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WRC開幕! 祝・トヨタ・ラトバラ2位表彰台

帰ってきたWRC好き女子が解説します

2017年1月28日(土)

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なんなんだこの連載は? 「コドライバー」って何だ? と思われた方はこちらをどうぞ

2017年WRC開幕戦、モンテカルロラリーでトヨタは2位入賞を果たしました(※ヤリスと開幕戦の写真はすべてTOYOTA GAZOO Racing提供)

 1月16日、新聞やニュースサイトのスポーツ欄には「WRC開幕戦モンテカルロラリー、トヨタ2位の快挙」といった見出しが踊りました。

 WRC(世界ラリー選手権)とは、F1などと同じくFIA(国際自動車連盟)が主催する自動車競技の世界選手権です。サーキットレースとは異なり、一般の公道を猛スピードで走り「最速」を決めるという、数あるモータースポーツの中でも一番過酷、かつ、一番ぶっとんだ競技です。

 日本での知名度は今ひとつなのですが、ヨーロッパなどでは非常に人気があるスポーツです。車両は市販車に改造を施したものを用いるので、自動車メーカーはブランドイメージの向上を目的として、WRCに参戦します。かつては三菱、トヨタ、スバル、スズキ、マツダなど、日本の自動車メーカーも数多くWRCに参戦していました。

 そのWRCに今年、トヨタが18年ぶりに復帰し、開幕戦でいきなり2位を獲得しました。
 これを言祝ぎまして、本連載も約1年ぶりに緊急復活というわけです。

 それにしても初戦から表彰台とは、やはり日本メーカーの技術力はすごい?
 トヨタ黄金時代が再来する?

ファンにも過酷なモンテカルロラリー

 事情はそう単純ではありません。今回のトヨタの2位がいかにして成し遂げられたのか、そして今年のWRCの展望はどうなのか、ファン歴はここ数年の「ニワカ」ではありますが、熱意だけは負けないつもりのWRC好き女子(なにせ本連載のような記事を自腹で世界中に行って書くくらいです)、岡本が詳しく分析させていただきたいと思います。

トヨタの車両はヤリス(日本名ヴィッツ)。かわいらしいコンパクトカーのイメージがあるヴィッツが、最も過酷なモータースポーツと言われるWRCを走ります

 WRC第1戦モンテカルロ。伝統と格式のあるラリー(表彰式はモナコの王宮で行われ、モナコ大公も出席します)、シーズンの開幕戦、そして私が熱心に応援しているセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組の地元で開催されるラリー(サービスパークが置かれるギャップはオジエの故郷)、トヨタの復帰第1戦と、「ぜひとも行きたい」ラリーでした。

 過去、モンテカルロへは2013年、2014年に観戦に行き、2015年の暮れにはモンテカルロの事前テストにも行きました。しかし、今年、私は日本にいました。

 そもそも、WRC観戦は「ちょっと海外旅行」気分で訪れることができるような、甘っちょろいものではありません。日本から現地までの長距離移動、よくわからない海外の道でレンタカーを運転、数日間、早朝から晩まで野山をかけずり回ってヘトヘトに疲れ、満足に睡眠も取れず、時には、まともな食事にありつけるかどうかすら怪しいという、過酷な旅を覚悟しなければいけません。

 その中でも、モンテカルロは最も観戦が過酷と断言できます。

 日程がほかのラリーよりも長く、途中でラリーの拠点がギャップからモナコへ300km以上も大移動するため、観戦する側の移動距離も必然的に長距離になります。そして、なにより、ものすごく寒い! 朝晩はマイナス10度以下に冷え込みます。ラリー観戦は1日中外にいるので、体は芯まで冷え切ります。また、ラリーのハイライトである名物ステージのチュリニ峠では、車の通行規制が行われるため、観客は雪の山道を6~7kmも歩いて上らなければなりません。

 つまり、モンテカルロを観戦に行くためには、体力万全な状態で臨む必要があるわけです。ところが私は昨年からやや体調を崩し気味で、泣く泣く日本から応援となった次第です。実際、今年現地に行ったカメラマンの知人は車の移動距離が1400km、歩行距離は40km超えだったそうです。

過去に観戦に行ったモンテカルロでの写真。とにかく寒さに震えていた思い出があります

ヤリ=マッティ・ラトバラの獲得という幸運

 話をトヨタの快進撃に進めましょう。今回のモンテカルロでの2位は、チームのエース、ヤリ=マッティ・ラトバラ選手(以下恐縮ですが敬称略)が獲得したものです。

写真左がエースドライバー、ヤリ=マッティ・ラトバラ、右がチームメイトのユホ・ハンニネン

 個人的な印象ですが、私は、もしトヨタがチームにラトバラを獲得できないでいたら、今回の2位もなかっただろうと思います。というのは、モンテカルロは、最も難しく、ドライバーの質と、そして何より経験が問われるラリーだからです。

 路面はターマック(舗装路)ですが、ドライの部分もあれば、所により雪や凍結している部分もあり、気温が上昇すると今度は雪や氷が溶けて、コンディションが一変します。路面がここまでめまぐるしく変わるのは、モンテカルロ以外にはありません。経験の浅いドライバーは、路面状況の急変に対応できず、たいていはミスを犯してクラッシュしてしまいます。

 ラトバラは昨年までフォルクスワーゲン(VW)に所属しており、2017年もVWで走るはず…でした。ところが、昨年11月、VWは突然WRCからの撤退を発表しました。

コメント8件コメント/レビュー

熱意が伝わる記事で楽しかったです。
これからも期待しています!(2017/02/01 10:23)

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「WRC開幕! 祝・トヨタ・ラトバラ2位表彰台」の著者

岡本 ゆかり

岡本 ゆかり(おかもと・ゆかり)

ライター

筑波大学卒業後、日経BP社に入社。「日経クリック」「日経PC21」の編集部を経てフリーに。趣味はF1とWRC(世界ラリー選手権)の観戦。年に数回、現地に観戦に赴く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

熱意が伝わる記事で楽しかったです。
これからも期待しています!(2017/02/01 10:23)

WRCが日本でも流行るといいですね。何か機会があったら技術的な解説も読んでみたいです。(2017/01/30 13:20)

WRCに限らず日本はあまりモータースポーツ全般の人気は高くないですよね。
日本のメーカーが撤退してたりして注目度も上がらないし。
そこで開発された技術が市販車にフィードバックされ、みんながより安全に運転ができるようになるという意味でも応援したいところです。ビジネス的にも。(2017/01/30 10:41)

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