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日本人の「有給休暇の消化率」が極めて低い理由

有給取得に「罪悪感」感じる割合は世界でダントツ

2016年8月23日(火)

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 ただし、日本の消化率は、厚生労働省の公式データではもっと低く、直近データ(2014年)で47.6%。時系列で見ると、1999年までは50%を超えていたものの、2000年以降は50%未満にとどまっている<■図2>

■図2:日本の有給休暇取得率の推移
注:1999年までは賃金労働時間制度等総合調査、2000年以降は就労条件総合調査
(出所)厚生労働省

 日本ではなぜ、有給休暇の消化日数がこのように少ないのだろうか。

有給取得に「罪悪感」を感じてしまう日本人

 この疑問への回答になると思われる興味深い内容を、「Expedia有給休暇・国際比較調査」(2015年データ)は含んでいた。

 1つは、「有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合」である<■図3>

■図3:有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合
(出所)Expedia有給休暇・国際比較調査2015

 日本は18%という、突出して高い数字になっている。本来は権利の行使であるはずの有給休暇を取る際に「すみません」と言ってしまう感覚だ。

 そして、そう感じる理由の第1位は「人手不足」。ぎりぎりの人繰りで仕事が回っている場合、休暇取得中に同僚や部下の仕事が増えてしまうことに、心理的な抵抗感があるということなのだろう。第2位は「お金がない」。休んでも遊びに行くお金がない、ということだろうか。第3位は「自営業で時間がない」である。

休暇中に仕事が頭から離れない人の割合も1番

 もう1つは、「休暇中も仕事が頭から離れない人の割合」である<■図4>

■図4:休暇中も仕事が頭から離れない人の割合
(出所)Expedia有給休暇・国際比較調査2015

 日本は13%で、韓国の11%を上回るトップの数字。「仕事漬け」的な心理状態になっており、ONとOFFの切り替えができないということだろう。電子機器の進歩がそうした心理を創り出すのに大いに貢献していると考えるのは、筆者だけではあるまい。

 このほか、日本の会社では疾病休暇(病気休暇)を取得しにくいので(日数が多いと無給になるのが通常)、自分が病気になった時のために有給休暇をある程度残しておくという動機付けがあるのだろうという指摘がある。実際、筆者の友人の1人はまさにこのパターン通りの行動をとっており、疾病休暇についてはその存在さえ知らなかった。

 さらに、会社が年間の「休暇パターン」のモデル例を提示しているため(銀行業界の場合に多いのは「1週間休暇+3日休暇+それらをとらなかった四半期に1日ずつ」)、それを超える日数の休暇はとりにくい雰囲気になっているという声も聞いた。

コメント20件コメント/レビュー

歴史的にご奉公という感覚が根付いているとか民主主義が根付いてないとかいろいろ理由はあるだろうが、まずは、ここで指摘しておきたいのは、ヒエラルキーの最上流である官僚が残業からまぬかれないという構造にも一因あるのではないかと思っている。特に国会開催時は議員の質疑応答への対応から深夜までの待機や資料作りに追われるという。これは地方議会においても同様と聞く。通常業務においても出世競争のために残業の多い者が優秀と評価されるという雰囲気もあるようだ。0こうした構造をまずは改めていかないといけないと思う。法律を作成する者たちがこのような有様であるなら、なかなか現状は変わらないと思う。(2017/01/17 05:15)

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「日本人の「有給休暇の消化率」が極めて低い理由」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

歴史的にご奉公という感覚が根付いているとか民主主義が根付いてないとかいろいろ理由はあるだろうが、まずは、ここで指摘しておきたいのは、ヒエラルキーの最上流である官僚が残業からまぬかれないという構造にも一因あるのではないかと思っている。特に国会開催時は議員の質疑応答への対応から深夜までの待機や資料作りに追われるという。これは地方議会においても同様と聞く。通常業務においても出世競争のために残業の多い者が優秀と評価されるという雰囲気もあるようだ。0こうした構造をまずは改めていかないといけないと思う。法律を作成する者たちがこのような有様であるなら、なかなか現状は変わらないと思う。(2017/01/17 05:15)

一般的な事務職ですら、それぞれ属人性の高い仕事をしており、気軽に「休んでる間の仕事の引継をお願い」できない。
これは○○さんに聞かないとわからないな・・・といった業務が非常に多い。
日本の場合は有休取得を促すのではなく、みんなで足並みそろえて休む方がよいのではなかろうか。

また、企業間競争の激化が「休めない」状況を生み出す側面もある。
法律を守って休んで、その間に競合負けしました、などという言い訳は残念ながらどこにも通用しない。
まずは労基がしっかりと大手企業「営業部」の実態を把握することから始めてはいかがだろうか。(2017/01/14 11:03)

私はドイツ資本の企業に勤めているためか非常に休暇を取りやすい雰囲気です。
もちろん理由も不要です。
年次休暇以外に傷病休暇、慶弔休暇が別にあり
いずれも口頭での説明で済んでしまい
極論、親戚が亡くなったことにして有給が増やせてしまうような状態です。
部署内の誰かしらが毎月1日以上は休んでいます。
他の会社から転職してきたばかりの頃は驚きましたが今では普通ですね。(2016/11/22 20:03)

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