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「円高阻止」日本は何ができるのか?

慢心・油断から米国株急落後に浮上した課題

2018年2月27日(火)

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為替相場は当面、円高ドル安基調で推移するか?(画像:PIXTA)

株価急落前、投資家たちはあまりに無防備だった

 年明け後1月末ごろまで米国株は堅調に推移し、ニューヨークダウ工業株30種平均など主要指数は史上最高値を次々と塗り替えた。おそらく3月あたり、遅くとも年央までに長短金利逆転という景気後退のシグナルが灯ることなど何らかのきっかけで米国株は急落し、新任のパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長はその危機管理の巧拙を試されるだろうと昨年末から予想していた筆者も、「カネあまり」を足場にした株価上昇のあまりの勢いの強さには、さすがに目を見張った。

 だが、そうした中で筆者が非常に気になっていたのは、1月10日の米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が1面の下方に掲載した記事、「投資家は株価下落に備えた盾を放棄(Investors Drop Shields Against Stock Downturns)」だった。それによると、株価の上昇が長く続いておりボラティリティー(相場変動率)が記録的な低水準にある中、代金を支払ってプットオプション(ある価格水準で売る権利)を手にするなど、株価の下落に備えたヘッジを行うのは金銭の浪費だと多くの投資家は判断するようになった。

 WSJのデータによると、主要株価指数の1つであり、年金基金などが運用のベンチマークに用いることが多いS&P500種株価指数は、記事の時点まで386営業日にわたって5%以上の下落が見られておらず、これは1996年以来の記録だという。しかし、より多くの投資家が防衛的なポジションを作らなくなることの累積効果それ自体がボラティリティーの源になるのを市場関係者の一部は心配していると、同紙は抜かりなく書いた。なぜなら、先物やオプションなどでヘッジがかけられていない「丸裸」の状態だと、予期せぬ株価下落に直面した投資家の多くがあわてて一斉にポジションの解消や損失確定を急ぐことになってしまい、下落に拍車がかかりかねないからである。2月に実際に起こったのは、まさにそういうことだった。

今の日本株には、強みと弱みが1つずつある

 ニューヨークダウの年初来ザラ場高値は2万6616.71ドル(1月26日)で、安値は2万3360.29ドル(2月9日)。ピークからの下落率は12.2%。そして、米国発の株価下落が波及した日本では、日経平均株価の年初来ザラ場高値が2万4129.34円(1月23日)で、安値が2万950.15円(2月14日)。ピークからの下落率は13.2%。米国と似たような数字だが、今の日本株には米国株と比べた場合、強みと弱みが1つずつあることに留意したい。

コメント4件コメント/レビュー

上野ストラジストの結言『そうした政策が発動される前提条件はドル/円相場の100円割れであり、時期はおそらく来年前半だろうと、筆者は予想している。』というご指摘は、今の感触からは相当確率的に高いと考えておりますが、この間に円安の大きな山があると推測しています。今の国内企業の社内留保が金融界(投資信託等)の駆動力になっている訳ですから、この駆動力を維持するためには、労働者への分配を減らす必要が有るので、かつてのように春闘相場の抑制のために、故意に円高を3月一杯は企業経営側と金融界側は暗黙の了解で105~108円付近を維持すると推測します。これが過ぎれば米国やEUの金利上昇により小宮コメンテーターの指摘のように、115~130円に一端行くと推測しますが。あとは、北朝鮮問題と米国中間選挙と絡めて揺れ動き、来年前半に米国の景気低迷傾向で100円/ドル付近へと推測します。しかし不思議なのは、税関の貿易統計をまとめますと、1950年から2016年までの収支は239兆円の輸出超過でしかありません。国債の1100兆円(実質600兆円)に比べても少ない。この5年で米国ではグーグル・フェイスブックなど総額500兆円規模の新産業が生まれて価値を創造していますが、日本ではこれと言って無い。3000万人の外国人旅行者でも5兆円規模の価値しか持ってこない。それでいてこの円高は???日本が海外資産を持っているとしても、それほど安全でない小国日本に円高を維持する機能が有るのか?となれば世界への資金提供を日銀さんに任せている何かの裏の思惑があるとしか思えない。ということで、2019年前半の100円/ドルも、世界の投資家の眼というか考えが変われば、150円程度に変わるかもしれない。そうなると明らかにエネルギー費や食料費の関係で物価は上がり、日銀さんの出口も見えてくるのではと???だから、貿易統計以外の収支と日本の安全性のレベル、世界の投資家の見方を知りたいですね。日本へは株式投資以外無いようですから。日本の労働システムの関係上、米国のような自由な転職&ベンチャー育成は無理でしょうし、政府の主張のように「安全・親切な旅行先日本」の出口しかないのではと思います。(2018/03/01 12:33)

