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トランプ大統領を生み出し、社会を分断したSNS

デマ対策をしていたら選挙結果は違っていた?

2016年11月21日(月)

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トランプ氏の勝利にともなう混乱

 米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利は多くの人々にとって大きな驚きであったが、その影響ははかりしれない。今や正当性を獲得したと考えるトランプ氏への投票者たちによって広がる人種差別的発言、一方で「トランプ氏は我々の大統領ではない」「人種差別と戦う」などといったプラカードを掲げた多くの人々の抗議行動。ひいてはカリフォルニア州のアメリカ合衆国からの独立を提案する「Calexit(カレグジット、カリフォルニア州の米国からの独立。実現すれば、世界で6位の経済圏が成立する)」の動き──。現在、同時多発で起こっている混乱がすべて収束する見通しはまだ立っていない。

 このような激しい反応は決して驚きでもなんでもない。公の場で人種差別や女性蔑視の発言を連発するような人物である、ドナルド・トランプ氏が来年1月20日には世界一の大国の指導者になるからだ。

大方の予想を裏切って、ドナルド・トランプ氏が来年1月、米国大統領になる。トランプ氏のこれまでの数多くの暴言、差別発言などから生じる先行き不透明感が、多くの人の心を不安にさせている。(写真:ロイター/アフロ)

テクノロジー産業に敵対的なトランプ氏

 米決済大手ペイパル共同創業者でシリコンバレーの投資家であるピーター・ティール氏(トランプ氏の政権移行チームに参加)を除けば、おおむねテクノロジー業界は一致してトランプ氏への反意を表明してきた。シリコンバレー企業のイノベーションのカギは移民による多様性にあり、移民規制策を実施されれば悪影響が出るという現実的な理由も背景にはある。

 トランプ氏は大減税を実施して鉄鋼や自動車など製造業の拠点を米国に戻し、雇用を増やすと語ってきたように伝統的産業を持ち上げる。一方、「アップル製品は敵だ」などと、ITなどテクノロジー企業、シリコンバレーなどに対して、トランプ氏は冷淡で敵対的な発言をすることがあった。大統領選が終わりトランプ氏の勝利が決まった後、アップルCEOのティム・クック氏が社員たちに送ったレターのトーンは、シリコンバレーの重苦しい先行きを物語っている。

「iPhone」のボイコットを主張

 トランプ氏は、アップル社がFBIの協力要請を拒否したために「iPhone」のボイコットを主張した。さらには、テクノロジー分野の外国人労働者へのビザ発給システムの差し止め、東南アジアからの輸入品への課税の引き上げ、インターネットの中立性への介入などを主張してきた。トランプ氏はテクノロジー分野の政策を明示していないこともあり、これまでのトランプ氏の言動から警戒を強めた米インターネット協会は、大統領選後の14日にトランプ氏に対して要望書を送っている。

 トランプ氏は指導者にはふさわしくない差別的発言のほか、気候変動の問題も意に介さずに「パリ協定」(産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えるなどといった内容)からの脱退を唱えている。次期米大統領は、震えるほどの不安を人々に与えている。トランプ氏が、テクノロジーカルチャーへの深い知識や洞察を持ち合わせていないことも最悪だ。

 ともあれ、トランプ氏を非難するのはこれ位にしておこうか。テクノロジー業界も、ここで一定の内省が求められるべきだということを指摘しておく。テクノロジー産業の拡大、とりわけSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の浸透によって出現した社会の深い「分断」や「溝」がある。それが今回のトランプ氏勝利の要因の中でどれぐらいの比重を占めているのかについて、考えなければならない。

コメント10件コメント/レビュー

たまたま「併せて読みたい」に上がってきたので読んだのですが、
SNSを作って事業展開した人、と、SNSを何かの目的のためにうまく使える人、というのは違う人種かもしれない、というより、たぶん違う、というところに思い至っていないと思われるコメントは大変残念。
例えばテニスラケットの制作者は誰よりもテニスのプレーが上手いのかというと、そうじゃないよな、ということ。(2017/02/09 10:06)

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エンリケダンス

エンリケダンス(えんりけ・だんす)

スペインIEビジネススクール教授

IEビジネススクールでMBA取得。米UCLA 情報システム学部で学び博士号取得後、ハーバードビジネススクールで学ぶ。労働者や企業、社会に対しての技術革新の影響についての研究を深めている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

たまたま「併せて読みたい」に上がってきたので読んだのですが、
SNSを作って事業展開した人、と、SNSを何かの目的のためにうまく使える人、というのは違う人種かもしれない、というより、たぶん違う、というところに思い至っていないと思われるコメントは大変残念。
例えばテニスラケットの制作者は誰よりもテニスのプレーが上手いのかというと、そうじゃないよな、ということ。(2017/02/09 10:06)

全面的にクリントンの肩を持った既成メディアを中心としたエスタブリッシュ層の
悔し紛れ発言としか思えません。
これがもしクリントンが勝ってたら、草の根意見を支えたSNSなんて記事を書いてた
のでしょうね。(2016/11/25 15:24)

>虚偽内容や操作された情報が際限なく拡散しており、トランプ陣営はSNSのこの特性をうまく利用したと言える

これは不思議な物言いですねえ。そんなことはシリコンバレーの住人ならば百も承知であるネットの特性なのに、プロがそれをコントロール出来ず「ハイテク素人」のトランプ氏に情報戦で完敗したと。それともクリントン陣営は「我々はSNSで相手陣営についての虚偽内容を一切記載せず、情報操作も行わず清廉潔白な選挙戦を行ったので負けました」ということですか。
・・・分析能力の欠如した参謀しかいないとこうなる、という良い見本と思って読みました。(2016/11/22 10:26)

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