• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「米朝会談」の成果はどうであれ、これは歴史だ

ロシアゲートの聴取逃れのため米朝首脳会談を利用した?!

2018年6月14日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

合意事項は、漠然としたものにとどまった(写真:AP/アフロ)

米朝首脳会談が終わりました。米国内の反響はどうですか。

高濱:米国のテレビはドナルド・トランプ米大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長との歴史的握手の瞬間を中継で報じました。

 新聞各紙の電子版は両首脳が握手をした6月12日午前9時(日本時間同10時)直後、「歴史的な出会い」とか「北朝鮮の国家元首と会談する最初の米大統領」といった見出しをつけていました。

 しかし米朝首脳会談が終わり、共同声明が出るや、具体策に欠ける点を厳しく指摘しています。「非核化がすぐ始まるとしているが、その詳細には触れていない」(米ニューヨーク・タイムズ)。「米国が求めてきた完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)を実現させるプロセスに言及していない」(米ウォール・ストリート・ジャーナル)。

 トランプ大統領の記者会見の模様を、筆者と一緒にテレビで見ていた口の悪いリベラル派の米ジャーナリストはこう言いました。「両首脳はこの瞬間を作るだけで、今回の会談の目的の8~9割は達成できたと思ったのではないか。ところがどっこい、メディアはそう簡単には騙せないよ」

 トランプ大統領は「記念撮影だけには終わらせたくない」と言っていました。そんなことを言ったのは、両首脳が握手する場面が世界中に流れることをやはり意識していたからなのでしょうね。なにしろ、ご自身でショー番組の企画制作出演をしていた御仁ですから。

 余談ですが、トランプ支持を鮮明にしている保守系のフォックス・ニュースの女性アンカーのエビィ・ハンツマン氏が会談直前にこんなリポートをしてしまいました。

 「二人の『独裁者』による米朝首脳会談。その結果がどうなろうともこれは歴史です」とやってしまったのです。放映直後、この女性アンカーはツイッター上で平謝りしていました。

 ただし、金正恩委員長は、人権抑圧政策を続ける世界に冠たる独裁者。一方のトランプ大統領も大統領特権を使ってまでロシア疑惑捜査を阻止しようとする「独裁者」です。女性アンカーの発言は言いえて妙でした(笑)。トランプ大統領は北朝鮮の人権問題について厳しく批判するようなことはしませんでしたから。

米一般市民は「歴史的会談」にも関心なし

米朝首脳が握手する光景をテレビで見て、米国民はエキサイトしたでしょうね。

高濱:それが、そうではないのです。人にもよりますけど。日本や韓国のように国を挙げて、という感じではありません。

 騒いでいるのはメディアだけ、などと言うと叱られるかもしれませんが(笑)。筆者が住んでいるロサンゼルス近郊の市民に聞いてみたところ、米朝首脳会談にあまり関心はないようです。

 都会だからそうなのかもしれないと思い、中西部のアパラチア山脈地域に住むベイカーさん(55歳、零細農業経営者)に電話で聞いてみました。同氏は中低所得の白人層の典型です。

 彼はこう答えました。「テレビは見ない。さっきラッシュ・リンボー*のラジオで知った。6600マイルも離れているアジアの国の独裁者が核兵器を持とうが持つまいが、俺らには関係ないよ。わが大統領が『リトル・ロケットマン』(トランプ大統領がかって金正恩委員長を小ばかにしてこう呼んでいた)に会おうと会うまいと俺の生活には無関係だしね」

*:ラッシュ・リンボー氏は保守系全米人気ラジオ番組のホスト人気コメンテーター。毎日正午から午後3時(東部時間)放送されている。リスナーは週平均1325万人。中西部、南部の白人大衆層に圧倒的な影響力を持っている。

コメント7件コメント/レビュー

実際に起きた事象は全てが歴史に残る。その事象に対する評価と「歴史に残る』ということの違いにトランプは気付いていないのかな・・・他所の国人が選んだ大統領だから評価できる立場ではないですが・・・トランプとトランプを選んだアメリカ人はバカではないかと疑ってしまう。(2018/06/15 07:10)

オススメ情報

「アメリカ現代政治研究所」のバックナンバー

一覧

「「米朝会談」の成果はどうであれ、これは歴史だ」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

実際に起きた事象は全てが歴史に残る。その事象に対する評価と「歴史に残る』ということの違いにトランプは気付いていないのかな・・・他所の国人が選んだ大統領だから評価できる立場ではないですが・・・トランプとトランプを選んだアメリカ人はバカではないかと疑ってしまう。(2018/06/15 07:10)

高濱先生!MSNBCのレイチェル・メドウが世紀の大発見をしました:なんとロシアと北朝鮮は国境を接していた!だから今回のトランプと金正恩の会談は、じつはプーチンを助けるためのものだったんです。(2018/06/14 22:20)

本気になれば、北朝鮮への経済制裁は機能することがわかった。

従って、北朝鮮はその時点で「負け」なのである。ただし、内部崩壊させないために北のメンツだけは保てるような会談結果にしたんだろうと思う。内部崩壊すると余波が様々な国に及ぶ。そんなとばっちりを受けるようなやり方は愚策だ。

あまり具体的な筋書きを庶民にオープンにすれば、蜂の巣をつついたような賛否両論が飛び交い、収拾がつかなくなる。それよりも成果は小出しにしていったほうが長持ちさせられる。そう確信し、あとはトランプ大統領が自分の思うがままに料理していこうという腹積もりなんだろう。

そこに相乗りしたのが安倍総理。あまり結論がハッキリしてしまっていては自分の成果にならないからね。まあ、落としどころだけはトランプ大統領と金正恩委員長とで決めておいて、そのプロセスはそれぞれに利があるようなシナリオを描いて少しずつ出していく。そこに安倍総理もわき役として入り込めれば万々歳でしょう。(2018/06/14 15:29)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

目に見えない部分、 普段は気付かれない部分に 象印の強さがある。

市川 典男 象印マホービン社長