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「トランプの拳」、落としどころは視界ゼロ

秋まではいかなる失敗もできぬ習近平の限界

2017年5月2日(火)

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緊迫する朝鮮半島情勢をめぐって米中朝による虚々実々の駆け引きが続いています。「米朝開戦」の可能性はやや遠のいた感じがします。米国内ではどうとらえられていますか。

高濱:ドナルド・トランプ大統領の決まり文句は、「すべての選択肢はテーブルの上にある」です。

朝鮮半島へ向かう米空母カール・ビンソン(写真提供:Mass Communication Specialist 2nd Class Sean M. Castellano/U.S. Navy/ロイター/アフロ)

 原子力空母カール・ビンソンを中心とした空母打撃群を朝鮮半島沖に向かわせる一方、アフガニスタンに大規模爆風爆弾(MOAB)を投下して、北朝鮮の核施設を打撃する意思をあらわにしました。MOABは通常兵器では最強の破壊力を持つといわれています。

 <核兵器を放棄しないのならここまでやるゾ>という「最大限の圧力」を金正恩委員長に突き付けたわけです。

 ところが3週間たった今、トランプ大統領は硬軟両様作戦に転じたそぶりをみせています。

 米主要シンクタンクのアジア専門の研究者の一人はこう筆者に語りました。「トランプ大統領が就任して以降の朝鮮半島情勢を見ていると、いまのままでは危ない、いつ何が起こるかわからないという不安と緊迫感を全世界の人たちに抱かせている。『俺は手の内を事前に明かさないのが強み』と自分で言うほど想定不可能な行動をとる『型破りのトランプ』の面目躍如といったところだ」

 「それに、相手は、『国体』(つまり金王朝)を守るためには国土を焦土化してもかまわないと決意しているかに見える金正恩が主役。準主役は泰然自若とした中国の習近平(国家主席)」

 「朝鮮半島が置かれた地政学上の状況は分かっていても、ハッタリ合戦だと分かっていても、『米朝開戦』にまっしぐらに進むような雲行きが続いてきた。米政治学者たちが好んで使う『カブキ・プレイ』*なのだが、両者の演技が真剣みを帯びてきて、まさかと思っていた日本と韓国の政府まで血相を変え始めた。そんな中で、一番緊張しながらも腹が座っていたのは、『仲介役』を期待されている習近平じゃなかったのか(笑い)」
*:「カブキ・プレイ」(Kabuki Play)とは、実際にはサブスタンス(実質)のある行動はとらないが、思わせぶりで、大げさな立ち振る舞いをする、といった意味で使われている。
("It's Time To Retire Kabuki," Jon Lackman, www.slate.com., 4/14/2010)

硬軟の「硬」はトランプ、「軟」はティラーソン

 トランプ政権の現在の動きを見ていて気づくのは、その硬軟両様作戦をトランプ大統領とレックス・ティラーソン国務長官が手分けしてやり始めた点です。

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高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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