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「カネ余りの宴」そろそろジ・エンド?

広がる不安心理、注目されるFRBの対応

2018年12月4日(火)

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11月下旬、ニューヨークで講演したパウエルFRB議長(写真: AP/アフロ)

 「カネ余りの宴」の終わりが意識される中で、さらには世界経済の成長が鈍り始める中で、米国株が10月以降、急落を繰り返している。東京市場でも株価が下がり、国債が買われている(利回りは低下)。2019年には金融市場の不安定化が一層鮮明になり、米国の中央銀行FRB(連邦準備理事会)は利上げを止めざるを得ないだろう。

 今では覚えている人も少ないだろうが、米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和第2弾(QE2)を決めた翌日、10年11月4日の米紙ワシントン・ポストに寄稿したバーナンキFRB議長(当時)は、「より高い株価は消費者の富を大きくし、信頼感が増すのを支援するだろう」「そしてそれは、支出を促すことにもつながり得る」「支出増加は景気拡大を一層支援するだろう」とした。株価の押し上げこそが量的緩和(QE)の本当の狙いなのだと、筆者は受け止めた。

 先進国の主要3中央銀行(FRB・ECB・日銀)の総資産は、08年以降、量的緩和が実行される中で増加を続けてきた。中銀バランスシート上の超過準備が株式などリスク資産への投資に直接回るわけではないが、「量」拡大が続くことによる一種の安心感により、市場のセンチメントが「リスクオン」に傾きやすくなったことは間違いあるまい。

 しかし、これら3中銀の総資産を合算した額がピークをつけて減少に転じるタイミングが近づいている<図1>。すでにそれを意識して動揺しやすくなっている市場心理が、年明け後に一層不安定化することは避けられまい。

図1:日米欧中央銀行のバランスシートにおける総資産の合計額(ドル換算)
注:ECBは1ユーロ=1.13ドル、日銀は1ドル=113円で換算
(出所)FRB、ECB、日銀資料から筆者作成

 米国では、17年9月のFOMCで、FRBのバランスシートを縮小し始めることが決まり、緩やかなペースで同年10月から実行されている。18年11月21日時点でFRBの総資産は4兆1062億ドル。17年11月(29日時点)と比べると、前年同月比▲7.5%である。

年末で止まるユーロ圏のバランスシート拡大

 ユーロ圏では、18年6月のECB理事会で、月300億ユーロになっていた量的緩和(資産買い入れ)を10月から月150億ユーロに半減した上で、年末で打ち切る方針が決まった。そして、9月および10月の理事会で、上記の方針が確認された。ECBのバランスシート拡大は、年末で止まる(年明けからは再投資政策によってバランスシートの規模を維持)。18年11月16日時点で、ECBの総資産は4兆6383億ユーロ。17年11月最終週のデータと比べると、前年同月比+4.1%である。

 日本では、日銀が16年9月の金融政策決定会合で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に切り替えることを決定。これにより、量ではなく金利(長短の政策金利)が、金融政策運営のターゲットになった。

 さらに、18年7月の同会合で日銀は、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定。緩和がこのまま長期化することを前提に、持続可能性を高めるための措置として、長期国債買い入れの弾力化などが決まった。日銀保有長期国債残高の増加額は「めど」である「年間約80兆円」を大きく下回っており(18年10月末の前年同月末差は+42兆7433億円にとどまった)、マネタリーベース、ひいては日銀の総資産が拡大するペースも落ちている。

 18年11月20日時点で日銀の総資産は553兆6327億円。17年11月末と比べた場合、前年同月比は+6.1%である。なお、日銀の総資産は日本の名目GDPを超える規模まで、すでに膨らんでいる。1つ前の11月10日時点の営業毎旬報告の数字をもとに、日本のマスコミはその事実をこぞって報じた。

