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設備投資比率が上昇、「景気後退」接近?

物価面では「デフレ脱却宣言」困難

2018年3月20日(火)

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設備投資比率がピークになると景気の山(景気後退局面入り直前の月)が近いという経験則がある。景気後退のシグナルである(写真:gearstd/123RF)

実質GDP、年率1.6%増へ上方修正

 3月8日に発表された昨年10-12月期のGDP2次速報で、実質GDPは前期比+0.4%・同年率+1.6%に上方修正された。プラス成長は8四半期連続で、約28年ぶり。内需の前期比寄与度は+0.4%ポイント。表面的には良好な数字である。

 だが、子細に見ると弱い部分も見受けられた。まず、景気の先行きを危ぶませる数字が1つ出てきた。それは、「設備投資比率」(民間企業設備がGDPに占める比率)が上昇を続けており、実質ベースの数字が16%台に乗せたことである。10-12月期の設備投資比率は、名目で15.9%、実質で16.1%になった<■図1>。

■図1:国内総生産(GDP)に占める民間企業設備の比率(名目・実質)
(出所)内閣府資料より筆者作成

 現行基準でデータを入手できる1994年以降で、実質設備投資比率が16%台に上昇した四半期は、わずか6つしかない。1997年10-12月期、2005年7-9月期、2006年7-9月期~2007年1-3月期、そして今回(2017年10-12月期)である。

設備投資比率がピークになると、景気の山は近い

 これらのうち2005年7-9月期以外の16%台と、景気の「山」(景気拡張局面の最終月)は、タイミングが近い。1997年5月の「山」には2四半期遅行し、2008年2月の「山」には4~6四半期先行した(なお、2000年11月の「山」に対応する実質設備投資比率ピークは2000年10-12月期の15.9%)。

 2008年2月のケースの先行ラグを今回にあてはめると、次の「山」は2018年10-12月期~2019年4-6月期だという話になり、筆者が掲げている「2019年景気後退説」とぴたり符合する。

 むろん、過剰な設備投資に起因する不均衡蓄積がない場合でも、景気は後退することがある(2012年3月の「山」に対応している実質設備投資比率のピークは見当たらない)。

コメント1件コメント/レビュー

設備投資に着目する景気循環は、ジュグラーの波と呼ばれている。07年が前回のピークであった。その後、リーマンショックにより設備投資比率は急降下し、概ね10年後の17年に再度ピークを迎えるというのは、期間的にもこの循環論に沿った見解と思われる。
個人的には、ドル安傾向、不穏な米国通商政策の影響から、企業は国内設備投資を抑制しようとする要因を抱え、景気も今後下り坂となると懸念している一方、現状の設備投資比率がピークであるかを断言するのは時期尚早と考えている。人手不足に伴う省力化投資、政策誘導による研究開発を含む設備投資増大の可能性も否定できないためである。少なくとも18年度前半までの実績は見たいと思っている。
また、近頃の生鮮野菜と原油価格上昇が消費者物価指数を引き上げている要因のほとんどであり、GDPデフレーターもゼロ近辺を彷徨っている。賃金と物価が互いに正の影響を及ぼしあう状況に至っておらず、デフレから脱却したとはとても言えない状況である。所得の海外流出、実質賃金低下などは経済縮小要因である。
いい加減、量的緩和が功を奏さないことを認めるべき。真っ当な経済政策に立ち戻り、円安に頼らず地道に産業競争力を強化方策を模索すべき。(2018/03/20 12:04)

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「設備投資比率が上昇、「景気後退」接近?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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設備投資に着目する景気循環は、ジュグラーの波と呼ばれている。07年が前回のピークであった。その後、リーマンショックにより設備投資比率は急降下し、概ね10年後の17年に再度ピークを迎えるというのは、期間的にもこの循環論に沿った見解と思われる。
個人的には、ドル安傾向、不穏な米国通商政策の影響から、企業は国内設備投資を抑制しようとする要因を抱え、景気も今後下り坂となると懸念している一方、現状の設備投資比率がピークであるかを断言するのは時期尚早と考えている。人手不足に伴う省力化投資、政策誘導による研究開発を含む設備投資増大の可能性も否定できないためである。少なくとも18年度前半までの実績は見たいと思っている。
また、近頃の生鮮野菜と原油価格上昇が消費者物価指数を引き上げている要因のほとんどであり、GDPデフレーターもゼロ近辺を彷徨っている。賃金と物価が互いに正の影響を及ぼしあう状況に至っておらず、デフレから脱却したとはとても言えない状況である。所得の海外流出、実質賃金低下などは経済縮小要因である。
いい加減、量的緩和が功を奏さないことを認めるべき。真っ当な経済政策に立ち戻り、円安に頼らず地道に産業競争力を強化方策を模索すべき。(2018/03/20 12:04)

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