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世界を忖度させる中国の「シャープパワー」

わからなくなった日本の立ち位置

2018年7月17日(火)

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孔子学院は世界に広がっている。写真は孔子学院設立10周年記念の2014年9月27日、米サンフランシスコ州立大学孔子学院で、学生たちが漢字を学ぶ様子(写真=新華社/アフロ)

 歴史の大きなうねりの中で、日本が置かれている環境は、日々大きく変わりつつある。

 外交・安全保障面では、核兵器・弾道ミサイルを保有し配備している北朝鮮という国家の存在および主張を、トランプ米大統領が首脳会談の場で事実上認知したことによって、中長期的に日本はどのようなコースを歩むべきか、真剣に議論せざるを得なくなる可能性が格段に増した。

 トランプ大統領はNATO(北大西洋条約機構)に対しても不満の声をあげつつ、NATOの仮想敵国であるロシアとの関係を改善しようとしている。国際秩序の先行き不透明感はこの面でも増している。

 さらに、経済面では、WTO(世界貿易機関)を軸とする貿易自由化・グローバル化という戦後の世界経済の流れ・国際常識に対してトランプ米大統領が公然と反旗を翻している。主要7か国(G7)の結束が崩れたことが、6月開催のシャルルボワ・サミットで露呈した。米国による保護主義的な政策の強引な展開が、世界経済を混乱させて成長率を下押しするリスクが増大している。

米朝首脳会談その後

 ここでは、そうした変革期について考えを巡らせる上で有益な最近のトピックとして、

  1. 金正恩委員長の「思うつぼ」だったことが徐々に浮き彫りになった米朝首脳会談
  2. 中国やロシアの「シャープパワー」

の2つをとりあげたい。

 まず、米国と北朝鮮の政治指導者による史上初の歴史的な顔合わせになった6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談について、あらためて考えてみたい。この首脳会談開催によって、朝鮮半島で近い将来に新たな戦争が起こるリスクが大幅に低下したことは事実であり、そこに意義を見出すことは可能だろう。トランプ大統領にノーベル平和賞を、との声も一部にある。

 しかし、首脳会談が開催されて以降、トランプ政権が当初唱えていたCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核の放棄)を北朝鮮に適用するという強硬な考え方が前面に出される機会は、明らかに減った。

 ポンペオ国務長官は6月24日のインタビューで、北朝鮮の非核化に向けた交渉に「期限(timeline)を設けるつもりはない」と発言した。13日の時点では「大規模な軍縮を2年半で達成できると希望する」と述べ、トランプ大統領の任期末(21年1月)までに非核化の大部分が完了するという見通しを示していたが、それとの関連は不明。

 米国防当局高官は6月24日、ロイターなどに、履行期限を具体的な要求とともに北朝鮮に速やかに提示すると述べた。だが、国防総省のホワイト報道官は25日、「北朝鮮との外交プロセスに特定の期限はない」とツイートし、上記発言を事実上否定した。

 ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は7月1日のインタビューで北朝鮮非核化のスケジュールに関し、「北朝鮮が戦略的な決断を下し、われわれに協力的であれば非常に早く進めることができる。物理的には1年以内に大部分の廃棄が可能だ」と述べた。だが、この1年以内というのはあくまで、北朝鮮が核・ミサイルなどの関連施設を完全に公開するなど全面的に協力した場合はという、前提条件付きの話である。

コメント11件コメント/レビュー

元来米国は、シオニストロビーに依る『パラサイトパワー』に操られてきた国です。
イスラエルは建国当初から米国議会へのロビー活動を深化し、米国の政策決定に多大な影響力を及ぼしています。
これぞまさに『元祖シャープパワー』と言えるのではないでしょうか。
しかし、これほどまでのシャープパワーを長年受け続けているにも拘わらず、米国民はそれを問題視していないのが不思議です。政治・マスメティア・実業界・軍部など等、全てを覆い尽くすシャープパワーには、国民も問題意識すら持てないと言うのは恐ろしい事です。
日本の『対米立ち位置』として参考になるのではないでしょうか。(2018/07/19 11:31)

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「世界を忖度させる中国の「シャープパワー」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

元来米国は、シオニストロビーに依る『パラサイトパワー』に操られてきた国です。
イスラエルは建国当初から米国議会へのロビー活動を深化し、米国の政策決定に多大な影響力を及ぼしています。
これぞまさに『元祖シャープパワー』と言えるのではないでしょうか。
しかし、これほどまでのシャープパワーを長年受け続けているにも拘わらず、米国民はそれを問題視していないのが不思議です。政治・マスメティア・実業界・軍部など等、全てを覆い尽くすシャープパワーには、国民も問題意識すら持てないと言うのは恐ろしい事です。
日本の『対米立ち位置』として参考になるのではないでしょうか。(2018/07/19 11:31)

 問題提起としてたいへん参考になった。今後,「どのような対応をするべきか」についてもっと突っ込んだ議論を期待したい。
 「シャープパワー」というのは初めて知った。「21世紀のサイバースパイ活動」だろうか。民主主義の弱点をうまくついていると思う。この対応については「反間」的な発想でのシャープパワーの行使も検討してみるべきではないだろうか。もっとも,こうした活動を「AI」が自動的に対処するようになると予想外の状況が現出しそうで空恐ろしい。
 さて,トランプと北朝鮮については,米国の戦略にはもう少し懐の深さを疑っておくべきではないだろうか。米国は北朝鮮を「対中国カード」として使える選択肢を確保しようとしているのではないか。北朝鮮が一定程度米国と接近すれば,中国の対米緩衝地帯としての意味が低下する。中国の対米戦略での北朝鮮の立ち位置の不確定性が増せば,中国の戦略的判断をより難しくする。これは米国にとっての利益だ。トランプ氏はあくまで「いい人」として打ち出した政策でも,優秀なスタッフは米国の国益を最大化させる方法を見つけ出したのではないかと思う。この状況は日本の安全保障環境をを不確実化するものだ。したがって,日本も核開発を含んだ総合的重層的多様性を持った戦略「柳腰」戦略を準備しておくべきだ。もちろん「非核3原則」は順守すべきだ。だが,状況が劇的に変わった場合に6か月できれば3か月程度で実戦配備できるレベルの技術的能力を確保しておくのは悪くないかもしれない。(2018/07/18 13:55)

結局何を言いたいのかが良く分からないが、路駐のサイバーアタックの能力は高く、先進国のマル秘情報もDBに置いてあれば『只』で持って行かれる。米国の最新型ステルス戦闘機の情報の多くは中国に盗まれ、コピーされて中国で生産されている。中国は高い蓄積ノウハウのいる設計能力はないが、生産技術は今や世界トップレベルだ。これは先進技術を有する製品は中国内で生産しないと売らせないし、単独進出は出来なくて中国のパートナー企業との『合弁』会社での生産しか出来ない。このパートナーを通じて世界トップの生産技術や品質管理能力を自分のものとした。設計能力は、或いはハッキングによって盗取り、或いは先進国の優秀なエンジニアを高給で招いて手に入れる。何十年も掛けて追い付こうという嘗ての日本が取った方法は真似していない。こういう世の中で極秘資料も守れないなら、先ずは便利さを捨て、更にエンジニアもセットでまとめて引き抜かないと使い物にならないような仕組みを作り上げないと、それまで長年掛けて開発された技術をタダ同然で持って行かれてしまう。日本の官庁や企業でこの様な対策をとっている会社はあるのだろうか?(2018/07/17 12:44)

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