コメント10件コメント/レビュー

みんな中々言わないけど、停滞の原因の少なくない部分を
・ゼロサムの奪い合いで生産性の無い部分に人類全体の労力の多くをかけすぎ
・効率の向上の余地が少なくなってコスパが悪くなる部分にも金をかけすぎ
・命を大事には判るが助ける為のコストとして若手他に負担をかけすぎ
・個人主義というが実質利己主義を肯定しすぎて全体で非効率化
・中間搾取構造が糞
このへんが大きいと思うよ。

細かい所では
・ベルマークやプルタブ、何とかポイント等、時間と資源の無駄が多い
・プラ分別など、洗浄や再液化するより燃やして熱の再利用の方がマシでは?
等色々(2018/12/05 23:23)

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「「カネ余りの宴」そろそろジ・エンド?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

みんな中々言わないけど、停滞の原因の少なくない部分を
・ゼロサムの奪い合いで生産性の無い部分に人類全体の労力の多くをかけすぎ
・効率の向上の余地が少なくなってコスパが悪くなる部分にも金をかけすぎ
・命を大事には判るが助ける為のコストとして若手他に負担をかけすぎ
・個人主義というが実質利己主義を肯定しすぎて全体で非効率化
・中間搾取構造が糞
このへんが大きいと思うよ。

細かい所では
・ベルマークやプルタブ、何とかポイント等、時間と資源の無駄が多い
・プラ分別など、洗浄や再液化するより燃やして熱の再利用の方がマシでは?
等色々(2018/12/05 23:23)

>森さん(金融庁)が言っていたように、銀行は本来の仕事(融資)を行って下さいにつきます。
「べき論」はその通りなんですが、現実的には森元金融庁長官が絶賛していたスルガ銀行はイカサマアパート経営投資会社の片棒を担いでいたし、中小企業融資のために石原都知事肝いりで作った新銀行東京は赤字を抱えて公的資金を注入する羽目になったし、更に遡って長期設備投資を目的として作られた長銀はバブル崩壊後の不良債権で以下略なので、銀行の目利き力に期待するのは無理があります。
更に不良債権処理のトラウマから、銀行がリスクを取る事を嫌がる(の割にはスルガ銀行の乱脈融資を見抜けなかった)金融庁の強い指導下にあるし、今後も銀行はお堅い担保融資に専念し、万が一にも預金を焦がす事が無いようにして貰って、企業投資は直接投資を育てた方が良いのでは。
まあ、この間接投資から直接投資への転換も小泉政権の時に「貯蓄から投資へ」って散々煽った挙句ライブドアショックで新興市場が冷え込み、リーマンショックで株式市場自体が落ち込んで終わったのですが。
それでも、間接投資より直接投資でリスクを取る人、大企業勤務より企業でリスク取る人が増えないと、経済の活性化は難しいでしょう。
来年度以降、移民が増えてくれば徐々に平均年齢も下がり、リスク許容度も下がり、海外資本の流入も増えと時間はかかれど流れが変わるかも知れません。(2018/12/05 19:35)

「信用創造の欠如」が日本経済低迷(デフレ脱却できず)の原因でしょう。
将来の為の設備投資にお金が回っていません。ただ不動産にのみジャブジャブです。
「土地担保融資」しか銀行は行えません。リスクは100%借り手が負いますから・書類さえそろえば素人でも仕事になります。 これに対し製造業はスパンが長い(研究開発、製造、販売、回収まで10年程度)ので、近視眼の金融マンには判断できないのでしょう。銀行が貸し出したい優良企業は市場から資金を直接得ます。本来銀行を頼るべき中小は、過去の苦い経験(貸しはがし等)で絶対に銀行など信用していません。 銀行は資金を日銀当座に積むだけです。
 日銀がどれだけお金の蛇口を広げても、仕事をすべき銀行が「信用創造」を行いませんので、日銀の金利と世間の景気(人々の懐)につながりが薄いので、金利効果が表れてこないのです。
 森さん(金融庁)が言っていたように、銀行は本来の仕事(融資)を行って下さいにつきます。
こんな状態で、低金利を辞めるなど、まさに自殺行為になるでしょう。
(H,S)(2018/12/05 11:35)

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保岡 興治 元法相、自民党憲法改正推進本部特別顧問