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銀行や信用金庫は「好景気とは無縁?」

貸出運営スタンスは積極化しているが・・・

2018年5月22日(火)

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金融機関の業況にも注目してみよう(写真:=ロイター/アフロ)

 日本の企業向けサーベイの代表格であり、欧米でも“TANKAN”と言えば通じることが多い日銀短観(全国企業短期経済観測調査)には、金融機関の業況判断DI(回答比率「良い」-「悪い」)などのデータも掲載されている。ところが、たとえ「全規模合計・全産業」という最も広いカテゴリーであっても、マスコミが通常報じる普通の業況判断DI には、金融機関は含まれない扱いになっている。

 「全国短観を補完する目的で、金融機関に対しても調査を行っている」というのが日銀の説明である。一般事業法人の景況感や売上・収益・設備投資などの計数から金融政策運営の参考になる経済データを入手しようとしているわけであって、経済において特殊な存在である金融機関(しかもそのうちかなりの数が日銀の当座預金取引先)は、いわば「枠外」という位置付けになっているわけだ。

 とはいえ、戦後2番目の長さになっている現在の景気拡張局面にもかかわらず、経済の「血液」であるマネーの循環をつかさどる金融機関の景況感が、さえないどころか部分的には悪化に向かっているとなると、短期的にも中長期的にも安閑としてはいられない。

7四半期ぶりの低水準

 4月2日に概要が発表された日銀短観3月調査で、金融機関の業況判断DIを確認しておきたい。ここでは「銀行業」と、信用金庫や農協といった「協同組織金融業」(この時の調査から「信用金庫・系統金融機関等」を名称変更)を取り上げたい<図1>。

図1:金融機関の業況判断DI 「銀行業」「協同組織金融業」
注:直近は18年3月調査における6月予測
(出所)日銀

 「銀行業」の業況判断DIは+7(前期比+2 ポイント)。17年6月調査で+3まで低下していたが、そこからは持ち直した。先行き(6月予測)は+5。後述するように利ざやが圧迫され続けているものの、小幅プラスでなんとか必死に持ちこたえている印象である。

 一方、「協同組織金融業」は±0(前期比▲2ポイント)で、7四半期ぶりの低水準になった。先行き(6月予測)は▲3 。先行きがマイナス圏に沈んだのは17年3 月(▲2)以来のことだが、マイナス幅は今回の方が大きい。それより前までさかのぼると、「リーマンショック」が発生して景気が大きく落ち込んだ局面の09年6月に記録した▲17以来の低い数字ということになる。

 メガバンクや大手地銀を含む「銀行業」は、海外関連のビジネスで展開可能な業務範囲が「協同組織金融業」よりも広いため、収益多角化によって国内貸出業務のマージン縮小をカバーできる余地が、相対的には大きい。そのあたりが日銀短観の業況判断DI における足元でのベクトルの違いに反映されていると考えられる。

 1つ前の調査(17年12月)で、「信用金庫・系統金融機関等」(現在の「協同組織金融業」)の業況判断DIの先行き(3月予測)は+2 だったのだが、上記の通り、3月調査の実績では下振れて±0になった。次回6月調査でこのDIがマイナス圏に沈む場合は、09年9月(▲6)以来の実績ベースでのマイナスということになる。重苦しい話である。

 一部には、銀行などの金融機関が企業や個人向けに貸し出しを行う姿勢の過度の慎重さが国内景気の回復の広がりを妨げている原因ではないか、といった見方もある。だが筆者の見るところ、そうしたストーリーは無理筋である。

コメント3件コメント/レビュー

電子マネーやブロックチェーンなどのフィンテック技術へ乗り遅れており、消費者決済や資産運用から除外されつつあるからでしょう。メガバンクはITベンダー丸ごと買収して、半数の行員と置き換えないと、海外勢に美味いところを食い尽くされますよ。(2018/05/22 12:18)

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「銀行や信用金庫は「好景気とは無縁?」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

電子マネーやブロックチェーンなどのフィンテック技術へ乗り遅れており、消費者決済や資産運用から除外されつつあるからでしょう。メガバンクはITベンダー丸ごと買収して、半数の行員と置き換えないと、海外勢に美味いところを食い尽くされますよ。(2018/05/22 12:18)

あまりにも浮き世離れした記事で呆れる内容だ。
金融リテラシーの低い消費者が少なくなってきているのが原因で、消費が伸びずに金融機関が苦戦しているのが現状である。
規制によってキャッシングやフリーローンを制限した事もあるが、消費者は僅かなポイントであっても損得勘定を考えるぐらい価格とコスパ重視になっており、収入が増えるどころか、減る事もあると考えている。
よって、金融機関に関わらず、儲かっている企業は、金融リテラシーの低い人たちを取り込んだ企業となっている現実があるのである。
割賦販売を組み合わせて、高額な商品を安く見せたり、ポイントでお得度をアピールしている戦略は、高学歴の人でも騙されている人は少なくないので、金融機関にもイノベーションが必要である。行き過ぎるとスルガ銀行のようになる可能性もあるので、一概には言えないとは思うが。(2018/05/22 12:18)

そもそも好景気と言うのがまやかしなので銀行がマイナス金利の影響で不景気なのは当然。ここ数年銀行、クレジット会社から毎月のように保険の勧誘が来る。個人にはお金の貸出や金融商品より生命保険で儲けようと言う事だろうか。恐らくそれだけ銀行が追い詰められているのだろう。一部の地銀ではATMの平日利用料金が0円から108円になっている所もある。大手銀行もそのうち利用料で負債を補う動きになるのではないか。(2018/05/22 10:31)

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ジェレミー・ハンター 米国クレアモント大学経営大学院准教授