• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「キャッシュレス化」の限界を考える

現金選好が強いインドは「のど元すぎれば…」

2017年5月30日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

ムンバイの野菜販売店に貼り付けられた「paytm(ペイティーエム)」のボードは、インドのモバイル決済最大手Paytmがサービスを提供する、スマホでの電子決済が可能な店の目印。専用アプリをダウンロードすれば、スマホで手軽に代金を支払うことができる。(写真:ロイター/アフロ)

キャッシュレス化のメリットとデメリット

 日本人の現金選好、米国と比べた「キャッシュレス化」の難しさを、筆者は以前に取り上げた(当コラム5月16日配信「『現金大国ニッポン』を読み解く」ご参照)。この問題について、もう少し考えてみたい。

 2014年秋に刊行された「キャッシュレス革命2020」研究会編著『キャッシュレス革命2020 電子決済がつくり出す新しい社会』(日経BP社)は、「キャッシュレス化の効用」として9項目を列挙している。それらのうちいくつかについて、筆者が考えるデメリットを指摘してみよう<図1>。

図1:「キャッシュレス化の効用」として挙げられた9項目と、筆者が考えるデメリット
「キャッシュレス化の効用」として指摘された点 筆者が考えるデメリット
①迅速性 高速道路におけるETCカード、交通系電子マネー、食品スーパーレジにおけるクレジットカード少額決済(サイン不要)などに代表される、決済の迅速な完了 日本ではクレジットカード決済にサインなどの手間がかかる場合が少なくない。また、誤って決済してしまった場合の取り消し手続きが現金よりも面倒
②経済性 現金授受に関連する各種コストの削減が可能 キャッシュレス決済の端末導入などに経費が必要
③安全性 現金を持ち歩く際に伴う盗難のリスクが大幅に減少 クレジットカードや電子マネーが盗まれた場合、届出・手続きが必要。前者の場合、被害金額がかなり大きくなるリスクも(後者ではチャージ金額以内)
④透明性 透明で正確な取引履歴記録が残るため、普通の人にとっては便利で、現金が持つ不透明性とは正反対 不正取引や脱税・犯罪絡みでなくても、取引履歴を他人には知られたくないケースも存在
⑤情報収集性 取引情報をビッグデータとして販売促進に活用したり、不正使用のチェックに利用したりすることが可能 詳細な取引情報は個人情報でもあるため、消費者の側はそれらが漏えいするリスクをどうしても警戒
⑥機動性 給付用プリペイドカードを用いれば、大災害発生時の支援金を現金や口座振込よりも迅速に支給可能 (特になし)
⑦コントロール性 政府が消費喚起を試みる場合、給付用プリペイドカードを用いれば効率が良い(使い道の制限も可能) 商品券配布の場合と同様、現金での支払いがプリペイドカード払いに振り替わるだけに終わる恐れ
⑧市場創造性 オンラインでのカード決済普及が新たな市場であるインターネットショッピングの創造と成長に貢献 (特になし)
⑨国際性 クレジットカードで海外でもキャッシュレス決済が可能(ドル、ユーロに次ぐ「第3の通貨」的な位置付け) (特になし)
(出所)「キャッシュレス革命2020」研究会編著『キャッシュレス革命2020』(日経BP社)を基に筆者作成。

コメント13件コメント/レビュー

クレジットカードでもデビットカードでもSUICAの様なお財布カードでも良いのですがお店側での導入コストが高すぎるから流行らないのです。決済端末やレジを無料で配布すれば一瞬にして流行ることでしょう。今まではカード手数料で儲け端末販売で儲け小規模店舗と苦しめて来ましたが、例えばAmazonやソフトバンクが大盤振る舞いして独自のカード決済方法を普及させたらどうなるでしょう?負けじと他社も追従するのでは無いでしょうか?儲けるにしてももっと別の角度から切り込んで儲ける手段を考えればかなり変わると思いますよ。SUICAの様にiPhoneやスマホ等のデバイスに認証させる方法を取れば客はカードを持つ必要も無いしそのまま認証機器と決済に使える有り難い存在になるでしょう。リーダーとソフトだけお店に渡せば直ぐに使えるシステムができれば良い話。しかもクレジットの様に1月、2月後にならないと振り込まれない様なシステムでは無くてその日のうちに決済されればお店側も拒否するハードルはかなり下がると言うもの。何処がやり始めるのか?銀行系は腰が重いから期待できない。やはりフットワークの軽いIT系かな。(2017/05/30 17:52)

オススメ情報

「上野泰也のエコノミック・ソナー」のバックナンバー

一覧

「「キャッシュレス化」の限界を考える」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

クレジットカードでもデビットカードでもSUICAの様なお財布カードでも良いのですがお店側での導入コストが高すぎるから流行らないのです。決済端末やレジを無料で配布すれば一瞬にして流行ることでしょう。今まではカード手数料で儲け端末販売で儲け小規模店舗と苦しめて来ましたが、例えばAmazonやソフトバンクが大盤振る舞いして独自のカード決済方法を普及させたらどうなるでしょう?負けじと他社も追従するのでは無いでしょうか?儲けるにしてももっと別の角度から切り込んで儲ける手段を考えればかなり変わると思いますよ。SUICAの様にiPhoneやスマホ等のデバイスに認証させる方法を取れば客はカードを持つ必要も無いしそのまま認証機器と決済に使える有り難い存在になるでしょう。リーダーとソフトだけお店に渡せば直ぐに使えるシステムができれば良い話。しかもクレジットの様に1月、2月後にならないと振り込まれない様なシステムでは無くてその日のうちに決済されればお店側も拒否するハードルはかなり下がると言うもの。何処がやり始めるのか?銀行系は腰が重いから期待できない。やはりフットワークの軽いIT系かな。(2017/05/30 17:52)

現金が好きでキャッシュレス化が進まないのではないと思う。同じように使えるなら現金にこだわる必要が無い。現金を卸す手間も小銭を用意する必要も無くカードの方が便利に決まっている。普及を妨げているのは使いにくさだろう。大手ではカードが使えても、まだ使えない店もあるから現金も持たざるを得ない。高速の通行料金はETCの割引と便利さで機材に費用をかけてでも設置しようと思うが、SAの買い物でも支払出来たり出来なかったりする。行楽でもホテルはカードで良くても、土産物店や駐車場では使えなかったりする。主にカード決済の手数料を嫌う店がカードを受けないのだろう。度々現金が必要なので、常に持ち歩かなければいけない。現金志向と言うより、結局慣れと利便性の問題で、カードも少額でもサインがいる所があるし、使い勝手がもっとよくならないとキャッシュレス化は進まないだろう。スイカやETCなど利便性やお得さを知ったら後戻りしようがない。そこまでカードが万能でも便利でもないだけなのだと思う。後は何となくカードより現金の方が支払がスムーズ(短時間)と誤認している人は多いかもしれない。(2017/05/30 16:04)

ATM維持管理費用の大幅削減とか、
送金が楽で安全とかいったメリットがなく、
古い経済の観点だけで書かれていてつまらない。(2017/05/30 15:15)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官