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「「円高阻止」日本は何ができるのか?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

上野ストラジストの結言『そうした政策が発動される前提条件はドル/円相場の100円割れであり、時期はおそらく来年前半だろうと、筆者は予想している。』というご指摘は、今の感触からは相当確率的に高いと考えておりますが、この間に円安の大きな山があると推測しています。今の国内企業の社内留保が金融界(投資信託等)の駆動力になっている訳ですから、この駆動力を維持するためには、労働者への分配を減らす必要が有るので、かつてのように春闘相場の抑制のために、故意に円高を3月一杯は企業経営側と金融界側は暗黙の了解で105~108円付近を維持すると推測します。これが過ぎれば米国やEUの金利上昇により小宮コメンテーターの指摘のように、115~130円に一端行くと推測しますが。あとは、北朝鮮問題と米国中間選挙と絡めて揺れ動き、来年前半に米国の景気低迷傾向で100円/ドル付近へと推測します。しかし不思議なのは、税関の貿易統計をまとめますと、1950年から2016年までの収支は239兆円の輸出超過でしかありません。国債の1100兆円(実質600兆円)に比べても少ない。この5年で米国ではグーグル・フェイスブックなど総額500兆円規模の新産業が生まれて価値を創造していますが、日本ではこれと言って無い。3000万人の外国人旅行者でも5兆円規模の価値しか持ってこない。それでいてこの円高は???日本が海外資産を持っているとしても、それほど安全でない小国日本に円高を維持する機能が有るのか?となれば世界への資金提供を日銀さんに任せている何かの裏の思惑があるとしか思えない。ということで、2019年前半の100円/ドルも、世界の投資家の眼というか考えが変われば、150円程度に変わるかもしれない。そうなると明らかにエネルギー費や食料費の関係で物価は上がり、日銀さんの出口も見えてくるのではと???だから、貿易統計以外の収支と日本の安全性のレベル、世界の投資家の見方を知りたいですね。日本へは株式投資以外無いようですから。日本の労働システムの関係上、米国のような自由な転職&ベンチャー育成は無理でしょうし、政府の主張のように「安全・親切な旅行先日本」の出口しかないのではと思います。(2018/03/01 12:33)

日銀の資産が増え続けて,GDPに数倍するようになった場合何が起こるのか。知らないだけに心配だ。さらに,ETFが6兆円が60兆円になっていったときにどんな問題が起こるのだろうか。あるいはいっそETFを600兆円買ったらどうなるのか。(そんなにETFがそもそもあるのか?)
日銀がETFを60兆円分保有するようになると何が起こり,それを(売らずに)回避する方策はあるのだろうか。「平成の次の高橋是清」氏はどんな方策(奇策?)を懐に入れているのか知りたいものだ。上野さん教えてください。(2018/02/28 17:07)

日本において量的緩和が物価上昇を引き起すものでないことは、この5年間の実績が証明しているが、政府・日銀は未だこれに執心している。円安誘導効果期待によるものであろうが、現状はドル安であり、日銀はこれに無力である。また、目立ったことをすると、為替操作と非難されかねず、環境は窮屈となっており、ドル安円高傾向は今後とも続くと見ている。
低付加価値・低価格の財・サービス生産を外国に移し、国内労働者を一層の高賃金が期待できる高付加価値産業に移動させることができれば、産業は強くなり、高成長も実現できる。自国通貨高も高付加価値産業特化への梃となる。しかし、日本は、高付加価値化のための設備投資、研究開発などの努力を尽くすより、低付加価値・低生産性企業保護のため、円安志向を強め、低賃金労働拡大に走った。産業競争力弱体化を招き、20年以上に亘る経済停滞を生み出す素となったが、この対策は個別企業の収益改善によく効いた。
円高進行は、競争力に欠ける企業からの円安、内需拡大要望を強くするであろう。政府がこれに応じ、日銀にも応分の役割を求めることは容易に予測できるが、効果は一時である。
今の政府には期待できないが、企業利益拡大ではなく、高賃金・高付加価値産業への転換を実現できるまともな成長戦略を樹立し、実施していくべきである。円高阻止も無意味である。このままでは永遠に停滞を抜け出せない。(2018/02/27 11:20)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官