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米国はドル相場をどうしたいのか?

ムニューシン発言などから読み解く

2018年2月6日(火)

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1月にスイスで開催された世界経済フォーラムのダボス会議で、米国のムニューシン財務長官は短期的なドル安を歓迎する姿勢を示した。(写真:AP/アフロ)

1年前のムニューシン氏「強いドルは長期的に重要だ」

 時計の針を1年ほど前にさかのぼらせてみよう。

 トランプ政権の財務長官に指名された投資銀行家・映画プロデューサーのスティーブン・ムニューシン氏は政権発足前日の2017年1月19日、上院で指名承認公聴会に出席。「強いドルは長期的に重要だ」「ドルは最も魅力的な通貨であり、海外から米国に投資を呼び込んでいる」と述べた。

 「強いドル政策(strong dollar policy)」とは、クリントン政権のロバート・ルービン氏以降の米国の歴代財務長官が継承してきた、米国の為替政策のいわば「看板」である。トランプ政権も「強いドル政策」を継承する方針であることをムニューシン氏はとりあえず示したと受け止めた市場関係者が多かった。

 この政策の狙いは、①基軸通貨であるドルの信認を維持する、②そのことによって恒常的に経常収支が赤字である米国への安定的な投資マネーの流入を確保する、以上2点にあると整理できる。ドルの価値が高いことイコール米国の国力の象徴だと安易に考えてドル高に誘導するような、意図的・能動的な政策方針ではまったくない。

ドル高を放置し「双子の赤字」に苦しんだレーガン政権

 むしろ、1980年代に当時のレーガン政権がドル高を放置した結果、貿易赤字と財政赤字の「双子の赤字」に苦しんだあたりから、貿易収支を悪化させてしまうというドル高のネガティブな面が市場の内外で強く意識されるようになっている。言うまでもないが、80年代よりも現在の方が、経済のグローバル化は進行しており、為替相場が各国の景気・企業業績・物価に及ぼす影響はそれだけ大きなものになっている。ドル相場の上昇が行き過ぎれば、輸出減少・輸入増加を通じて、貿易収支の赤字幅が拡大する。「レーガノミクス」の失敗をトランプ政権が繰り返さないためには、ドル高が行き過ぎることのないよう、うまくマネージしていく必要があるとも言える。

コメント6件コメント/レビュー

同じ米国のトランプ政権にいながらダボス会議で真逆なことを言った、トランプ大統領とムニューシン財務長官のことが気になっていました。おそらく、両者の発言は補い合う部分があるのでしょうね。上野さんの記事を読んでそう思いました。ムニューシン氏が「ドル安が良い」と言ったことに対して市場が敏感に反応したので、トランプ大統領は「強いドルが望ましい」と微妙にバランスを取ったわけですよね。今年秋の中間選挙を見すえた短期的な米政府の「本音」は、どちらかというと、企業業績や株価の上昇につながるムニューシン氏の「ドル安」だったかもしれないですけれども。ただ…しかし、です。その後、米国株の大暴落や世界株安が起こってしまったので、ダボスでの両者の発言などもはや、誰も覚えてないですね…きっと。経済の世界の変化のスピードは速い。(2018/02/08 00:51)

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「米国はドル相場をどうしたいのか?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

同じ米国のトランプ政権にいながらダボス会議で真逆なことを言った、トランプ大統領とムニューシン財務長官のことが気になっていました。おそらく、両者の発言は補い合う部分があるのでしょうね。上野さんの記事を読んでそう思いました。ムニューシン氏が「ドル安が良い」と言ったことに対して市場が敏感に反応したので、トランプ大統領は「強いドルが望ましい」と微妙にバランスを取ったわけですよね。今年秋の中間選挙を見すえた短期的な米政府の「本音」は、どちらかというと、企業業績や株価の上昇につながるムニューシン氏の「ドル安」だったかもしれないですけれども。ただ…しかし、です。その後、米国株の大暴落や世界株安が起こってしまったので、ダボスでの両者の発言などもはや、誰も覚えてないですね…きっと。経済の世界の変化のスピードは速い。(2018/02/08 00:51)

経済成長の王道は、産業の高付加価値化による競争力強化であり、これが叶えば、通貨は自然に高くなる。強いドルは目標ではなく、成長の副産物と考えるべきである。
通貨安は、バーゲンセールの一種に近い。これにより自国生産分の付加価値は相対的に小さくなるが、価格引き下げを通じた売上増加を図ることができる。経済成長にさほど貢献することはないが、企業収益増加にはよく効く。
米国は、産業競争力強化を通じたドル高実現を望んでいるのであろうが、短期的にはドル安志向と見ている。ドルはトランプ勝利直後に急騰しており、ムニューシンの発言は本音を垣間見せたものであろう。
欧州中央銀行だけでなく、日本銀行による実質的緩和縮小の効果、取りわけ米国インフレ期待高揚などにより、トランプ就任以降、米国政策金利引き上げにもかかわらずドル安傾向を示している。今後政策金利引き上げが続くとしても、この勢いは暫く止まらないと思っている。
ドル安傾向において、日銀がいかに振る舞おうとも円安は常に相殺される。先日の指値オペも一時の効果であった。黒田総裁の神通力もほぼ失われたと見るべき。(2018/02/07 08:46)

このコメントを、前回のコラムで述べて戴きたかった。上野ストラジストの見方は妥当だと推測します。それより仮想通貨に関する上野さんの投資ストラジストとしてのコメントが欲しい。仮想通貨には、購入とマイニングとサポートという3つの所有の仕方があることが判った。マイニングはねずみ講の仲間を増やすか紹介し連れ込むことらしい。(間違っていたらごめんなさい。)サポートは仮想通貨が市場でどういう風に流れているかデータ保存と監視?らしきことをすることで、仮想通貨の一部を発行元から分けてもらえるらしい。世界中でこのサポート員:何万人(台?)かのサーバー・PCが常時稼働している。問題なのはこの稼働費用(設備代、電気代、ウィルス対策代、機器増設(主にメモリ・ディスクなど)、ビルや家賃、他諸経費)が、今のところ個人の協力の範囲(遊休か余っているPC・サーバー)で済んでいるが、追跡データが幾何級数的に増える(ユーザーの増大で)ので大きな負担となる。常時稼働しているので、ハッカーは常に接続ON・トライが出来る。さあ、どうなります。銀行やグーグルやアマゾンのようなサーバー管理が早晩必要になる。使用が増えれば多分破綻するのは時間の問題。⇒大衆化の段階でIT版ねずみ講と推察。(2018/02/06 12:27)

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末吉 竹二郎 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問