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「人手不足問題」に関する、5つの素朴な疑問

企業は賃金の底上げを実施し、物価は上昇するか?

2017年4月25日(火)

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介護サービス業は今、人手が最も不足している職種だ。(写真:PIXTA)

有効求人倍率は「バブル期」並み水準で高止まり

 2月の完全失業率が2.8%に低下し(1994年6月以来の低水準)、公共職業安定所(ハローワーク)で扱う求職者数および求人数のデータから算出される有効求人倍率は全都道府県で1倍を超えており(受理地別では東京都の2.04倍が最高で沖縄県の1.02倍が最低)、昨年12月から今年2月までは1.43倍で高止まりしている。これは1991年7月以来の水準で、バブル経済のさなかだった1990年7月に記録した1963年以降の最高値(1.46倍)までもう少しという記録的な数字である。ちなみに、「リーマンショック」後の景気の落ち込みの中で記録したボトムは2009年8月の0.42倍だった。

 また、4月3日に発表された日銀の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)3月調査では、全規模合計・全産業の雇用人員判断DI(回答比率「過剰」-「不足」)が1992年2月(▲31)以来の水準である▲25に低下した。

「人手不足」は経済に悪影響をおよぼすか?

 このように雇用需給のタイト化を示す数字が相次いで出てくる状況下、「人手不足」が経済に及ぼす悪影響が議論される機会がこのところ増えている。よく聞かれる主張は、①人手不足がこのまま続くと賃金の底上げで企業は対応せざるを得なくなり、サービス分野を中心に物価上昇率が顕著に押し上げられる、②人手不足によってこの先の日本経済の成長は大きく阻害・抑制されかねない、というものである。

 「硬直的・静態的」な思考展開を行う場合には、これらはきわめて素直な結論だろう。実際、①の関連では金属労協による2017年春闘中間集計(3月末現在)で傘下中小組合へのベア回答額の平均が大手を初めて上回ったり、パート・アルバイトなど非正規社員の賃金が上昇したりする現象が、最近観察されている。

コメント10件コメント/レビュー

人件費の増大による緩やかなインフレは歓迎すべきでは?
物価が上がりかねないから賃金は据え置きね、では労働者を舐めてるとしか思えない。(2017/04/25 20:23)

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「「人手不足問題」に関する、5つの素朴な疑問」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

人件費の増大による緩やかなインフレは歓迎すべきでは?
物価が上がりかねないから賃金は据え置きね、では労働者を舐めてるとしか思えない。(2017/04/25 20:23)

 某宅配業者のことが思い浮かぶが、「配達員が可哀想」キャンペーンが成功したようで、値上げへの非難があまりないようだ。しかし、「仕事が多いから値上げ」は、普通に考えればおかしい。

 人手不足というが、仕事にあぶれている人は、まだまだたくさんいる。結婚と同じで、お互いに高望みし過ぎていて、マッチしないのだろう。

 散文的で申し訳ないが、外国人労働者の件。
 この話をすると、必ず「日本人の仕事を奪われる」という人が現れるが、移民であれば、受け取った給料を日本で消費するので、仕事も増える。国民が増えたのと大差ない。
 むしろ、出稼ぎの方が問題だ。給料の大部分を、国元に送金してしまうからだ。
 出稼ぎを許しておいて移民を受け入れないのは、少なくとも「仕事を奪われる」という点では、さかさまだ(平均賃金に大差があるので単純ではないのだが)。
 本当に人手不足なら、移民を受け入れて国民を増やすチャンスでもある。(2017/04/25 17:24)

記事に有るように人手不足は濃淡が有り、また人手不足による賃金の上昇が消費者にどう影響するかも産業構造や地域によって多様性があるため、一部の人が主張するような経済の拡大と物価上昇が併存するポジティブインフレが起きるという単純な結果にはならないでしょう。
例えば高齢過疎化が進む地方では、賃金上昇を消費者が受け止められずに需要が減りサービスの縮小が進むでしょう。
これは、ファミレスの営業時間短縮や地域医療の崩壊等で現在進行中です。
他の例だと、介護や保育等公的資金を投入している分野は賃金増が保険料アップに繋がり、勤労世帯の所得を押し下げるため、経済の拡大にはならないでしょう。
AIや外国人労働者の影響などはロングスパンの事象なのでどう影響するかは読みにくいですが、結局トータルとしては一人当たりのGDPは伸びる(生産性の低いサービスが成り立たなくなるので)が生産人口が減る事で総GDP(=経済規模)としては横ばい(景気変動により500兆円±50兆円のボックス形成)になるのではと予測します。
後、技術革新でカバーしても、人が必要な生産性は低いがクオリティが高いサービスが地方を中心に成り立たなくなるので、QOLは低下する可能性が高いと見ます。(2017/04/25 14:01)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官