその要求仕様は必要なのかという点でいえば、神戸製鋼のことにしても、納入先からのコメントは「問題が無いことを確認した」とそればかりです。だったら、最初からそのゆるい仕様で発注すればいいのです。
もちろんその場合は神戸製鋼が受注できたとは限らないですが。

実現不可能なことをできるといわざるを得ない事情があるとすれば、「防止策」など何の意味もありません。また別の方法でごまかしをする方法を探すだけです。あるいは会社をたたんでしまうかです。
私の意見では、これは単なる一企業のモラルの話ではないです。産業界全体の構造的な問題がここに隠されていると思います。

それが当たっているにしろいないにしろ、とにかく何か違う視点からこの事件を書いてくれるコラムニストはいないのでしょうか。(2017/10/26 02:53)

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