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「米朝会談」の成果はどうであれ、これは歴史だ

ロシアゲートの聴取逃れのため米朝首脳会談を利用した?!

2018年6月14日(木)

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メディアは「具体策欠如」を批判

首脳会談の中身について、米国の専門家や知識層はどう評価していますか。

高濱:トランプ大統領と金委員長は会談後、会談内容を踏まえた共同声明に署名しました。同大統領は「包括的なものだ。できるだけ迅速に(文書の内容を具体化する)プロセスを進める」と言明しました。

 共同声明には次の点を明記しました。

  1. トランプ大統領は北朝鮮の体制保証を約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に断固取り組むことを確認
  2. 米朝は永続的で安定的な朝鮮半島の平和体制構築に共に努力する
  3. 米朝は新たな関係を構築する

 またトランプ大統領は「金委員長を絶対にホワイトハウスに招く」と語り、2回目の首脳会談を行う意向を明らかにしました。中間選挙前にもう一度「政治ショー」をやって共和党を勝利に導こうという選挙戦術の一環なのでしょうね。

 米メディアが今回の米朝首脳会談に辛い点数をつける伏線は会談の前からありました。米朝首脳会談の開催を決めてから6月12日までの2カ月ちょっと、政府部内の専門家や官僚を一切遠ざけて、一握りの側近と策を練るトランプ流に厳しい目を向けていたのです。米メディアは、トランプ大統領の政治手法を、「seat-of-the pants」(計画を立てずに勘やフィーリングで事を進める)とか、「wing it」(役者がセリフを覚えずに舞台に立ち、芝居の最中、袖にいる付け人にセリフをささやいてもらうこと)という表現で報じてきました。

 トランプ大統領がこうした手法をとったのは米朝首脳会談だけではありません。米朝首脳会談の直前、同大統領は先進国首脳会議(G7)で自由貿易をめぐって西側同盟諸国と大喧嘩をしました。戦後の国際秩序において最も重要な欧米関係は崩れかねない状況になっています。

特別検察官の「聴取」を逃れるためのシンガポール行き?

準備不足を指摘されながらどうして、トランプ大統領は米朝首脳会談に意欲を燃やしたのですか。

高濱:よく言われているように北朝鮮の金正恩委員長と会って脚光を浴び、あわよくばノーベル平和賞をもらい、返す刀で支持率を盛り返して秋の中間選挙で共和党大勝利をもくろんでいるから、というのはどうやら本心のようです。

 でもワシントン政界にはこんな説もまことしやかに流れています。

 <ロシアゲートを捜査するロバート・モラー特別検察官チームは大統領に対する聴取を要求してきた。これを逃れる手段として米朝首脳会談を利用した。外交上の理由で聴取を蹴るよう弁護団に指示した>

 米朝首脳会談で成果を上げれば、自分に対する疑惑もすっ飛ぶのではないか、と考えたというのです。どこまで真実かは別としてトランプ大統領は大統領特権を行使して捜査を中止させようとしています。これに対しモラー特別検察官は、同大統領が聴取を拒否するなら召喚状を出す構えです。

コメント7件コメント/レビュー

実際に起きた事象は全てが歴史に残る。その事象に対する評価と「歴史に残る』ということの違いにトランプは気付いていないのかな・・・他所の国人が選んだ大統領だから評価できる立場ではないですが・・・トランプとトランプを選んだアメリカ人はバカではないかと疑ってしまう。(2018/06/15 07:10)

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「「米朝会談」の成果はどうであれ、これは歴史だ」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

実際に起きた事象は全てが歴史に残る。その事象に対する評価と「歴史に残る』ということの違いにトランプは気付いていないのかな・・・他所の国人が選んだ大統領だから評価できる立場ではないですが・・・トランプとトランプを選んだアメリカ人はバカではないかと疑ってしまう。(2018/06/15 07:10)

高濱先生!MSNBCのレイチェル・メドウが世紀の大発見をしました:なんとロシアと北朝鮮は国境を接していた!だから今回のトランプと金正恩の会談は、じつはプーチンを助けるためのものだったんです。(2018/06/14 22:20)

本気になれば、北朝鮮への経済制裁は機能することがわかった。

従って、北朝鮮はその時点で「負け」なのである。ただし、内部崩壊させないために北のメンツだけは保てるような会談結果にしたんだろうと思う。内部崩壊すると余波が様々な国に及ぶ。そんなとばっちりを受けるようなやり方は愚策だ。

あまり具体的な筋書きを庶民にオープンにすれば、蜂の巣をつついたような賛否両論が飛び交い、収拾がつかなくなる。それよりも成果は小出しにしていったほうが長持ちさせられる。そう確信し、あとはトランプ大統領が自分の思うがままに料理していこうという腹積もりなんだろう。

そこに相乗りしたのが安倍総理。あまり結論がハッキリしてしまっていては自分の成果にならないからね。まあ、落としどころだけはトランプ大統領と金正恩委員長とで決めておいて、そのプロセスはそれぞれに利があるようなシナリオを描いて少しずつ出していく。そこに安倍総理もわき役として入り込めれば万々歳でしょう。(2018/06/14 15:29)

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