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ぶつかり合う「価値観」と「日本核武装論」

米朝会談「成功」で日本の安全保障が焦点に

2018年6月26日(火)

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(写真=AP /アフロ)

 カナダ・シャルルボワで6月8~9日に開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、首脳が一堂に会して政治・経済における政策協調をアピールする場という本来の姿から、全くかけ離れたものになった。トランプ米大統領の傍若無人ぶり・品位のなさだけが目立った印象である。トランプ大統領は、当初予定より遅れて会場に着いた後、9日午前には退出して米朝首脳会談の場であるシンガポールに向かった(遅刻したにもかかわらず、早退した)。

 討議の場では、鉄鋼・アルミニウム製品への米国の高関税措置を巡り、激しいやり取りがカナダ・欧州と米国の間で交わされた。仏大統領府によると、トランプ氏の言葉は「長々しい、遠慮のない酷評で、G7としては異例の発言だった」(6月10日 朝日新聞)。

 トランプ大統領はカナダに向かう前、記者団に対し「(サミットに)ロシアを入れるべきだ。なぜロシアなしの会合をやるのか」と発言した。「かねて対ロ関係改善に意欲的なトランプ氏だが、復帰すべき具体的理由は説明していない」(6月9日 時事通信)。ロシアに弱みを握られているのか、トランプ大統領のロシアに対する気の遣い方は奇妙である。イタリアは賛成したが、日本は賛否を明らかにせず、英独仏とカナダは反対した。

 筆者が最も驚かされたのは、シンガポールに向かう機内からだったとみられる、トランプ大統領のツイート内容である。今回のサミットの議長国であるカナダのトルドー首相が記者会見で、鉄鋼などに対する米国の高関税措置を「侮辱的」と非難したことに立腹したようであり、同首相を「誠意のない軟弱者」とこき下ろした上で、「G7首脳宣言を承認しないよう米代表団に指示した」と書き込んだ。筆者はスマートフォンでツイートされる内容をリアルタイムで見ていたのだが、書かれた内容がにわかに信じられず、2度読んでしまった。

 トランプ氏が主役になって前代未聞の展開になった、シャルルボワ・サミット。日本のマスコミ各社も、さまざまな解説や解釈を試みている。

マーケットを「リスクオフ」に傾かせる不確実性

 14年のウクライナ介入をうけてG8サミットからロシアを排除した後、G7サミットは「民主主義や自由貿易という『共通の価値観』を軸に結束し、世界を引っ張る枠組みに立ち返った」はずだったが、「今回、肝心の『共通の価値観』が揺らぎ、G7の先行きはかつてないほど見通せなくなっている」(6月10日 朝日新聞)。

 この解説では触れられていないが、16年の英国民投票におけるEU離脱派勝利(ブレグジット)と米大統領選におけるトランプ候補勝利は、「反グローバル化」の強まりという歴史上の大きな流れを象徴していた。今年はイタリアでポピュリスト・右派連立政権が誕生しており、そうした流れが主要国で継続していることが示されている。

 むろん、伝統的な価値観を重視する国・政治家も負けてはいない。

 「価値観のぶつかり合い」は既存秩序を揺るがし、「不確実性」を高め、マーケットを「リスクオフ」に傾かせる。米国株は大幅下落のリスクを内包しており、米長期金利の上昇余地はそう大きくなく、為替は常に円高リスクがある。

コメント4件コメント/レビュー

米朝首脳会談において、体制保障という文言は英文ではないそうですね。
これ、報道の段階の誤訳だそうです。
安全の保障だそうです、
それと、日本のプルトニウムが六千発分というのは風評だそうです。
https://www.sankei.com/life/news/180627/lif1806270005-n1.html
「核兵器級」のものは、日本とは別タイプの原子炉から
生焼けの燃料を数週間後に取り出すので、
核分裂しやすい種類のプルトニウムに富んでいる。

 同じプルトニウムでも性質は大きく違う。日本のプルトニウムでは、
どんなに頑張っても本格的な原爆は造れない。
・・・だそうです。(2018/06/28 00:13)

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「ぶつかり合う「価値観」と「日本核武装論」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

米朝首脳会談において、体制保障という文言は英文ではないそうですね。
これ、報道の段階の誤訳だそうです。
安全の保障だそうです、
それと、日本のプルトニウムが六千発分というのは風評だそうです。
https://www.sankei.com/life/news/180627/lif1806270005-n1.html
「核兵器級」のものは、日本とは別タイプの原子炉から
生焼けの燃料を数週間後に取り出すので、
核分裂しやすい種類のプルトニウムに富んでいる。

 同じプルトニウムでも性質は大きく違う。日本のプルトニウムでは、
どんなに頑張っても本格的な原爆は造れない。
・・・だそうです。(2018/06/28 00:13)

トランプ大統領の見た目に対する感情的反応はそれ自体嵌められた証である。貿易は単なるツールで、 本質は南シナ海や鉄道、港湾での闇金のようなやり方への有効な対応の為半島をどうすべきかというところにある。隣国が第2の大国になり世界は自国同様になれと主張し、着実に実行している中での行動として、客観的に見れば歴代大統領の中でよく出来た方との評価もあり得る。(2018/06/27 19:01)

安全保障環境が激変するなら、「以前とは全く異なる日本」になって当然でしょう。問題は環境の変化に付いていけるのかどうかでしょうね。(2018/06/27 00:11)

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